表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第2章 社会不適合者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/148

労力に見合わない味のハズ…だったハズ。

 「ところで、このダンジョンで取れる小魚と藻って美味しいんです?」


 神埼が話題を変えてきた。まぁ当然の疑問だよな。


 「いや、それほど美味しい!って程うまくはないぞ。特に藻は。」

 「そうなんですね。」

 「ただ、まぁ小魚はそれなりに。竜田揚げにするとうまい。」

 「竜田揚げですか?」

 「おつまみですか?」


 思ってた通り、酒クズ(砂塚)が食いついてくる。というか、お前が受付を担当しているダンジョンで取れるんだぞ。


 「というわけで、竜田揚げを甘辛にしてきたものを、用意してきた。ダンジョンに潜る前に、あっちの飲食スペースで食べよう。」

 「わ、すごい。先輩って料理出来たんですね。」

 「お前、私を何だと思ってるんだ?」

 「生活力と社会性が低い、仕事中毒者。」

 「…違わないけど、違う。」


 神埼。そうじゃないんだよ。そうじゃないんだ。


 「待ってください、私も食べます。」

 「お前は受付の仕事しろよ。」

 「いいんですよ。どうせ誰も来ませんし。」

 「いいのかそれで。」

 「というか、それが美味しいなら、葦附ダンジョンのアピールに使えるので、これも受付の仕事です。ダンジョン振興策のための必要な仕事です。異論は認めません。」


 微妙に正しそうな事を言ってるけど、ヨダレが隠しきれてない。


 「まぁ、慌てるな。そう言うと思って、ちゃんとタッパーを2つ用意してきたんだ。」

 「ナイスです!ビール開けますか!?」


 ダルダルで受付の仕事をしていた砂塚のテンションが、明らかに変わる。あ、この感じ、VTuberやってるときの声だ。疑ってはなかったけど、本当に同一人物なんだ。コイツ本当に酒好きだったのか。


 「馬鹿野郎、仕事中に飲むんじゃねぇ。」

 「大丈夫です。出勤前にも飲んでるので。」

 「大丈夫じゃねぇよ!」


****************************


 流石にビールは止めた。仕事中に飲むんじゃ無い。もしバレて、原因でも探られたら私が原因ということにされかねない。それだけは勘弁してくれ。


 結果を言うと、トミヨニの甘辛は大好評であった。酒クズの砂塚は「ビール…ビール…ビール!!!!」と荒ぶっていたが、神埼も「あ、これ好きです。美味しいです。」と大好評。個人的には労力に見合わない味ではあると思うが、何故か三人で食べると、独りで食べる時よりも美味しく感じた。


 「これって、どうやって作るんですか?教えて下さい!」

 「砂塚、構わないが、結構手間だぞ。正直やってられん。」

 「そうなんですか?」

 「あぁ、トミヨニだが、丁寧な下処理が必要だ。お前、生のトミヨニをちゃんと見たことあるか?」

 「無いです。」


 お前の担当ダンジョンだろ。把握しとけ。


 「…じゃぁ、一旦、トミヨニをダンジョンから取ってくるから、戻ってきたら教える。だが、流石にここで調理は出来ないだろ?」

 「大丈夫です。元からアシツキノリモドキの調理用施設があるので。竜田揚げに使うための油と片栗粉もありますよ。」

 「なんであるんだよ。」

 「私がよく、使っているので。」

 「…お昼から揚げ物を?」

 「そうですがなにか?」

 「…お前飲んだりはしてないだろうな?」

 「…ソンナワケナイデスヨ!」


 やってんなコイツ!?


****************************


 砂塚がクビになった理由がちょと分かった気がしたが、仕事ができるのは確かだ。現に、下心()があるとは言え、トミヨニの調理レシピで、葦附ダンジョンでとれるトミヨニの味を広めたいと、その場で施策の雛形を作り始めるぐらいには。


 ま、何はともかく、砂塚は仕事で、私達はダンジョン探索だ。


 「ほえー、これが生きてるトミヨニですが、トゲトゲしますね。」

 「そうだ、かなり硬いぞ。普通に刺さるから気をつけろ。網で掬ってバケツに放り込む分には問題ない。素手で触るときは気をつけろ。」

 「もう刺さってます。」

 「行動力の化身~。」


 神崎は神埼で、行動力の化身だ。初めて見る魚で、一応モンスターだと言うのに、トミヨニを素手で触り始める。というかそのトゲトゲの見た目で、初手触るが選択肢に入るのはおかしいだろ!?何やってんだお前ぇ!神崎の指を見てみると、思いっきりざっくりと刺さっている。念の為持ってきた、針抜き用のピンセットで慎重にトゲを引き抜いて処置してやる。


 「先輩って用意いいですよねー。仕事してたときも、誰かが怪我したら一番に絆創膏と消毒液くれましたもんね。」

 「そりゃぁ、仕事中、怪我する事ぐらいあるだろ。特に紙なんか扱うと指を切ることはあるしな。絆創膏ぐらい持ち歩いておけ。」

 「普通の人って、常に絆創膏は持ち歩きませんよ?」

 「…そうなのか?」

 「そうだと思います。」

 「…まぁともかく、それでもモンスターだから取り扱いは気をつけろ。確実に氷で締めておけ。魔石は頭の中にあるが、ゴマ粒ぐらいしかないから取り出すのは諦めろ。」

 「そうなんですね。」


 そういいながら、神崎は次々と網をふるってバケツにトミヨニを放り込んでいく。さてはお前、本当にあの甘辛を気に入ったな?まぁ、調理法は後で教えてやるから頑張れ。

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
そんなポット出の女性二人に靡かれるなよ!この作品のメインヒロインは水流だからな!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