第44話 農作へ向けて
女神の加護を付与された太朗及びシゲノブ一向。
今回はタズナとのやりとりからスタート。
太朗の生活を潤すために、ついに農業へ!
女神の加護発現後の一向は私の家で夕暮れを迎えていた。送迎係のドラゴンライダーユウキが二日酔いでダウンしていた為もう一泊することに。
「僕も今晩泊まって帰ろうかなー。」
「布団無いですけどいいですか?」
「まあ昨日も雑魚寝だったわな。」
畳の魔力にまんまと捉えられたタズナ。シゲノブが言うように昨夜は全員で雑魚寝。雑魚寝と言うより寝落ちだったけどな。と思いながら布団なー。と考える。
「これくらいの気温だといいけどそろそろ寒くなるよねシゲちゃん?」
「そうだなあ。ここらは雪はどうなんだろうな。」
「雪降るんですか?」
「降るところはめっちゃ降るよー!」
「センタープレストはたまにちらつくぐらいだがな。」
タズナは行商人なのでいろいろな街を飛び回る魔女っ子だ。なので多方面に精通していて土地にも詳しいとのこと。シゲノブはほとんど街の外へは出ないそうだ。
「この家断熱はしてねぇんだろ。冬は寒いんじゃねぇか?」
「素人建築なんですきま風とかは気になりますよね。」
だからと言ってなにができるって話なんだが。とりあえず暖を取る方法は考えとかないといけないな。
「タズナさんは布団は扱ってますか?」
「もちろん!ていうかまだ持ってなかったの?」
そうです。インベントリの出現により出番がなかなかなくなった大きな葉っぱ。実は未だに大きな葉っぱの敷物で寝ていたのである。布団ないからね。意外とふかふかで寝心地もいいし、森で普通に採れるから替えるのも簡単だったのである。
「五右衛門風呂なんていいんじゃねぇか?」
「囲炉裏ほしくない?」
「・・・こたつ。」
「「それだ!!!」」
みんな現世が恋しいのだろうか。昔懐かしい『和』の連想ゲームが始まっていた。ちなみに優勝はリュウのこたつである。
「囲炉裏はこれから作ってもらうとして、こたつはみんなでカンパしよう!こたつ用のお布団はサービスしちゃう!」
「なんでおまえが決めるんだ。」
「・・・払う。」
楽しそうなので放ったらかしていたら囲炉裏を作ることが決定していた。クロードが起きたら相談してみよう。まだ板間も残ってるし。
「とりあえず布団ですかね。ベッドも作ったけどこの家には合わなさそうなので直敷きできるタイプでお願いします。」
「毎度ありー!」
「タズナ、俺が払うから客用の布団も何組か出しといてくれ。」
こうして布団を7組購入。まあ払ったのは1組だけなのだが。ちなみにこたつもシゲノブが結局全額負担している。さすがはおやっさん。それにしても、この人たちはここをたまり場かなにかにするつもりなのだろうか。
夜になりユウキとクロードが復活。シゲノブに怒られた2人は今晩はお酒は禁止とのことだ。森の恵みをふんだんに使ったお味噌汁をとても幸せそうに食べていたのが実に印象的だった。なお、この夜魔女っ子タズナは浴びるように酒を飲んでもケロッとしていた。
翌朝、この日は二日酔いの人もおらず全員で朝食をとり、川組と森組で分かれ食材を補充する。川組は私とシゲノブ、リュウの3人。森組はシルクが護衛と案内につきユウキとタズナとクロードというメンバーだ。クロードは木や土などの資源に興味があるとのことで是非にと希望していた。タズナはというと、
「え!森入っていーの?行きたい行きたい!!」
とはしゃいでいたためシルクの許可をとり同行が決まった。ユウキはオリーブアルミラージを連れて行ったあたり使役魔へもよく気遣っている様子だ。
川組は川で身体を拭き魚取り。リュウがシルクの魚取りの話をすると、すこしシゲノブが落ち込んでいたのには笑ってしまった。見たかったんだろう。可愛いからね。魚取れないシルクは。
家に戻り昼食の準備を進めていると森組も帰宅した。多種多様な食材を見つけたり珍しい植物などを採取したりと充実した探索となったらしい。あまり奥へは行ってないようで危険も無かったとの事。クロードが大興奮していたのでやはり森の状態はとても良いのだろう。特に泉エリアは神秘的な雰囲気もさることながら魔力を帯びており不可侵領域だ。などとまくし立てて説明してくれた。なお、ここでもシルクの水浴びを見ることが出来なかったシゲノブの背中が丸まっていたのだが気付いていたのは私だけのようだ。
いつもより遅めの昼食をとりあーだこうだと森や川の話を交えながらまたのんびりとした空気がながれはじめたので、忘れないうちにタズナに確認。
「タズナさん。種ってありました?」
「あ、種ね。あったよ。」
そうして各種野菜の種を出すタズナ。季節もさまざまで成長速度もさまざま。ひとつひとつ説明してくれる中で種をひとつ手に取るとポワッと優しい光に包まれる種。
「あ、なんか光った。」
「いやそんな種持ってきてないから。」
「え?光りませんでした?」
「光ったねぇ。」
タズナと2人で首を傾げる。タズナは相変わらず規格外なことを起こす人だねぇ。と苦笑い。その後に不遇のくせにね。と付けていたのはスルーでいいだろう。
「桂屋さん。ちょっといいですか?」
「おう。どした?」
種が光った経緯を伝え鑑定してもらう。こういう時鑑定のスキルがあったらよかったのにとつくづく思う。
「あー、あれだ。加護の影響みてぇだな。」
「加護の影響とは?」
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トマトの種(森の祝福):
女神の加護を受けた種。
季節問わず、良質の実がなる。
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「タズナさん。種全種類ください。」
「そうなるよね。」
森の祝福の効果を見た私は迷わず全て購入を決意。タズナも笑ってしまっているが少し引いている。
「じゃあ種20種類全部置いてくねー!」
「待てい!今変なの混ぜたの見ましたよ!」
「え?全種類って言ったじゃない?」
「前回断った変な種はいらん!!!」
どさくさに紛れ在庫処理を進めようとするちゃっかり魔女っ子タズナであった。
女神の加護はご都合設定でしたね(笑)
いいじゃないですかファンタジーなんだし(?)
普通な太朗もすこしチートじみてきましたかね。
ほどよくファンタジーを楽しんでいる太朗をどうかながーーーーーーい目で見守ってください。




