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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第2章 社会不適合者

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スマホの通知は見ているけど、中身の確認は気が向いたら。

 入口まで戻ると、持ち帰ってきた物品の提出を求められる。検疫と探索成果の確認であるので、必ず提出しなければならない。そのうち売りに出す分は、その場で査定、もしくは探索者協会の預かりでの後日査定となるが、今回は売るものはない。検疫の為に、収穫してきた『アシツキノリモドキ』と氷で締めた『トミヨニ』、それから釣り上げた謎の魚を提出した。


 『トミヨニ』は氷詰めでパックに、謎の魚は棍棒で叩き潰したのが認められたので、これも同様に氷詰めに。そして、そこで気がつく、そういえば売るものがあった。魚の頭部にある小さな魔石だけを、売却に出す。魔石は等級と重量で代金が計算される。今回の価格は数百円程だ。しょっぱい。それから『アシツキノリモドキ』はすべて煮沸された。同様に、長靴についた苔や模も、出入り口の施設で煮沸処理される。


 「お疲れ様でした。これにて煮沸処理完了です。袋に入れましたので、こちらをお持ち帰り下さい。」

 「…利用した私が言うのもアレだけど、これって元とれるの?」

 「取れるわけないじゃないですか。赤字ですよ?」


 さもありなん。


 「ですが、法令で決まっているので。許可の無い、ダンジョンから生体の持ち出しはNGです。ま、その分ちゃんと申請すれば、行政から補助金がもらえますので。」

 「そうだよな…。」

 「というわけで、本日はご利用ありがとうございました。退場処理が完了しましたので、戦利品をお持ち帰りいただいて問題有りません。」

 「ありがとう。」

 「またのご利用お待ちしております。定期的に来ていただけると、協会としては赤字ですが、私の給料が増えます。」

 「もっとオブラートに包みなさい。」


******************************


 家に帰って、袋詰めされた『アシツキノリモドキ』『トミヨニ』は冷蔵庫に、謎の魚は適当に捌いて、切り身にしてこれも冷蔵庫に突っ込む。収穫としては、たいしたものではない。稼ぎにもなってないしな。


 …こんな無駄骨を折ってまで、葦附のダンジョンに行ったのは、淡水系の魚がでるダンジョンの様子がみたかったからだ。葦附のダンジョンは、まだ中層すら攻略されていないが、とにかく険しい地形が続く上に、リターンがしょっぱい。魚型モンスターはお金になりはするが、『山奥に行って漁をして、また険しい地形を戻って帰ってきて、数千円の稼ぎです。』というような仕事、誰がやるだろうか。それぐらいなら、スライムを蹴り飛ばして売ったほうが、まだ効率がいい。


 奥に進めないと分かっていながら2階層の湖上まで、行ったのは、他のダンジョンでの『サクラサーモンモドキ』がどれだけ持ち帰るのがめんどくさいのかを確認したかったからだ。あの葦附でも一応の生息が確認されている。…6階層に。


 つまり、あの湖を越えて、更に遠くに行って、ようやく広い池なり湖にいるやつを捕まえて、そして、またあの湖まで戻って、滝登りをしてようやく持ち帰れる。…そこまでして持ち帰ってまで食べなければならないのか?


 うん、話にならない。…話にならないのだ。


 私が、サクラサーモンモドキを自由に売却できるようになるためには、すくなくとも、あの湖を越えて更に深い層へといけるぐらいの実力を身に付けなければならない。うん、無理な気がしてきた。


 これからのダンジョン探索をどのように進めていこうかと、うんうんと悩んでいると、スマートフォンに、神崎と砂塚からのメッセージが届いている。…気が向いたら確認しておこう。


 あれだけ苦労して持ち帰ってきた、アシツキノリモドキに醤油を垂らして、ちびちびと食べてみる。…うん。美味しいっちゃ美味しいけど、…わざわざ回収してまで食べるような味ではないかな。土流にも少しやってみたが、反応はいまいち。


 『トミヨニ』はどうやって食べようかな。丸ごと煮付けか?素揚げして甘辛の味付けにしてはどうだろか。あとは、トゲだよな。これ、たぶん全部手作業で処理しないと食えないぞ。めんどくせぇ。


*******************************


 「…ふーん。返事くれませんね。まぁ薄々知ってましたけど。あの人、他人への関心が低すぎますね。たぶん、名前や顔とかも、覚えるの苦手なんでしょうね。まったく、せっかくチャンネルのURLを添えてチャット送ったのに、既読マークすら付きませんし。たぶんスマホとかめったに見ないんでしょうねあの人。」


 砂塚はストリーミングサイトの配信準備をしながら、スマートホンの画面をみる。前の職場の先輩に送ったメールもチャットも、まったく反応が帰ってこない。自分から「まだVTuberはしているのか?」みたいな事を聞いてきたクセに。


 <<カシュッ>>


 配信前からビールに口をつける。そのまま一缶飲み干したら、ライブ配信のスイッチを入れる。待機中の画面を切り替えて、定刻の放送を開始する。


 「「はろはろー!!酒クズVTuberの砂ちゃんだよ!!!今日もいっぱい、お酒飲みながらゲームしっていっくよっ!!!」」

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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― 新着の感想 ―
まさかの酒クズVTuber つられて久しぶりに滅びよ人類の人の動画見ちゃった
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