人が猫に勝てるわけが無い。そもそも生物としての格が違う。
<<シャァアアア>>
「おっ、いい感じだな。さすがおすすめの商品なだけあるな。」
さっそく電動噴霧器で、竹酢液の散布を試している。噴霧器のボトルに1mLの竹酢液をいれて1Lにまで希釈してやる。あとはノズルを細かいのに設定して、トリガーを押すだけで簡単に竹酢液を植物に吹きかける事ができる。事前に念の為、土流に「これってミミズ達大丈夫かね?」と確認してみたところ。「問題ない。」の返事。最近は土流も水流のジェスチャーをほとんど教えてもらったようで、水流を仲介しなくてもだいたいなんとなくで分かる。
さっそくプランターのレモンバームにワイルドストロベリー、そして、ローズマリーとタイムにも吹きかけてやる。ちなみに、これも水は水流がはいったあとの水をつかってやった。そうそう、こっちはさっそく小型水中ポンプの出番で、水を捨てるのにも入れるのにも活躍してくれた。捨てた水はレモンバームとワイルドストロベリーのプランターへ流した。
毎回バケツやペットボトルで、手作業で組み上げていたし、その間水流は大人しくまっているしかなかったのだが、水を捨てたあとはボタンひとつでダンジョンから組み上げられるので、水流の待ち時間も短縮された。…これは、入れる用・捨てる用でそれぞれポンプを準備してもいいかもしれない。
ちなみにローズマリーだが、当初の計画通り、4つの鉢だったものをすべて大型プランターにまとめてやった。土は当然ダンジョンの土をつかった。…うん。先に貰っていたローズマリーだけ、やっぱり高さが倍ぐらい違うんだよな。だが、これでかなりローズマリーの香りが強くなったので、あの野良猫にも効くかもしれない。
コンポストを挟むように、ローズマリーとレモンバームのプランターがあるし、これでコンポストの方は安全…だと思いたいんだけどな。どうかな。ま、それはしばらく様子を見ることにして、コンポストにだけかからないように注意しつつ、裏庭のハーブにがんがん竹酢液を噴霧していく。その作業をしていたら、後ろから聞こえる。あの鳴き声が。
「にゃーん。」
「…にゃーんじゃねぇんだよなぁ。」
まただ。ブロック塀の上にヤツがいる。ただ、今回はこちらまで降りては来ない。まぁ今日は魚のアラはなかったし、竹酢液を散布しまくっている。そもそも来たって、狙うべき獲物はないぞ。そうおもった矢先、目にも止まらぬ早業でコンポスト目指して駆け抜けていく。
「にゃぁ!」
「くそ、抜かれた!」
だが、コンポストの目の前で急停止したかと思えば、ローズマリーの方を注視する。…さぁ、そうだ。ローズマリーは果たして効いているのか?
「にゃん?」
数秒逡巡したあと、なんと驚くことに野良猫はローズマリーのプランターの匂いをかぎ始めた。まじかよコイツ。そして、後ろ足でプランターに蹴りを入れる。だが、プランターには大量に土がはいっている。それぐらいではびくともしない。
「まじかよ…。」
野良猫はローズマリーなどお構いなしに、今度こそコンポストに狙いを定める。させるかよ。私は噴霧器を構えて、野良猫にむけて噴射する。コンポストにも多少かかるかもしれないが、こればかりは仕方がない。あまり野良猫相手に、竹酢液を直接掛けるつもりはなかったが非常事態だ。許せ。
野良猫に向けて、霧状の水をぷしゃぷしゃと噴射していく。水濡れになれば、さすがに撤退するだろう。…そう思っていたのだが。
「にゃぁ。」
「無敵かよコイツ。」
驚くべきことに、竹酢液がはいった水をかぶっても平然としている。竹酢液もこの野良猫には効果が今ひとつのようだ。こいつ、濡れることを苦にしないタイプかよ。特殊ケースの見本市のような強耐性の無敵猫だ。
「にゃーん。」
誠に残念ながら、この野良猫から弱点が見えない。水も駄目、竹酢液もだめ、ローズマリーも駄目。そしてついに、コンポストめがけて、猫パンチが——
<<ガチャッ>>
再び野良猫の動きが止まる。やっぱり裏の家のドアが空いた音だ。
「コハク~、ご飯よ~。」
「にゃ~ん。」
再び、裏の家の野良猫への餌やりに助けられたようで、野良猫は前の時と同じ様に、裏の家と接するブロック塀の前までダッシュすると、地面からブロック塀の上まで一気にジャンプして、裏の家の方へと消えていく。まぁそもそもが、おそらくこの時間になると裏の家から餌をもらえるから、このへんまできてちょっかいかけに来てるんだろうけど…。
「…。」
まいったな。今回も裏の家の人に助けられた?が、ちょっと野良猫に勝てない。いったいどうやって勝てばいいんだ。
別作あり〼
愛用のクッションがどうもなにか変
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青空設置しました。
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