第10話 彼岸花みたいなやつ
第1章を経て、太朗はようやく現実を見つめ始めました。
第2章では生活基盤の整備に着手し、より確かな拠点作りに挑戦します。
太朗の日常はどのように展開していくのか、第2章の1話目、第10話もお楽しみください!
突然大草原で目を覚ました転移者・田中太朗。手元には神様からの説明書という短い手紙と腰につける小さな袋のみ。突然の嵐に襲われ、生活基盤を整えると心に決めた。
「まずは改めて火を起こさないと。」
これまで持っていた火付け道具は濡れてしまったので、改めて火をつけるところから始める。3日前に戻った感じだ。
「今後のことも考えると火打石の方が便利かな。」
木を擦る作業はなかなか時間がかかる。なお、力:100の恩恵でとても早く火をつけることができるのだが、比較対象が無いので太朗は知る由もない。
魚の確認もあるのでまずは網を持って川へと歩く。なお、この男まだ裸である。無人島にいるつもりになったからか人が通るとは考えていない様子。
「うわあ。あれだけ綺麗だったのにすごく濁ってる・・・。」
上流なのか下流なのかわからないが今まで見ていた川とはうってかわって濁流が流れている。あれだけの雨だし仕方がないのかもしれないが、今は魚は取れそうにない。
とにかく、今は火打石だ。手当り次第に手に馴染むサイズの石を拾い力強くぶつけてみる。何事もトライアンドエラーだ。
これをしばらく繰り返してるうちに割れずに残った石を2つ擦るようにぶつけ合うとチカチカっと火花が散った。成功だ。どうやら硬い石は少し大きいものが多いようで、これを拠点に戻り適度な大きさに鑿を、使って割っていく。火打石の完成である。なおここでも力:100が作用しているのだが、これも太朗の預かり知らぬところである。
「火種を見つけて火をつけてみないとだけど今は全部濡れているからなあ。」
次は火種だ。早速森へ向かう。大雨の影響によりどれも濡れてしまっている。ここは無人島、だれも頼れない。と言い聞かせ、勇気を振り絞りさらに奥へ進む。すると、1本の倒木が見つかった。煤けて割れている。どうやらさっきの雷雨のときにここに雷が落ちたらしい。少し焦げているところもあるし歯も燃え、所々割れている様子だ。
「この木使えないかな。」
ちょうど火をつけるための木を探していたこともあり少し物色する。あわよくば炭の代わりになればいいのにと思っている。木を調べてみたところどうやら割と乾燥しているようだ。とりあえずこの木を分割し、運び出す。少し熱を持っている場所もあったので大きな葉っぱをミトン替わりにする。
拠点に戻ると、まずは雷で焼けた木を細かく加工する。細かく分けた木をさらにナイフで削り加工する。キャンプでよく見る彼岸花みたいな形の状態だ。さらに燃えた木の皮を細かく繊維状に加工し、一纏めの球状に加工する。
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生活の知恵
フェザースティック:
木をナイフで削り、
細かい繊維をほぐして作った着火用の棒。
火打石や火口と組み合わせると
火が付きやすくなる。
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生活の知恵
火口:
木の外皮や乾いた樹皮を細かく裂き、
火花を受けやすく加工したもの。
火を起こす際の補助材として便利。
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「ほらね、先生のお墨付きだ。しかも今回は簡易、とか〇〇の、とかって描写がないから大成功ってことだよね。」
思わず心の中でピースをする。それにしてもフェザースティックっていうんだねあの彼岸花みたいなやつ。こんな知識があったのもキャンプが流行ってたおかげだな。ありがとうヒ〇シです。
これにより必要最低限のフェザースティックや火口を作り、余った端材やフェザースティックを物干し竿に熱が届くくらいの距離に組み上げていく。服、乾かさないといけないからね。乾いた部分に火口を置き、いざ火打石を。
ガチッガチッと何度か擦り合わせ着火に成功。すぐ組み上げた新・焚き火の中へ。フェザースティックに火が燃え移り今までとは違った火力を見せる。やればできるじゃん。と心が踊る。
今日は雨もあり時間の感覚がなかなか読めなかったがまだ夕暮れには早いようだ。服を乾くのを待つ間に木苺らしきものを多めにかじる。体力をなかなかに消耗してしまった。
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体力:8/42
ちから:100
かしこさ:38
運:20
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木苺と魚以外に食べれるものも探さないと行けないけど、毒とかあったら困るもんな。と森の中に生えている草には手が出ない。山まで行かないとだめかな。細かくステータスを確認しながら服が乾くのをまつ。
「よく考えたら裸で森にはいってるのはいかがなものなのだろうか。怖いもの知らずもいいとこだ。」
充分に体力も回復し、もう一度川へいく。今度は大きな石をその場で鑿で成型していく。そこへ木の棒をT字に加工した大きめの棒を固定する。これで完成。
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生活の知恵
石のスコップ:
石で出来ているが、丁寧に成型され
スコップとして使用できる。
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なお、接合部分は石にでっぱりを残し楔型に成型し木に差し込む形でつたでこれでもかというくらい巻き付けている。
「さあ火の問題は解決したし、次は家だ。」
太朗、家をつくる。の始まりである。
第2章の1話目いかがでしたでしょうか。
今回はより細かく描写していき、今後の方針をかためる回となりましたが、調べました!あの木フェザースティックって言うんですね(笑)
太朗と一緒に勉強中な作者でした。
さて次回はついに家ですね!
どんな家になるんでしょう!そもそも家は建てれるのか、乞うご期待です!




