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【完結済み】田中太朗のスローライフ〜普通な男の転移生活〜  作者: 三笠 どら
第2章 異世界生活再スタート

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第19話 太朗'sキッチン

森の探索はいかがでしたでしょうか?

シルくん可愛かったですね。あとなかなかに頼りになるんですよね。

さて、怪しい感じで終わりましたが久しぶりに料理回です。

お腹が空く覚悟はできましたか?(笑)

そして第19話で第2章は最終話となります!

ぜひお楽しみください!

 森の奥の不穏な空気を察知しシルクに促され森を後にした私とシルク。水浴びをして身体を綺麗にした後なので、帰り道では穴掘りなどは行わず木の上や手の届く範囲などでの収穫のみを行う。

「そういえば塩無かったね。」

「ヲフ?」

 思い出したかのように塩の可否を問う。首を傾げるシルク。

「こないだ塩の塊取ってきてくれたじゃない?あれ、なかったなと思って。」

 塩はできれば多く欲しいし、備蓄も必要だ。保存にも使える。ここから近いなら寄って帰りたいけど。

「ヲーーーー。ヲフヲフ。」

 少し考え込んだあと首を振るシルク。そして私の背中を頭で押し込んでくる。

「えっ?なになに?今日はもう帰るの?」

「ワフ。」

 慌てて歩を進めながら確認する私に少し軽やかに戻った声色で返事をするシルク。やっぱりさっきの大きな声とかを気にしてるのかな。今日は塩を諦めよう。

 家に戻った私とシルクは一旦川へ魚を取りに行く。朝もとったけどこれからは2人分(1人と1匹)だ。多いに越したことはない。

 しかし今日は今までとは違う。新しい食材があるからだ。とりあえずまずはシルクのおやつから作り始めよう。

「シルくん、クルミ割ってくれる?中身は食べないでね〜。」

 そう告げ取ってきたクルミを渡す。首を傾げるも一つ一つ割っていくシルクはもぐらたたきをしているようでとてもかわいい。

 こうして割ってもらったクルミを火にかけた石の器の中で炒める。フライパンとかあれば便利なのになと思いながら焦げないように気をつけ動かし続ける。

「まずは普通に火を入れるだけにしてっと。」

 ある程度色も変わり大体これくらいだろうというところで取り出し、少し冷ます。

「まだダメだよ〜冷めてからね。」

「ヲフ!?」

 隣で眺めていたシルクがすぐ食べようとした為それを制す。熱したても美味しいんだろうけど私は乾燥ナッツが好きだ。ただそれだけ。先程追加で捕ってきた川魚の下処理を行いながら冷めるのを待つ。毎日の作業なのでもう慣れたものである。下処理ができたら串を指し塩を揉みこみ塩焼きにする。

 川魚の処理が終わり、クルミがある程度冷めたのを確認し、1つ口に運ぶ。

「うんうん。これだよ。生は渋かったからなあ。」

 しっかりと自分の知っている味になったことを確認し、いくつか器に取りシルクに差し出す。

「もう食べていいよ。お口に合えばいいけど。」

「ワフ!」

 待ちきれなかったというように火を入れたクルミを口に運ぶ。1つ食べたところでムクッと顔を上げこちらを見つめる。なんだろうものすごくキラキラした目を向けられてる気がする。美味しかったのかな。

 さて、じゃあやりますか。

 椎茸と舞茸をブツ切りにして水の中に入れ、火にかける。出汁をとるつもりだ。その間に、自然薯を適当なサイズに切り分け石のすり鉢に入れ、木のすりこぎでゴリゴリとすり潰す。どんどん粘り気が出てくる自然薯に食欲を促進されつつ、次の作業へ。

「キノコの出汁のいい香りがなんとも。」

 出汁の入った器を火からはずす時にものすごくほっこりした気持ちが鼻腔を通して声に出てしまった。新たに水を入れた器を火にかけ沸騰させる。沸騰したらタラの芽、セリを塩ゆでにする。これはササッと火を通す感じで色が綺麗なうちに湯から取り出す。

 次は下処理をした里芋だ。まず皮を剥く。塩を揉みこみぬめりを取るのを忘れずに、沸騰したお湯にドボン。アク抜きをする為である。ここから放置。

 さて、まず一品目。木の器にねばねばの自然薯を、つまりとろろだ。器に盛ったとろろの中に軽く冷めた出汁を入れ馴染ませる。現代にいた時も醤油より出汁派だった。自然薯が見つかった後キノコが見つかり、まず最初に思いついたのがこれだ。

「ここに米があれば・・・。」

 とろろご飯に思いを馳せつつ2品目へ。

 まずは出汁を濾す。これにより綺麗な黄金のキノコ出汁が出来る。濾した理由はこの綺麗な出汁が決め手になるからである。今度は出汁をそのまま木の器へ入れる。そこにアク抜きをし、1口サイズにカットした里芋を2つ。タラの芽を3つ。最後にセリを浮かべ完成である。

「太朗特製山菜のすまし汁の完成です。」

 これを木の板に並べる。川魚の塩焼きに出汁入りとろろ。そして山菜のすまし汁。すごく和食である。もう一度言わせて欲しい。米があれば・・・。

 まずはとろろを勢いのままにかき込む。口の中に広がるネバネバの後にほのかに香る出汁。鍋の上から嗅いだだけではわからない新鮮なキノコの芳醇さがネバネバとともに口に残る。そしてネバネバの余韻を流し去るべくすまし汁を流し込む。とろろよりもさらに力を増したキノコの香り。味気ない食事を続けていた私にとってこれは爆弾だ。

「ふう・・・・。ほう・・・。」

 思わず吐息が漏れる。落ち着く。優しい甘みと香りが私の全てを凪いでいる。1口サイズにカットした里芋が織り成すホクホクが身体を温めとろろとは違ったネバネバ。タラの芽の苦味も合わせて味わう。あぁ。日本人に産まれてよかった。そう思わせてくれる食卓であった。

 なお、シルクに関してはまずとろろは好まず、キノコも食べない。すべてシルクの分も用意したのだ素焼きの川魚を5匹平らげ他はいらないと言われてしまった。

 シルクのご飯を取りに行ったはずが自分だけご馳走を楽しんでしまった。ごめんねシルク。

「ヲフ。」


 第2章 完

第2章、第19話。いかがでしたでしょうか。

第2章はシルクの登場と生態に少し触れました。

食事の改善の兆しが見えたところで第2章が終了。

さて、ここから2話は閑話休題ということでシルク視点で物語が進みます。

楽しみにしていて下さい!

では次回!シルクの正体が明らかに!お楽しみに!

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