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【完結済み】田中太朗のスローライフ〜普通な男の転移生活〜  作者: 三笠 どら
第6章 本格物作り【急】

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閑話休題〜リュウ'sクッキング〜

さあ第2弾は記憶に新しいリュウの一コマ!

お楽しみあれ!

「タロウさんのご飯美味しいから覚えたい。」

 自分でもこんなこというなんて思わなかった。俺は1人では何も出来ないのかもしれない。

 専業主婦の母を持ち、父親は大企業役員。特に欲しいものは買って貰えたし、ご飯も帰れば出来ていた。

 自分ですることは勉強くらいだし、友達もあまり多くないからゲームばっかりしていたのが3年前くらいかな。まだそんなにならないか。どっちでもいいかな。

 リュウ。本名神宮寺 龍。よく名前負けって言われてたっけ。今は17歳になる年だと思う。別に大人びてるわけじゃないよ。よく言われるけど、達観してるが正しいんじゃないかな。

 人と話すのが苦手。心を開くのが苦手。そんな俺は転生者だ。事故だった。事故の記憶はあるけどその後の記憶はなくて気がついたら路地にいた。何も分からず座ってたら〔DOKAN〕の棟梁に文字通り拾われた。その後シゲさんに預けられて今に至る。

「拾った。」

 ただ一言それだけだったのにシゲさんも棟梁も受け入れてくれた。

 ユウキは最初は苦手だったけど今は信用してるし、兄貴ってこんな感じなのかなとも思ってる。一人っ子だしわからないけど。

 色々あってタロウさんの所に住むようになって、タロウさんに驚いた。スキルないとか不便だろうなって思ってたけどタロウさんはなんでも出来た。この人は何にでもなれるだろうと思うし、それでいてすごく優しい良い人だ。

 何か返したい。何か出来るようになりたい。そう思うようになってから考えてたけど、この人本当に普通の生活を送っている。こんなとこに住んでるのにめちゃくちゃ普通だ。

 衣食住用意してもらったみたいなものなのに嫌味一つ言わずに世話をしてくれている。俺は子供だ。1人じゃ生きていけないんだと再確認した。

 だから子供のうちにこの人みたいに色々覚えようと思った。

 いつもご飯ができたら呼ばれるから手伝う隙も無かったけど今ならできる。そう思って着いてきて出た言葉だった。自分でもこんなに素直な気持ちを人に伝えられたことに驚いた。

 タロウさんはこう言った。

「じゃあ簡単なのからお願いしようかな。お腹はまだ食べれそう?」

「・・・うん。」

「じゃあチャーハンにしようか!みんな食べるだろうしね!」

 そう言って俺渡してくれたのは冷ご飯と刻まれた豚肉だった。

「とりあえず豚肉を炒めるところからお願いするね。」

 そう言ってかまどに火をつけてフライパンを用意してくれる。

「脂にきをつけてね。火傷しないように。」

「・・・うん。」

 フライパンを握ったのはこれが初めてだ。さすがの俺でも袋麺くらいはあるが手鍋にお湯を沸かすだけ。フライパンで料理というのはこれが初めてだ。慎重にヘラを動かし焦げ付かないように注意する。

「いい感じだね。じゃあ次はこれを入れてね。」

 そう言って渡されたのは細かく刻まれたニンジンと玉ねぎだった。俺は小さなボウルに入れられたそれを炒めるだけ。切るのはやってくれたんだろう。この間にもタロウさんは1品シゲさん達に渡していた。いつの間に切ったんだろう。

「じゃあこれを回しかけてみようか。」

 そう言ってなにか液体を渡される。

「ゆっくりでいいからまんべんなくね。」

 ああ。お酒だな。とおもった。匂いと音で。フライパンに入れた途端ジュウっと激しい音が鳴る。

「しばらくまた炒めておいてね。」

 そういう時少し火を強めるタロウさん。だんだんとフライパンの中の水分が無くなってきてタマネギの色が変わってきた。どうしよう、焦がしちゃったかな。

「お、いいね。タマネギはこうやって飴色に変わっていくからすごくいいよ!」

 なるほど焦げてるわけじゃないのか。褒められてニヤけそうになるの必死に堪える。これくらいでとか思われたら恥ずかしいからだ。

「じゃあご飯入れちゃおうか!よく見るフライ返しとかはやらなくていいからまんべんなく少し早めに混ぜていこう!」

 そう言ってご飯をフライパンに入れてくれる。冷ご飯なのでパラパラと勝手にほぐれて行くご飯を言われたように早くかき混ぜる。

「そうそう。あ、そこのダマになってる所はヘラで押してほぐしてね。」

 ご飯の色が変わってきたかなというところで少し火から離し、塩、コショウを振りかける。

「リュウくんはチャーハンに卵入れる派?」

「・・・考えたこと無かった。」

「じゃあ卵は焦げちゃうとあれだから今回は無しにしようか。」

「・・・わかった。」

 火の上に戻し、塩とコショウがまんべんなく混ざるようにさらに混ぜ続ける。

「そろそろいいかな?じゃあ最後にちょっとだけ難しいことをしようか!」

 そう言って醤油を取り出すタロウさん。

「まず、こうやって手前側に寄せて、火の中心にフライパンの先の方を熱して、空いた鍋肌に醤油を入れるんだけどわかった?」

 1度形だけ手本を見せてくれる。俺はわかった。と返事をしてフライパン係を交代する。

 言われたように片側に寄せて、鍋肌に醤油を入れる。

『ジュッ』という音がした後『ジュワー』っと醤油が沸騰する。

「よし!最後に高速で醤油が行き渡るように素早く混ぜよう!」

 そう言われて俺は急いでフライパンをかき混ぜた。ところどころ色が疎らだけどこれでいいんだろうか。合ってたかな。間違って失望されたりしてないだろうか。

「はい、味見してみて?」

 火から避けたフライパンにスプーンを入れ俺に渡してくるタロウさん。

「どう?美味しい?」

「・・・うん、うん!」

「よかった。じゃあみんなの所戻ろうか?」

 ニコッと笑いお皿に盛り付けるところまで見守ってくれ、ふたりで戻る。

「リュウくんがチャーハン作ってくれましたよ〜。」

「なんだと?リュウが?」

「リュウって料理できましたっけー?」

 シゲさんとユウキが驚いている。食べたみんなは美味しいと言ってくれた。

 美味しいって言ってもらえるのって嬉しいんだな。

 初めて作った料理は焦げた醤油の匂いがして、味にバラつきはあるけど今まで食べたチャーハンよりも少しだけ懐かしいような暖かい味がした。



皆さんは初めてご飯を作った時の記憶ありますか?

リュウはこの日を忘れないといいな〜。

私こと作者は昔から手伝ってたらしく母に聞いても記憶にないとのことでした!

さあ次回は第3弾!お楽しみに!

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