触手にも社会性がある可能性がある。私には無かったけど。
「さぁて、復活するかね?」
水流を拾ったときもそうだが、暑さでカラカラになって干からびる一歩手前で落ちてるのはなんでかね?とりあえず、庭から部屋に戻る。カップの中に、ソイツをいれてやって水流がとってくれたペットボトルの水をぶっかける。水棲かどうかは不明なので、とりあえず復活しそうな程度にとどめておく。万が一呼吸が必要なタイプだと溺れる事になるだろうし。
色は水流とは違って、茶褐色。見た目はミミズだが、まぁやっぱり触手だ。クーラーボックスの中ででかくなってきた水流とは比べ物にならないが。たしか水流を拾ったときもこんぐらいだったな。あの時は水流もボロボロだったけど。今じゃ器用にクーラーボックスを開けしめしては、魔法で私のダンジョン探索を手伝うようにまでなっているが。
とりあえず、以前と同じく探索者協会のWebページで検索してみるが、うん、触手だということしか分からない。コイツら種類が多すぎるのと、そもそも生態の解明が進んでない。おそらくは、ダンジョンの生き物やらモンスターやらの殆どが同様なんだろうけれども。
水流だって、未だに何食ってるのか分からないし。たぶん水の中の魔力とか、なんかそういうのを吸収してるのは間違いなさそうなんだよな。…これって、もしかして、触手の事を調べて報告したら、貴重な資料になるのか?…だめだな、考えが次々と別のことに移っていくのは良くない。
とりあえずよく観察してみるが、うん、やはりミミズっぽいんだよな。水流みたいに粘液でぬたぬたっていう感じではない。水流はいかにも水の中に適応した感じがするが、こちらからは一切そのような感じはしない。現に干からびた状態で水を吸っても、粘液が滴る様子が一切見られず、ミミズ同様の多数の体節が見られる。そのためか、色の濃淡により縞模様が見られる。また、水流との大きな違いは、触手に明らかに口となる部位が存在している事だろう。…これもミミズと似ている。
コップの中にでは、ぶっかけてやった水を吸収してその干からびていた体に、水分を取り戻しつつある。まだちょっと、元気が無くぐったりとしている。
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救出してから1時間様子を見ていたが、なんとか生き返ったようだ。とりあえず魔石を与えてみるが、食べない。水の方は、とにかく吸収しているようで、あんなしわしわだった体に、水分がもどるとやはりミミズのように触手の体が、パンパンに丸くなっていく。水流と同じだと仮定すると、水に含まれる魔力の方も吸収しているのか?
なにはともかく、水棲種じゃないなら、陸上に住み着くタイプのヤツだ。洞窟とかか?まぁ明らかに、湿り気は必要だろう。あと、体色的には、やっぱ暗闇に棲息してそうなんだよな。それこぞミミズみたいに土の下とか。
その場合、「じゃぁなんで玉砂利の上にいたんだよ。」なんだが、水流の時も同様に「じゃぁなんで玉砂利の上にいたんだよ。」になるので、やっぱりなにかしら原因があってその結果、うちの裏庭に瀕死状態で流れ着いているしか思えない。まぁ、その検証は私には無理だ。いつのまにかいるし、24時間見張っているわけにもいけないし、毎日発生する訳でもない。
コップの中で生気を取り戻したミミズ…じゃなかった、触手だがこれからどうするのかね君?…とりあえず水流と会わせてみるか。
そう思い、水流を呼ぶ。…まぁ呼ぶ前からもうクーラーボックスから出て来てるんだけどさ。まぁ、もうあれだよね。自分で新聞紙敷く事覚えちゃったから、こうやって自分から出てくる事がある様になったんだよね。私がいない時にはやらないでよそれ。
「…自分から出ててくるのはいいんだが、私以外にばれたらやばいことは自覚しているよな?」
問いかけると水流は「当然!」とでも言いたげの用に、胸?を張る。お前の胸どこだよ。私も私で、なんで触手がくねってるだけなのに、胸を張ってるって分かるんだよ。はぁ~。
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というわけで、ご対面です。が、即、ミミズの方が水流に対して平伏。実際水流の方が強いんだろうけども、別種?の触手でも上下関係があるみたいだ。水流はうちの同居人?同居触手?だけど、ミミズの方は行く宛があるんだろうか?…おーい、水流なにしてる…うーん。なんか会話してるっぽいけど、先刻の明らかな平伏ならともかく、触手同士の会話は私には分からないな。
とりあえず、そこで触手同士で話をしててくれ。私は…裏庭に脱ぎっぱなしにしてある、靴を玄関に戻してくるんで…。
別作あり〼
愛用のクッションがどうもなにか変
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青空設置しました。
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