第22話 センタープレスト
さて、3章に入り1度森を離れ舞台は街へと移ります。
今回は街に着くところからのスタート!
街並みの描写に力を入れてます。
皆様多分に想像してお楽しみください!
「ゼェゼェ・・・。ハァハァ・・・。」
とてつもない疲労感、主に精神面での疲労。時間にして約15分のドラゴンでの空の旅は凄まじい高度に上がり冷や汗をかき、ひとたび前進すればこれでもかと風が全身を叩く。実際、飼育されたドラゴンは人間を落としたりしないらしい。また、ユウキの魔法で抵抗力も上がっている。
「ハッハッハ!まあそうなるっすよね!通過儀礼っす!」
今私は街のすぐ近くの停泊所のベンチに横たわっている。停泊所にはドラゴンだけでなく大型闘牛の様な見た目の魔物や気球の様なカゴに繋がれた何羽もの鳥の魔物等様々な魔物が大人しく所定の位置に収まっている。
「はあ。こうなるなら前もって言っておいて欲しかったよ。シルくんは連れてこなくて正解かな。」
「ピレ亜種なら大丈夫だと思いますけどね。さ、タロウさん。そろそろ行きましょうか。」
呼吸も整い、案内をしてくれるユウキの後ろをついていく。目の前には大きい門があり、関所も兼ねているらしい。人の往来も見て取れる。
「本当に人がちゃんといるね。」
「そりゃーいますよ!まあここ正門なんで人の通りも多いっすね。」
ここは正門と呼ばれているらしい。理由は通れば分かるとのこと。ユウキが関所で説明や手続きを済ませてくれ、いざ門をくぐる。
「タロウさん、ここが三大都市のひとつ、センタープレストっす!」
ユウキに促されるまま門をくぐった私は呆然とした。門から続く広い街道の先にそびえ立つまるでウエディングケーキのような豪奢な塔が並び立った大きな建物を中心に西洋風とも違う石造りの街並み。
「ファンタジー・・・・。」
異世界というものを改めて実感している。ゲームや物語の中でしか目にすることの無かった風景が眼前に広がる。街並みに目を落とすと街道に並び立つ数々の店、往来する人が目に入る。見渡しても全貌を捉えることが出来ないほど大きい。
「どうっすか?感動するでしょ?」
「感動なんてもんじゃないよ。すごいね。すごい。」
「タロウさんの異世界ライフはこっからっすよ。さ、いきましょ!」
街並みを眺めながらユウキについて歩く。まずは役所にいくという。最初に目に入った豪奢な建物が役所らしい。
「あの門からだけ大通りから役所まで見えるんで正門なんすよね。ちなみにここは銀座みたいなかんじっす。」
ユウキが正門の由来を教えてくれる。それにしても大きな街だ。一体どんな生活を送っているんだろう。銀座というだけあって店構えがどのお店も綺麗だ。
しばらく歩くと役所についた。下から見上げて見たがもう塔のてっぺんは見えなかった。カウンターでもユウキが話を通してくれ、担当の窓口まで案内される。
「転移者タロウさんですね。転移者登録は・・・。ありました。」
あるのか登録。聞けば転移した際に自動で登録されるようだ。ちなみにこの受付のお姉さんのスキルは〔照会〕というらしい。それで役所に。適材適所とはこのことだろう。
「この街に移住希望ですか?」
「魔境の森に家を建てたからそこに住むらしいっす。」
「えっ!?魔境の森に!?」
「あー・・・成り行きで。今日初めて人に会ったんですが飼い犬がいるのでとりあえずそのまま住んでみようかと。」
すごく驚かれた。前例がないとのことだが、この世界は自由が尊重されるとのことで、特に問題がある訳ではないらしい。
「それでは、後はペットの登録だけですね。もし今後住居を移されるときはまた申請ください。」
なんのために登録が必要なのか尋ねると、犯罪歴や身分を偽っていないかの確認らしい。シルクの犬種と名前を登録し、役所を後にする。
「じゃあ次は材木売りに行きましょうか!いやーおじさんの驚く顔が楽しみっす!」
次に行くのは素材屋で、そのお店の方とは親交があるらしいユウキ。いたずらっ子を連想させる悪い笑顔を浮かべている。素材屋は少し中心から離れ路地へ入る。知る人ぞ知る紹介制のこじんまりとした店とのことで、一見さんお断り。そんな店に連れて行っていいのかと確認したが、
「僕の紹介なら多分大丈夫っすよ。あと魔境の森の木とか絶対断らないっす!」
そういうことじゃないんじゃないか。街についての説明などを聞きながら路地をあちらこちらと進んでいくと、広い敷地に杭が打たれ紐で囲われた開けた空間に出る。その空間の端に街並みでは見られなかった木造の平屋が隣接している。どうやらここがユウキの言う平屋のようだ。そしてユウキが戸を開ける。
街、いかがでしょう。
皆さんの想像の中でもとても綺麗なら街並みを想像して頂けたらと思います。
次回は素材屋さんからのスタートです!




