第56話 建築チームとリュウ
さて、今回はユウキとリュウに触れていきます。
これから一緒に過ごしていく仲間となった2人。
乞うご期待です!
「タロウさん!やっぱこれ無理ッス!」
「えー。そうなのか。予想外だったね。」
「インベントリに入れるのは行けるッスけど持ち運びは無理ッスね。」
引越し騒動から4日目。建築チームが来る前に少しでも素材を集めておこうと用意を始めていたのだが、ここでイレギュラー発生。
ユウキでも魔境の森の木は持ち上げることができないことが判明。製材したものであれば持ち上げることは可能だが切り倒したばかりの丸太は無理とのこと。今まで丸太そのまま1本って確かに誰にも持ってもらったことないかも。
「・・・力。すごい。」
「俺そろそろ打ち止めっぽいんスよねー。何しても上がらん!って言ってる人とかいたんで上限値あるみたいッス。」
「へー。街ではゲーム感覚で生きてる人も多いんだね。」
確かにステータスとかスキルとかファンタジーって言ってたけどロールプレイングゲームっぽいもんな。
2人には木は諦めて別のことをしてもらう。リュウは素材の振り分けや分解・構築を担当。ユウキは森や川へ行き材料の採取を行う。ちなみにユウキだが、ここで高い戦闘能力を発揮し森では狩猟を行ってくれるので肉類も自給自足できるようになった。
生ゴミや排泄物、その他細々したゴミなどはポリンが大活躍。さすがスライムといったところだろう。
また、畑の土壌をニョロが改良してくれる。ササは森でシルクと共にユウキの護衛をしている。
ちなみにジェットは今は不在である。シゲノブのところとの定期便を担ってくれている。12時間から15時間かかるとの事で早めに連絡をよこすようにと念を押されているが、ひとまず今後の予定を聞くために今朝すぐ連絡をお願いした。
「それにしてもユウキくんの従魔はみんなすごいね。」
「いやー、可愛い子見つけたら使役するんスけど今までは家でしたから。こうして毎日仕事があってみんな嬉しそうッスよ。」
ポリンに関しては表情とか読めないんだけど、たまにお礼を言うと跳ねているので意思の疎通はとれているらしい。そしてなんかかわいい。
森へ入らないあいだもシルクとササはよく遊んでおり、同郷のよしみか凄く仲がいい。
「とりあえず休憩にしようか。」
「・・・おやつ。」
意外だったのはリュウがとても食いしん坊であるということ。そういえば米にも一番に反応してたな。
「お茶?コーヒー?」
「・・・コーヒー。」
「あ、お茶でいいっスか?」
縁側で休憩をしながらのんびりとした時間を過ごしどんな家がいいかという話で盛り上がる。ユウキは広い家。私の家ほどはいらないが4匹が快適に過ごせるようにとの事だった。逆にリュウはこだわりは無いが掃除が行き届かないので狭い方がいいとのこと。こういうところで性格が出るものである。
夜になるとジェットが帰還した。シゲノブからの手紙を器用に背中のカバンから取り出しユウキへ渡す。そして読まずに私に渡すユウキ。これを見たリュウとまた口論になっていたがこの2人の関係性はこういう感じなのだろうと微笑ましく思い手紙に意識を戻す。
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タロウ 殿
急な事で色々思うこともあったろう。
快く受け入れてもらい感謝している。
くれぐれもよろしく頼む。
大工連中は仕事があるので
3日後に向かうとの事だ。
ざっと10人ほどってことだから
ドラゴン3体ほど行くが頼む。
シルクにも警戒せんよう伝えて欲しい。
追伸
2人はまだ子供だ。
毅然と振舞っちゃいるが時折見せる
表情も暗い日もある。
支えになってやってくれ。
桂屋
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「ユウキ君読まなくて正解だったかもよ。とりあえずこれは僕が預かるね。」
「え、なんでっスか?」
「ふふ。秘密だよ!」
「・・・気になる。」
「あ、大工さん達は3日後くらいだって。それまで準備頑張ろうね。」
シゲノブの優しさ、面倒見の良さに触れ心が暖かくなる。この人に出会えてなかったら今頃私の異世界生活は全く違う道を辿っていただろう。改めて感謝と安堵が込み上げてきた。
そして数日後、建築チーム〔DOKAN〕がやってきた。建築でそのネーミングはどうなのだろう。と思っていたが、どうやら土管から来ているらしい。
私は棟梁と軽く挨拶を済ませ、担当者へ資材置き場の説明を行う。
各資材について相談と必要数の確認等を行った後棟梁の元へ戻ると、リュウと棟梁が話していた。
「・・・もういい。大丈夫です。」
「いや、ちゃんと謝らせて欲しい。アイツらとはもう仕事はしないことに決めたよ。本当に迷惑をかけた。申し訳ない。」
少し気まずそうにしていると私に気が付いたようでその場を離れるリュウ。
「ああ。戻ったかい。」
「すみません。立ち聞きするつもりは無かったんですが。」
「いや、いいよ。リュウは真面目に頑張ってくれてたんだけどな。こんなことになって残念なんだ。」
今回の騒動が怒った現場はDOKANのそこそこ大きい現場だったようで普段付き合いのない業者にも声をかけたとのこと。人付き合いが苦手なリュウに目をつけ騒ぎ立てた業者は今は干されている状態らしい。
「今回のことは詫びも兼ねてるからさ、アイツの助けになってやりたいんだよ。」
「分かりました。微力ながらお手伝いさせて頂きますね。」
こうしてユウキとリュウの家造りが始まるのである。
リュウでの街でのいざこざもいつか描けたらいいなーと思っております。
少し暗い話も出てきますが、賑やかになった太朗の生活をこれからも見守ってください!




