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今世の廻天 - 巡り巡って本気出す -  作者: 飽き性の少年
第二章 少年期 冒険の始まり編
6/21

第6話「約束の日」

こんにちは、作者の飽き性の少年です。

この物語は、前世の記憶を持つ少年ノルディアが、少し奇妙な日常と冒険をする物語の第二章です。

理不尽な孫の手様の作品、無職転生に影響を受けつつ、

自分なりの物語を書いてみました。

多少妄想全開な描写がありますが、楽しんで読んでいただけると嬉しいです。

僕はノルディア・ノーリス3歳半、泣き虫の女と旅をしていた。

旅をしていた頃が数年前のようにも思える。





「遅かった...」






――1年前



「ノル、飲み物持ってきて」


「はい分かりました」



この生意気な女はフィリア

僕の師匠でもあり友でもある。


今日は剣術大会に出場していた。

....もちろん僕ではない、彼女が出場している。

彼女は魔人級剣士とだけあってほとんど一撃で進んできた。


「このまま進んでいったら全国大会出場も夢じゃないわね!」


「えぇ、そうですね」



こんな楽に進んでいけるとは到底思えない。

いくら魔人級とはいえ5歳半の女の子だ。


いや、一応魔王の子孫だったか。




「次の試合は準決勝です」



遂にここまで来たか、今までフィリアは剣術に励んできた。


あまり期待はしないよう心がけていた、期待しない方が勝てると思ったからだ。




「置いとくね...」



誰だ?


「それじゃあ行ってくるわね、ノル」


「はい、フィリアならきっと勝てます!」






「用意...初め――」



相手はフィリアの4倍ほど体格の良い選手だ。

これは強敵かもしれない...




「やった!勝ったわ!!」



瞬きしている間に終わっていた。


この世界では体格の差など学校くらいどうでも良い物らしい。




「もう優勝確定じゃないですか?今まで一撃、多くても2発で倒せましたし」


「甘いわねノル、あれを見てみなさい」



フィリアが指を刺したのは別レーンの選手だった。



妙に既視感があり、心臓を鼓動させる。


忘れもしない

数年前の魔人に酷似している。


「フィリアでも勝てない...?」


「なわけないでしょ」



確かに今まで特訓に励んでいたが、魔人に勝てるわけ...



「噂程度に聞いたことがあるのだけれど、魔人にも階級があるらしいわ」


「それじゃああれは上級魔人ですか?」


「いえ、違うわ。

数年前の魔人と覇気が全く違うし多分一番下の階級だと思う」



あのレベルで一番下か。

この世界には一体どれほどの化け物が蔓延っているのだろうか



魔人と目が合ってしまった。

口が動いている?





「ソーメン」



...ソーメン?

もしかして夏休みに食べるアレのことを言っているのか?



そういえばあの時も前の魔人が「イセカイ」という単語を発してたような――



「次の試合にて今大会の優勝者が決定します。見忘れがないようご注意ください」



「あの魔人の試合が終わるのに時間がかかっていたらもうすぐ休めたんだけど、仕方ない。いってくるわ」




下位魔人と言っていたので、フィリアが負けることはないと思う。

今まで鍛錬してきたんだ、負けるはずなどない




「用意...」




その時一瞬魔人が視界から外れた。

頭が勝手にフィリアへ向いた。



「......」




フィリアの横に魔人がいたような気がする。


「始め――」



フィリアが腕を切った!

勝てる...!!




