第34話 組成解析・万能接合
今回はリュウとクロードとの関わりがメインです。
新キャラ2人は太朗に何をもたらしてくれるのか、お楽しみください。
クロードの作業をファンタジーだなあ。とシルクと座って見守っていると、後ろから服を引っ張られる。
「・・・きて。」
シルクが近くにいるからか恐る恐るといった感じで声をかけてくるリュウについていく。頓挫していたかまどの前までくると無言でなにやら指を動かす。すると、粘土の塊や溜めていた枯葉や枯れ木、燻煙処理で出た灰などが空中で混ざっていく。
「え!?浮いてる!?え!?」
「・・・混ぜる。」
言うが早いか空中で混ざった粘土がかまどがあった位置にドスンと戻る。
「粘土は・・・粘土だけじゃだめ。・・・緩衝材。・・・藁が無かったから枯葉に・・・した。」
「粘土だけだと固まらないの?」
「・・・割れる。」
「リュウ。愛想。」
「・・・うるさい。」
「ん?」
ユウキとリュウは親しいのだろうか。そういえばユウキは呼び捨てにしていたな。と。それにしてもいままでひび割れや崩壊していた理由は緩衝材が入ってなかったからか。
「見ただけでわかるの?」
「・・・組成解析。」
「そせい、何?」
質問攻めにしていると俯いてしまった。すると目の前にステータスが現れる。
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リュウ:素材加工士
体力:62
力:36
かしこさ:79
運:50
魔力:68
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スキル:万能接合
選択した素材を適性に調合できる。
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特技:組成解析
素材に限り細かに成分・要素・割合がわかる。
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さっきの空中に浮いていたのがスキルで説明してくれた組成解析が特技なんだな。礼儀作法はわからないがこちらもステータスを開示する。
「・・・スキル。ない。」
驚きと哀れみが片目しか見えてないリュウからでも読み取れる。流石に慣れてきたぞ。この反応。
その後も残りの粘土を解析したり、粘土層の土と別にしてあった掘り起こした土などをリュウの指示に従い別途塊にしていく。
「・・・粘土にはなってる。あとは緩衝材入れたらかまどが作れる。」
おそらくかまどで困っていたのをシゲノブが伝えてくれていたんだろう。掘り起こした土にもいろいろ素材になるものがあるようで教えてくれる。主に石灰岩が多かった様で、リュウ曰く後はロームという土壌や中にはクォーツも混在していたようだ。
「・・・川行ってくる。」
「おい!リュウ!」
「・・・ユウキはうるさい。」
「すんませんタロウさん。あいつ無愛想で。悪いやつじゃないんスけど。」
「2人は仲良いの?」
「こっちきてすぐにおやっさんに拾ってもらったんスけど、ほぼ同時期なんスよね。兄弟みたいなもんッス。」
「・・・腐れ縁。川、行く。」
「あ、シルくん付いてってあげて!」
ユウキとのやりとりを気怠そうに切り上げそそくさと川へ向かうリュウ。シルクにお供を頼み見送る。リュウはまたビクッとしていたがシルクを一瞥したあと歩いていった。するとリュウとの話が終わるのを待っていたのか、クロードがこちらへ向かってくる。
「大体ワカッタヨ。コノ通リ二作ラナクテモ大丈夫ダケド、イメージダケ書イテオイタヨ。」
そう言うと大きい紙を広げるクロード。紙には骨組みや梁の組み方などが書かれている。
「マズ土台ダケド、タロウハ木材ヲ敷イテイルトイッテタネ?」
「そうですね。木材の土台にほぞで柱を固定して土をかぶせて葉っぱを敷いて板を引きました。」
クロードは知識がないままそれに気付いたのは凄いねと褒めてくれた。その上で柱を固定するために今回は礎石を使う方法を教えてくれる。石にも穴を開けることができると伝えると、石にほぞ穴を作れば簡単だよ。と教えてくれた。
「ソレカラ、床ナンダケド・・・」
こうして細かに床や梁の組み立て方法を教えてくれるクロード。これはなかなかに時間がかかりそうだ。また時間がある時に見に来るよと言ってくれた。
クロードからの説明も終わり雑談をしているとリュウとシルクが戻ってきた。リュウが手招きするので寄っていく。どうやらさっき仕分けした土のところへ行くようだ。するとリュウはインベントリを逆さに向け大量の砂をぶちまける。それから砂を空中に浮かせると白い砂と黒い砂に分かれる。
「・・・珪砂と砂鉄。」
「え!?そんなこともできるの!?」
「・・・俺のスキルは地味だからむしろこれくらいしかでき、ない。」
充分すごいんじゃないの君のスキル。そんなことを考えているとリュウが続ける。
「・・・レンガ用。」
「ん?レンガ?」
「割れたのがあった。混ぜる。」
「あ、この白い砂を粘土に混ぜればいいんだね!」
コクっと頷く。さらに、珪砂には土に混ぜると土壌改良も出来るとか。リュウ曰く、ここの土は畑が作れるとのこと。タズナに種を依頼していたこともあり安心して畑仕事にのぞめそうだ。
「砂鉄があればもしかして鉄が作れる?」
「・・・無理。」
「専門的ナ知識ガナイト厳シイネ。コノ世界ダト熱魔法トカアレバデキルケドネ。」
リュウの言葉をいつの間にか後ろで見ていたクロードが補足してくれる。確かに鉄を作るとなると確か1500℃とかの高熱が必要になるはずだ。
「・・・砂鉄。じいさんに売る。」
なるほど桂屋さんに売ればいいのか。
「じゃあリュウ君が売ってくれたらいいよ。取ってきてくれたのリュウ君だし。」
そんな提案をするもリュウは首を振る。説得を試みるも受け入れてもらえずありがたく貰うことになった。
夕暮れが近付き、3人は帰路についた。帰り際にもう一度お礼を伝えお土産にクルミとマリ・ベリー(木苺らしきものの正式名称を教えてもらった)を渡す。ユウキにはシゲノブに宛てた手紙も渡した。
「たまに用事なくても見に来るッスね!連絡手段もなにかいいのが無いか調べとくッス!」
こちらからの連絡手段がないのが気になったらしい。確かに今後かまどみたいに困ったことがあった時に相談できるとありがたい。こうして新たな出会いが終了した。
リュウくん大活躍ですね!
かまどもこれで目処がたちました。
おめでとう太朗。
さあ次回からはどんどん拠点を改良していきます!
お楽しみください!




