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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第3章 野良猫狂想曲

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いつまで経っても、過去が私の足を引っ張るから。

 「いらっしゃいませ!いつもありがとうございます!なにかお探しですか?」


 竹酢液と他の猫よけグッズを見に、いつものホームセンターに来たところばっちり顔を覚えられてしまっていた。…たぶんいつも会計してくれてる店員さんだと思うけど、私は人の顔と名前を覚えられない。レシートや名札で、店員さんの名前が分かるはずだが…そんなものはほとんど見ない。


 まぁでも、言われてみれば、確かに挨拶してくれた店員さんには見覚えがある。普段は話しかけて来たりとかしないが、こうやって常連だと認識されれば、挨拶だけじゃなくて声もかけてくるか。正直やめてほしいが。必要があればこっちから声をかけるから、基本的にはほっといて欲しいんだよなぁ。


 「あ、いえ、竹酢液を見に来ただけなので。」

 「竹酢液ですね?それでしたら、外の園芸館になります!」


 前言撤回、非常に助かる。室内の方にあるかとおもったら、そうか、園芸館にあるのか。危うく無駄に室内を探すところだった。…っていうか、今ノータイムで商品の場所が出てきたな。すごいな。これだけ広い店なのに、きちんと商品の場所を覚えているのか。


 「ありがとうございます。」

 「売り場までご案内いたしましょうか?」

 「いえ、大丈夫です。ついでに他にもみたいものがあるので、ぶらぶらしながら、向かいますから。」

 「それでは何か御用がありましたら、是非スタッフまでお声がけください。裏野さん!」

 「はい、わかりま…し…た…?」

 

 ちょっと待てい。私は今声をかけてくれたスタッフの顔を見る。…駄目だ。全然覚えてない。ホームセンターでは名前を出して買い物なんかしたことがないので、絶対どこかでなんかの知り合いだ。私の名前を知ってるということはそういうことだ。っていうか、またこのパターンかよ!


 こっちは覚えてないのに、なんで皆そう、簡単に人の名前と顔を覚えられるんだ。冗談じゃないぞ。ホームセンターのスタッフとして見覚えがあるだけじゃなくて、それ以前か、あるいは他の場所で顔を見ているということになる。…駄目だ!わからん!


 「…あれ?どうかなされました?」

 「…あ、いえ、名乗ったことってありましたっけ?」


 一応すっとぼけてみる。


 「…あれ?私の事分からないんです?」

 「…ホームセンター以外でお会いしましたっけ?」

 「…同級生を覚えてない?」


 そこ(記憶)に無いなら(覚えて)無いですね。っていうか、同級生!?同級生なんで!?


 「…念のためですが、同名の人違いではなく?」

 「北斗七星中学、3年2組の裏野君ですよね?担任は越田先生。ほぼ3年間、席は教室の隅左後ろ。」


 合ってるわ。っていうか、なんでそんな事まで覚えてるんだ。どうして席の位置まで正確に覚えているんだ。…駄目だ。顔を見ても思い出せない。っていうか、また女かよ。ふざけんな。正直中学の同級生とか、ほとんど覚えていないぞ。…いや、それは言いすぎた。訂正。一人も覚えていない。


 というか、中学のときはいじめにあっていたから、正直思い返したくもない。まぁちょっと()()()起こしてから、いじめはなくなったんだけど。それでも中学には良い思い出はない。正直記憶から消したい。…今からでも否定するか?いや、でもそうすると、今度はこのホームセンターに来づらくなるぞ。…詰んだ。


 毎度毎度のことながら、なんで同じパターンで詰むんだよ。警戒とかそういうベルの話じゃねーぞ!砂塚と神崎は仕事部下だったから良かったけど、中学の同級生とかもはや無理ゲーだろ!卒業アルバムとか、燃やして捨てたし…。


 「…どちら様でしょうか?」

 「旧姓中森です。中森麗奈。今は西田。」

 「…。」


 …それでも思い出せない。だが、そんな事よりも同級生が結婚済みだということに衝撃を受ける。いや、まぁこの年齢なら普通結婚しているものか。あらためて現実を突きつけられる。膝から崩れ落ちそうになるが、なんとか踏ん張る。…結婚ねぇ。私にはたぶん死んでも関係ない話だな。


 「…あー。」


 そしてそう言われれば、思い出してきた。そういえば同じクラス…だった…気がする。でも、正直よく覚えてない。


 「ま、別にいいけど。私も裏野さんだって気がついたの、つい先日だし。」

 「…そうですか。」


 正直気まずい。


 「ま、というわけで、今後とも当ホームセンターをよろしくね!それでは売り場までご案内しますねー。()()()()()()()()?」

 「はひ。」


 ——そして私は有無を言わさぬ圧に屈服した。

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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― 新着の感想 ―
うん…まぁ…これぐらいなら仕方ないんじゃないかな… 実際、小中高で名前と顔の一致する敵じゃない相手なんて余裕で両手に収まるくらいですし(
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