その瞬間会場に暗黒が訪れた。

空に視線を向けた時には会場の真上に落ちてきていた。



凹凸のすごい球体。



前世の世界では誰もが知っている――




「隕石だ!!」



体が硬直し、魔法陣が勝手に浮かび上がる。

転移魔術が発動してフィリアを連れて安全な領域である家に転移した。


フィリアの顔に違和感があった。



息をつく暇などなく。

数百キロ離れている家でさえも爆音が轟き家の地面が揺れた影響で屋根が崩れ落ちた。


会場があるはずの地域に夜が訪れていた。

星空が露出している。




「....ママ!」


窓の外に見惚れていたが、フィリアの言葉で正気に戻った。


フィリアの家方面に会場があった。

隕石に直撃はしていないが、おそらくここよりも酷い被害だろう。




今すぐに出ていくのは危険だと感じたのでフィリアを抱きしめて落ち着かせた。



「ママ...」



「奥様が...」



そうだ、1人足りない





母様がどこにもいなかった――





――1ヶ月後


母様は帰ってこなかった。

きっと見つかってないだけだ...


父様も会うのを楽しみにしてる

居なくなる訳ない。


絶対に

居なくならない



フィリアが口を開いた。


「...ママは全治4年だって。目覚めるのも数年掛かるらしい」





フィリアをまた泣かせてしまった。

もう泣かせないと決めた。

守ると決めたのに。



「大丈夫、僕がいます」


フィリアは胸の中で泣いてくれた。


僕の目からも流れていた。

この顔を見て欲しくなかった、だから丁度いい



僕達は同じ境遇だ、支え合っていこう。


そう誓った瞬間だった。



「ノルディア様、奥様が見つかりました!」




見つかった、その朗報を聞いて安心と共に心配が押し寄せてきた。



先ほどまでの感情など全て消え去り。


フィリアがまだ泣いているのを見ながら僕はそれすら無視して向かった。




「ノル!」


「母様!」



母様は今まで見つからなかったとは思えないほど無傷だった。


「どこに居たんですか母様。僕心配してたんですよ...」



「2人が大会に出ていることを知って、向かっている間に会場を通り過ぎちゃったの。気づいたら商店街だったわ」



方向音痴だ、不幸中の幸いという奴だろう。

悪いことだけではなかった。



「商店街で建物が崩れ落ちたりしたから、復興作業を手伝っていたの」




子供が災害に巻き込まれているのは少し考えれば分かりそうだが、天然だからしょうがない。何はともあれ、本当に良かった。








――


家に帰った時、一部の壁が凹み。

血痕が付いていた。


フィリアがいないことに気づき、よくない考えが思い浮かんだ。


「魔人がきた...?」



「みんな、おかえりなさい」


2階から表情の硬いフィリアが降りてきていた。

また少し話が進みすぎたようだ。


恐らくフィリアが頭を叩きつけていたんだろう。

それほどまでキツい精神状態という事が分かる。



「ノル、あんた私のこと置いてったよね」


忘れていた。

その時は母様が見つかって嬉しくて、心配で。

脳をフル稼働させて言い訳を考えていた時。



母様が口を開いた。


「無事で良かった...」



母様は本当に心配していたんだと思う。

なんで僕は言い訳なんか考えていたんだ。


ただ一つ言うだけなのに。



「ごめん」


これで許してくれるだろうか?




「いいわよ、けど条件がある」


言葉は嬉しかったが表情が嬉しくない。

本当に許しているのか?

陰口を言っている女子のような目つきだ。



「旅にでましょう」




旅?

なんで急にそんなことを...自分の母親があんな状態なのに。


「前約束してたでしょ、2歳半になったら旅をしようって」




そんなこともあったような気がする。

でもなんで今更...



「何故今旅に出るんですか?」



「母様が倒れて私は寂しいわ。」


「はい」


「でもね、今の私とノルがこのまま何もしていないとこの関係が終わる気がするの」



確かにそうだな。

今の自分にはフィリアは軽い謝罪で済むだろうという考えが少しばかり存在した。


「2人とも旅に出るなら、これを持って行きなさい」



「なんです?これは」




これは...

杖?


