第51話 太朗'sレストラン・後編
前回に引き続き、太郎'sレストランの続きです。
太郎'sキッチンとの違いは内容の濃さだけなんですが、
調理器具や調味料の充実によりふんだんに贅沢をし後先考えず作っております。
さあ!お楽しみください!
「ワフ!ワフワフ!」
「ん?うーーーん!」
あれ、寝ちゃってた。もう夕暮れじゃないか。そうか縁側が気持ちよくてそのまま寝ちゃったのか。寝てるシルクを見てるとこっちも眠くなるんだよね。 「ワフワフ!」
キッチンの方からシルクが吠えている。近付いていくとコンソメのいい香りが漂う。そういえば時間も丁度いいくらいだなあ。
「フフッ。いい匂いがするから起こしたの?」
「ワフ!」
この子こんなに食いしん坊だったかなあ。などと思いながら起こしてくれてありがとう。と頭を撫でる。実際起こされなかったらコンソメをダメにしてしまうところだったよ。 さて、晩御飯作りますか。
「鍋、もう少し増やそうかなあ。」
寸胴は便利だけど大きいしあとは小鍋と手鍋。フライパンが2種類と中華鍋があるがもう少し種類があると嬉しい。まとまった収入があれば増やしてもいいかもしれない。
先程ナッツを炒った鍋を洗い、水気をとってから台に置く。そこに、漉し器を通してコンソメをレードルで流し入れていく。しっかりと入念に漉していくと、手鍋の中に移ったコンソメは澄んだ黄金色の美しいスープへと変貌した。
「寝落ちしたけど完璧じゃない?すごくよく出来たと思います!」
「ワフ!」
いい匂いに釣られているシルクだが、この子今晩ドッグフードだけって言ったの忘れてないかな。コンソメはこのまま置いておいて食べる前にもう一度温める。
次に洗った寸胴に水を多めに入れ、火にかける。
「ほんと、浄水器最高なんだけど。」
「ヲフ?」
「お水美味しくなったでしょ?」
「ワフ!」
先日水を蒸留している様子を見たシゲノブたちがなにか無いかとタズナのインベントリをひっくり返して探してくれたこのザル型浄水器。
私と同じように魔力がなく水の魔導箱を使えない人向けに作られた品物のようで、もはや各町には下水道が引かれているため忘れられていた商品とのことだった。
炊事洗濯を筆頭に、風呂(身体を洗うだけ)や他のことにも清潔な水を使えるようになったのはとてもありがたかった。ちなみに辺境の村とかでしか売れないからと格安にしてくれた。
お湯を沸かしている間に次の用意を始める。
まず、フライパンにオリーブオイルを少し多めに入れ、香り高いキノコをスライスしてオリーブオイルに入れてから弱火にかける。
「このキノコ使いたかったんだよね〜。香りが抜群に良くて最高!」
キノコ類が好きだ。常に各種キノコをストックしていたのも今ではいい思い出(?)だ。その中でも近所のスーパーで売っているのは見たことがなかったので贅沢品として扱っていたキノコ。ポルチーニ茸だ。ちなみに実はポルチーニ茸ではなく、よく似たキノコで名前はブルボーノ茸というこの世界の食べ物らしい。森の中に生えてたよ。と採取の際にクロードが拾ってきてくれたものである。
「ま、ぶっちゃけポルチーニ茸だしいいんだけど!」
オリーブオイルに香りが移ったところでベーコン(の形に切ったベーコンモドキ)をゆっくりカリカリに火を入れていく。この間に次の行程へ移る。
昼間に下味をつけて冷蔵庫に入れて置いた鶏肉に少しだけコンソメを拝借して味を馴染ませたら、残っていた卵黄を溶いてその半分を鶏肉のボウルに入れる。熱したフライパンにバターを溶かし鶏肉をゴロゴロと入れていく。鶏肉自体には火は通っているので表面と卵に焼き色が着くくらいで卵は半熟ではなくしっかりと焼くのが個人的なポイントだ。この料理はこれで完成火からあげ、避けておく。
「うーーーん!香りが食欲を掻き立ててくるし、ベーコンもどきもいい具合!さてここで今日のメインディッシュを投入します!」
ここで私がインベントリから出したものは細長い黄色い棒状の束である。ご丁寧に100グラムずつに束ねられている。もうお分かりでしょう。今日のご飯はパスタです。
「ポルチーニのクリームパスタって感じだな。」
パスタを寸胴鍋にいれ湯がきはじめ、ブルボーノ茸とベーコンが入っているフライパンにコンソメを少し入れバターを入れる。カロリー?気にしません。
火を強くして火力を上げ、少し固さの残ったパスタを湯を切りきらずフライパンに投入し油と湯を乳化させ、とろみを出していく。
オーソドックスなクリームパスタだとここで生クリームか牛乳なんだろうがうちでは違う。
「ここで大量のチーズを入れます。」
「ヲフ?」
本場のカルボナーラは生クリームや牛乳を使わないと聞いてから真似するようになり、クリームパスタも同じようにしたほうが簡単だな。となってからこのように作る。
「まあ人様に出すものでもないしね。」
本日のメニュー。ブルボーノ茸のクリームパスタと鶏肉のピカタ、コンソメスープの完成だ。
さあ!楽しい晩餐のはじまりだ!
前後半に渡り描きました太郎の料理パートですが、
みなさんいかがでしたでしょうか。
お腹がすいた。という感想が嬉しいです(笑)
さて、次回は第5章最終話です。
ラストはどのような展開が待っているのか。
長ーーーーーい目で見守っていただけると幸いです。




