第24話 インベントリとはこれいかに
前回予告したように今回でも新キャラ登場!
そして便利なアイテムも登場します!
街でいろいろな出会いを経て太朗にどんな未来が待ち受けているのか、今回もゆるくお楽しみください!
「おお。そうだ。緑坊。森に帰る前にタズナのやつ紹介してやんな。」
「タズナさんっすね!了解っす!」
去り際に桂屋の主人シゲノブと案内人もといドラゴンライダーユウキがこんな会話を繰り広げる。市街部へ戻りながらタズナについてユウキに聞くと、
「タズナさんは行商人っすね。今この街にいるってことなんだと思うんすけど、まあ変な人っすけど悪い人ではないっす!」
行商人か。めずらしいものとかを売ってるイメージだけどどうなんだろう。こうして市街部へたどり着く私たち。
「さ、まずはなによりインベントリっすね。」
そういって少し大きなお店の前で止まる。外観はハイブランドのカバン屋といったところだろうか。ショーウィンドウには様々なカバンが飾られている。近付いてきた店員さんによると、インベントリにも大なり小なりサイズがあり、容量が多ければ多いほど値段もあがるらしい。重量制限は大きさプラス個人に依存、つまり入れてみないと分からないとの事だ。大きさは枠の数によって決まる。また、見た目がオシャレなものは値段が少し割増になるらしい。
「ユウキくん。ひとまず小さいのでいいよ。あんまり高いのだと困るから。ちなみに君のはいくらのやつなの?」
「俺のは680万でしたね!めっちゃ入るし便利っすよー!」
この子大学生だったくせにそんな高いカバン持ってるのかなんておもいながら各サイズのインベントリの値段を見ると、腰袋のサイズで5万、ウエストポーチ型で20万、リュックサック型で80万、そこからどんどん値段も大きくなり、いちばん大きいもので1000万もする。なおウエストポーチ型だと絶対足りないと言われたのもあり、購入するものを決める。
「このメッセンジャーバッグ型をください。」
お値段40万。慎重に検討した結果、これくらいが森で生活する上では必要であろうとのこと。また、保冷保温などの鮮度を保つ機能などはない。
「はい。ありがとうございます。素材とお色をお選びください。」
「じゃあキャンバスの黒で。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
「めっちゃタロウさんっぽいの選んだっすね(笑)」
ユウキに突っ込まれてから気づく。思わず至って平凡な普通のものにしてしまった。せっかく異世界なんだから今までにないものにすれば・・・。訂正をしようかと考えているところに店員さんが戻ってくる。時すでに遅しである。ユウキくんが、桂屋でもらった私のお金を出してくれ支払いを済ませる。
「では所有者登録をお願いします。」
「所有者登録?」
「はい。インベントリには所有者登録という機能がございまして、そちらを終えられて初めてご自分の物となります。」
へー。そういう仕様なのか。店員さんの指示に従いカバンの中に手を入れる。するとじんわりカバンの中が光った。これが所有者登録の証らしい。早速メッセンジャーバッグ型のインベントリを背負ってみる。
「大変良くお似合いです!」
このお言葉である。実はこの言葉に弱い私である。
「じゃあこれまず貰っちゃってください!」
するとユウキは自分のインベントリから残りの60万を渡してくる。慌てて受け取りインベントリへ移す。
「これが絶対インベントリがいる理由っすね!タロウさん銀行預けたら不便でしょ。街に住んでないから。ちなみに俺も結構転々と街を移動するんで必需品っす!」
ユウキの説明を受けなるほどな。と納得する。確かに毎度使う分だけを下ろして預けるとか手間だしな。実際カバンがないことに困っていたので高い買い物だったが後悔はない。店員さんにお礼を伝えカバン屋を後にする。
「ユウキくん。後買いたいものがいくつかあるんだけどいいかな?」
「何買うっすかー?」
まずは食関係。食材と調味料も欲しい。あとあれば嬉しいのが道具類だ。なにせ自作の石の道具ばかりだ。文明に触れてしまうとどうしてもいいものが欲しくなる。それから服だな。人がいるということが分かったので裸になるのも気が引ける。
ユウキに案内をしてもらい、まずは調味料を各種揃える。"さしすせそ"を筆頭に目に付いた調味料を買い漁る。お値段はすごくお手ごろで現世のスーパーと同じぐらいだ。次に服屋さんへ。
「できれば動きやすい汚れても大丈夫なものがいいんだけど。」
オシャレなブティックのような店が立ち並んでいるのをみてユウキに相談する。
「あ、じゃあとりあえずタズナさんの店に行きましょうか。だいたいなんでもあるんで大丈夫だとおもうっす。」
そう言うとまた裏路地を進んでいくユウキ。しばらく歩くとこれまた不可思議な建物にたどり着く。
「ここ?」
「ここっすね。いつ来ても変な店っす(笑)」
石造りの外観は変わらないものの、統一感の無い垂れ幕がかけられ、中を見ずともごちゃっとしている印象を受ける店構え。店の前にも瓶や樽が無造作に置かれ、その横には布や革などが蓋のない箱に突っ込まれている。
「タズナさーん。いるっすかー?」
今度はノックをしてから入っていくユウキ。
「はいはいどうもどうもー。あれれー?ユウキくんお久しぶりー。どうしたの?」
魔女がいる。これは魔女だ。そう思わせるような大きな紫色の山高帽に同じ色のマントを引きずった女性。自分1人なら絶対に声はかけないであろうという怪しい魔女がやけに高い声で太朗とユウキを出迎えた。
黒のキャンバスのメッセンジャーバッグ。
なんとも太朗らしいカバンですね(笑)
さて、次回は"怪しい魔女"タズナに注目ですよ?
乞うご期待!ながーーーーい目で見守ってください!