「私が若い頃使っていた杖、ノルは魔術の才能があるからこれを使いなさい」



「はい。大事にします」




横に視線を向けると、フィリアが期待の目で母様を見ていた。


「あら、ごめんね。フィリアちゃんには何も用意してくて...」



「あぁ...そっか」




あぁもう見てられない


「フィリア、これ上げる」



僕はポケットの中からお守りを取り出した。

あの大会でフィリアが優勝したらプレゼントしようと思っていた物だ。


街に買い物へ行った時、フィリアがキラキラした目で見ていたのをよく見ていた。


「ありがとう!ノル!!」




少しばかり暖かい会話をして、その日はフィリアを家に泊めて寝床に入った。



その日はあまり眠れなかった。

また辛い別れを経験しないといけないと思うと胸が締め付けられる。




けれど時の流れは非情で待ってはくれなかった。




「準備できたの?」


「はい、できました」



あの日、父様を見送った野原へと向かった。

歩いている間も涙を我慢していた。



「それじゃあ、行ってきますね」


「えぇ、気をつけてね」



まだこの時間を過ごしていたいけれど涙を我慢することができなくて、先を急ごうとしていた。



「奥様...」



涙が落ちる音がした。




母様があの時よりも泣いていた。

恐らく父様は強く僕達は弱い。

あの時より心配なんだろう



「止めはしないわ、けれど一つだけ約束しましょう」

 


母様が言葉を発した。




「絶対に無傷で帰ってきます。それじゃあ行きますね」



母様の言葉を遮った、これ以上いたら行きたくなくなる。


背を向けて、歩き出した。



「えぇ、そうね。

また逢いましょう」





その言葉は僕の涙腺を貫いた。

言葉は返さなかった、だがその言霊をキツく心に結んだ。




――2時間後

いつのまにか森中の街近くまで来ていた。

僕が泣きながら言葉を発さないのを見て、フィリアが1人で色々やっていたらしい。


フィリアのお母さんへの挨拶、道場に張り紙、色々な街に挨拶をしたらしい。



僕がちゃんと意識を保っていたらここまで歩かせる必要もなかっただろうに。



「ここが最後だわ」



どうやらここにフィリアの親友がいるらしい。


「すみませーん!マリアちゃんいますかー!」



「はーい!」


可愛らしい返事だった。

フィリアより年下だろうか。


「あれ!フィリアちゃんじゃん、元気だったんだね!」


「えぇ、元気だったわ。会えなくてごめんね」



「ううん、いいよ!いつも忙しいって知ってたし...今日は遊びに来たの?」




フィリアの表情が曇り、重い口をフィリアは開いた。



「旅に出るの、だから挨拶だけしに来たわ」



だんだんと微笑んでいた顔が涙に染まった。


「.....いやだ!行かないで!!」


子供が泣いているのを見るのは少し辛い。



「またね。

行きましょうノル」



フィリアも辛い。

ここは許してくれマリアちゃん。




――数時間後



僕達は会場近くの街まで来ていた。

ここには冒険者ギルドがあるらしく、金稼ぎのために登録をしていく。



「あの、すみません」



「はい?どうされましたか?」


さきほどまで別れの雰囲気で悲しい気持ちだったが、この人のデカい胸のおかげで素晴らしい気持ちになった。



「パーティを作りたくて」


その言葉で一瞬ギルドに静寂が訪れた。


「本当にパーティを作るんですか?」



流石に子供が作るのは珍しいのか?

死人が出る依頼もあるだろうしな。




「はい」


「分かりました、もう1人のパーティメンバーはどこにいるのでしょうか?」



もしかして、早速問題が?


「2人です...」



「すみません、パーティ作成の為にはパーティメンバーが最低でも3人以上必要でして」




これはまた厄介な問題だ...

コミュ障の自分が新たに友達を作るなんて。

できるわけがない



「どうする?フィリア」


長い間ここに留まってしまうのだろうか。





「1人、あてがいるわ――」

































お久しぶりです!

作者の飽き性の少年です。

日曜から今日まで投稿おやすみしてしまい申し訳ございません。

重大発表についてはまだ時間が掛かりそうです、その間この物語でお楽しみください!!

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