第7話 太朗の気付き
なぜかキャンプ地を作り続けている太朗。
今回はいよいよ、木材をより細かく加工していくことになります。
料理に続き、新たな趣味が開花するのか――。
それとも、ごく普通の人間としての生活感あふれるスローライフを送るのか。
ぜひお楽しみください。
なぜか焚火の周囲を囲むベンチ。その中のひとつに腰掛け焚火の番をしながら川魚の燻製を齧っている私は、細かい道具の必要性を感じていた。なにせ斧で木を細かく切る事ができない。一太刀(?)振るえば真っ二つになっている。ずば抜けた力ステータスの恩恵でもあり不便さである。力のお陰で石の加工には困らない。実際に包丁や箸などの細かい道具の作成には成功している。
「必要なものは彫刻刀よりも大きいコンコンするやつだな。」
名前は知らないが、大体作るものの形を思い浮かべながら石を割る。ここで用いるのは川辺で見つけてきた硬い石だ。なお、石を追加するに辺り万全を期して3往復している。重いものを運ぶと体力が大幅に削られることが判明したからだ。体力は大体15~20くらいをキープしつつ荷運び作業を行っている。その際川魚の様子を見るのも忘れずにね。
そんなこんなで石の成形を行い、砥石で研ぐ。
―――――――――――――――――
生活の知恵
石の鑿←new
石の錐←new
石の鉈←new
石のトンカチ←new
石の鉋←new
石の彫刻刀セット←new
―――――――――――――――――
なるほど。カンカンするやつは鑿というのか。言われてみたら聞いたことあるかも。石の、ってついてるのは鉄じゃないからかな。鉄のイメージだもんな。鉋はイメージで作ったけど生活の知恵先生が反応したって事はできてるんだろうと信じたい。
「耐久力がどれくらいあるか分からないけど。」
そこからはトライアンドエラーだ。まず最初にコツンといったらしっかり貫通した。力:100は細かい作業には不便だ。どうしても力加減が難しいし、鑿の柄部分に使用している木が脆い。まず最初に作るものは木のトンカチ。丸くは作れなかったので四角く作ったが上手くいった。ついでに副産物として楔ができた。そこからトントンカンカンと木工作業を繰り返し、道具が壊れては作り直しまた作業に戻る。コツも掴んできたところで一息。
「プラモデルとかもそうだけど細かい作業は割と好きなんだよね。時間を忘れてやっちゃうのがあれだけど。」
1人でにやけているが、辺りはもう日が傾きつつある。もう一度言おう。1人でにやけている。そしてまた出来心でこんなものを作った。目の前にある葉っぱや魚、熊にも挑戦した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生活の知恵
木彫り細工:
鑿や彫刻刀を使い丁寧に成形した置物。
完成度は人による。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
完成度は人による。よくある鑑定系スキルだったら評価:8とか上出来ですとか言われるんだろうか。生活の知恵は鑑定はしてくれないからどれくらいの物かはわからないな。
「さてと、暗くなる前に木を運んでこないと。」
木彫り細工をしながらある事を考えていた。木を加工できるなら簡易的に寝床を地面からあげることが可能なのではないかと。まず大木を切り倒す。2メートルくらいの長さに分割し、縦に半分に割る。重量的には1メートルの丸太と2メートルの半分に割ったものと同じになるはずだという推測だ。なるよね?
持ち帰った半月型の大木は6本。つまり大木3本分だ。さらに半月型の円部分を平らにし、端に錐で穴を開ける。開けた穴をつたでしっかり結ぶ。つたを通す大きさの穴を開けるのに少し手間どったが最終鑿で強引に。中心部分の側面に楔を打ち込み結合を強化する。釘がないからね。なお、正しいのかはわからない。こうして完成したものがこれ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生活の知恵
簡易型木の土台:
木を切って繋げた土台。
工夫はない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「DIYはしたことが無かったけどこんな感じなのかな?とりあえず床ができたぞ。」
生活の知恵先生の辛辣さにも慣れがでてきたところで我が家(木の土台)の上にベッド(葉っぱの敷物)を置く。なんか拠点らしくなってきたぞ。食料も備蓄があるし、魚と木苺らしきものだけだけど。あっちに畑を作ってもいいし、雨が降ったら困るから次は屋根も必要かな。いやいっそのこと家にしてしまって・・・。そしたらキッチンが・・・。お手洗いも・・・。ふむ。夢は膨らむばかりだ。
・・・・・・・・・・・・・・。
「まって!?街探す話どうなったの!?」
転移者田中太朗、ようやくのんびり異世界(?)生活の最大の謎に気付くのであった。
第7話もありがとうございました。
読者の皆さんも街探しは忘れていたのではないですか?(笑)
ゲームとかでも簡易野営地が拠点化してしまうのあるあるですよね。作者はよくあります。
さて今回は道具作成や拠点増築など料理に引き続き太朗の小器用さが目立つ回となりましたがいかがでしたでしょうか。
楽しめていただけたら幸いです。
次回はどう進むのか、ながーーーーい目で見守りください。




