第64話 ナ、なに風?
はい!もう何も言いません!
ピザ窯完成回です!お楽しみください!!
ピザ窯の土台作りを終えいよいよ本体の製作に挑む私。それを指揮するリュウ。
「・・・まず外周1段。」
リュウに言われた通り外周に1段耐火レンガを並べていく。この際耐火モルタルという耐火レンガを焼く前の状態の粘土を目地としてレンガ同士をくっつける役割を担っている。外周1段ができたら次は入口の場所を決める。アーチ型に成形する。
ここでなんとリュウはアヒルのような形のままのピザ窯にインベントリから大量に砂を出し山にしていく。
「これはなんのためにやるの?」
「・・・砂山式。」
砂山式とはピザ窯の中に砂山を作り、それに沿ってレンガを置いていく方式らしい。今回はそれを採用する。なお、砂は後で掘り出すとのこと。下段は縦気味、上段になるほど寝かせ、耐火モルタルは極力薄く塗っていく。この積み上げの作業が特に重要で、リュウも細心の注意を払いながら細かく指導をしてくれる。
「・・・ユウキいなくてよかった。」
とボソッと言っていたのは秘密である。仲はいいんだけどな。ユウキに対して憎まれ口が多いリュウである。
そして、ドームの最上部に楔型の鍵石というレンガをはめ込みガチっと固定。
数日放置し耐火モルタルとレンガがある程度固まったら中の砂を取り出し、内部をモルタルで補強していく。床の砂も忘れず掃除する。どうでもいいけど狭い室内の作業はそろそろ腰に来るよ?
こうしてドーム型が完成したら、次は外観仕上げとして焼成レンガをドームの外側に積み上げていく。
これは断熱層としての役割も担っているとのこと。この作業も目地を行いながら綺麗に仕上げていく。遊び心としてリュウは縁側から見える面にレンガでシルクを描いてみせる。シルク印のピザ窯を目指すとの事だ。そしてまた乾燥。粘土関係の仕事は時間がかかるなあ。
「シルくん苦手じゃなかったっけ?」
「・・・大きいしビックリするだけ。」
すこしからかうと頬を赤らめながらそっぽを向いてしまう。どこでもみんなのアイドルシルクである。ちなみにシルクはリュウの個人行動を一番監視している。なぜだろうか。小さいからかな。
「よし!!!完成!!!」
「・・・まだ。」
リュウから乾燥終わりとの知らせを受け大きな声で高らかに宣言した私だが即否定。幸いにも今日もユウキとシルクは出かけているので、誰に聞かれることもなく恥ずかしいのは自分だけである。
「次はなに?」
「・・・煙突をつくる。」
なるほど。確かに今のままだと煙を逃がす場所がないな。
まず煙道という煙が通る道をつくる。入口の外にレンガでトンネルを作り、その上部に煙突に繋がる穴をあける。ちなみに煙突だがリュウが街に行きステンレス製の煙突を購入済みだった。レンガでもいいがステンレス製が1番いいとのこと。さすがはリュウ親方である。抜け目なし。
そしてそしてそしてのそして、また乾燥。 もう慣れましたけどね。ええ。乾燥の間はみんなで仲良く過ごしましたよ。あの大雪以来雪も降っていないので雪も溶けていいかんじですよ。ええ。
こうして乾燥を終え遂に火入れである。
弱火で数時間かけ、徐々に火を強くしていく。この工程を5回ほど繰り返し中の様子を見てあと数回繰り返す。そして中のレンガが白っぽくなったことを確認し、完成である。
「完成!!!!!!」
「・・・うん。完成。」
「おぉー!」
今日は完成が見えていることもあり家にいたユウキもパチパチパチと拍手を送りながら歓声をあげている。
「森の家特性ピザ窯です!」
ドーン!と背景に文字が浮かびそうなくらい誇らしげに決めポーズを取る私。そんな私を見ながら首を振っているリュウ。
「あれ、リュウ君。もしかして、まだ?」
「・・・いや、完成。」
「そしたらなにかな〜その感じは〜?」
「・・・ナポリ風。」
「え?なに?」
「ナポリ風!!」
めずらしく大きな声で主張をするリュウ。どうやらそこがこだわりポイントのようだ。ピザ窯にはナポリ風とローマ風があり、リュウはナポリ風のピザ窯にこだわって作ったのでそこだけは譲れないと。
「・・・やり直し。」
「はい!!」
もはや親方が染み付いたようなリュウに押され勢いよく返事をし、改めて高らかに宣言する。
「森の家特性!ナポリ風ピザ窯シルクエディションの完成です!!!」
「ヲフ?」
「・・・完成です。」
シルクエディションも付け加え、名前を呼ばれて首を傾げるシルクをよそにとても満足気なリュウであった。
それにしても、だ。ナポリ風か。なにやらいい響きだな。ピザ窯よりもナポリ風ピザ窯。うん。なんか普通じゃない響きだ!!
えー、久しぶりに普通じゃない!が出ましたが、
ナポリ風ピザ窯は至ってオーソドックスな皆さんが想像している通りのピザ窯です(笑)
ナポリ風!?って作者もテンションは上がったんですがね。
オーソドックスでした(笑)




