第36話 太朗の2週間①
かまど完成までの2週間、太朗はどのように過ごしていたのか!
お楽しみください!
かまど完成までの2週間、骨組みに四苦八苦しながら家の建築を1人で行っていた。以前の家は作り的に家と呼べていたのかどうかと無知を思い知る。
「よくあの家1日でなんとかなったよね。」
行き当たりばったりで建築した家を見つめる。まず最初に当たった壁は礎石を水平にするところだ。大小様々な石を水平って。これは束柱で水平にすることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生活の知恵
束柱:床下で大引を支える短い柱のこと。
束石の上に立ち、床がたわんだり沈んだりするのを防ぐ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
少し長めに製材し、ほぞを掘り束石のほぞ穴に差し込む。森のツタを何本も結び端から端まで届く長さに加工したら束柱の横にピンと張り水平の高さに束柱を調節する。これを3列。
次に隅石に柱を立てる。太めに製材した、屋台骨のひとつだ。そして間の礎石にも柱を。これが間柱というらしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生活の知恵
間柱:
壁を支えるための細い柱。
建物を支える力はほとんど持たない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1辺5本の柱の横側には前回と同じように溝を掘る。コンクリもないし土壁の作り方も分からないので前回同様木の板をはめ込んで壁にする予定である。
次は大引を束柱と接合する。クロードの説明は難しかったので簡略化する方法を聞いていたら、杭で繋げればいいよとの事だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生活の知恵
大引:
床下で束柱の上に渡す太い横木。
その上に細い根太を並べ、
床板を張ることで、人が歩ける床が完成する。
大引は床全体を支える骨格の一部で、建物の重みを束石や礎石へと伝える重要な役割を持つ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3本の間柱から伸びるように束柱の上に置き、束柱と交差する部分に鑿で四角に穴を開け木の杭を打ち込んで固定する。込み栓という技法らしい。10メートルの木では大変なので5メートルにし、中央部分をL字型にしてここも杭で固定している。
次は根太である。大引が伸びていない方の四辺側の柱と間柱に根太掛けという部分になるように薄い板を木の釘で留める。反対側も同じように根太掛けをつける。根太掛けは大引と同じ高さになるようにしてある。根太掛けから大引へ交差するように大引より細い木材を置き、交差部分に木の釘を打ち付けて固定する。これで根太が完成である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生活の知恵
根太:
大引の上に直角に並べる細い横木である。
30〜45センチほどの間隔で等しく並べ、その上に床板を張ることで、人が歩いても沈まない床ができあがる。
根太は床板を直接支える役目を持ち、床を丈夫にするために欠かせない部材である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これで床の基盤が完成した。あとは床板を置くだけである。釘の作成や細かい作業も多く、肉体的疲労より精神的疲労。さらに時間も取られるのでここまでで3日かかった。
次の日木材を切りに行くと一際目を引く大木があった。周りの木に比べ、太くなぜだか目を引く大樹。直径1メートルくらいだろうか。
「この木、このまま加工するのは違う気がする。」
何故かそんなことを思う。樹齢が違うのだろうか。不思議な感覚が流れ込んでくる。
「この木そのまま家に使えないかな。」
「ワフワフ!」
独り言のつもりでボソッと言うとシルクが嬉しそうに反応している。シルクもなにか感じているのだろうか。
「守り神的な?よし。とりあえずこの大木は丸太のまま持ち帰ろうか。」
「ワフ!」
その後朝の日課の水浴びから魚取り、朝食を済ませ木の位置に戻る。石の斧に力を込め、守り神になりますようにと願いを込めて斧を入れる。
『ガコッ』
いつも一度斧を入れたら切り倒せていた木だが真ん中辺りで刃が止まる。普段の木より太いからだろうか。頑丈さに心を打たれつつもう一度斧を入れると今度は切り倒すことができた。
「やっぱり他の木とは違う気がするね。」
「ワフ。」
いつもより重量感を感じながら大木のまま持ち帰る。持ち帰ったはいいものの使い道が定まっていない。方針が決まらないため作業もストップだ。
「どういう使い方ができるんだろう。思いつくまでストップかな。」
「ヲフ?」
「よし、シルくん今日は森で探索しようか!」
「ワフワフ!」
自分の家だし、納期がある訳でも急いでいる訳でもないので今日はここまでにしてシルクと過ごすことにした。
そうしてなにも定まらないまま2日が過ぎ6日目の中天、グリーンドラゴンに乗ったユウキとクロードが現れる。
「タロウ、家ノ進捗見二来タヨ。」
「わあ!クロードさん!ベストタイミングですね!」
「ナニカオ困リ事カナ?」
どうするべきか困っていたところにクロードがやって来たのは本当に助かった。切り倒し持ってきたままの大木のところへ案内する。
「うっわ!めっちゃでかいッスね!」
「コレハ、トテモ良イ木ダネ。」
この2人から見ても立派なようで、ことの次第を説明する。
「加工シナイデ使ウノハチョット難シイネー。」
「そうですよね。なにかいい方法が無いかなと思ってるんですが。」
御神木にするにしろ社にするにしろ加工は必須だ。だがなぜか加工するのは違う気がする。
「このままどーんと立てとくのはだめなんスか?真ん中にどかんと。」
「ん?どういうこと?」
「大黒柱?みたいな事なんすけど。建築のことは分からないのであれなんスけど。」
「ソレダ!!!」
突拍子もないことを言い出したユウキの提案を詳しく聞いていたらクロードが声を上げる。すると建設地へ向かい、またビジョンを伸ばしたり縮めたりするクロード。どうやら大木の使い道が定まりそうだ。
まず空白の2週間の前半6日目で①が終了です。
少し説明が多い回になりましたが家ってこうやって建つんだな。と見守って頂きたく思います。
次回は大木の使い道からシルク&ユウキ回です!
どうかながーーーーい目で見守り下さい(笑)




