使えるものならば、何だって使う。手段は問わない。
復活!
気がつけば天井を見上げていた。
暑さで被っていた毛布は、いつのまにか蹴り飛ばしていたようだ。ともかく、いつの間にか寝ていて、いつの間にか起きていた。無事、私は朝を迎えることができたらしい。少しだけ夢だったのかとおもったが、窓の前には細切れになった触手の破片が、きっちり散らばっていた。…絨毯に触手の粘液がこびり付いてしまったが、この際どうでもいい。
水流によって、スライスされた触手の肉片を拾い上げる。向こうが透けて見えるぐらい薄い。ぷるるしていて、ぬるぬるしている。やはり触手で、間違いないだろう。…見た目だけならうまそうに見えるが、流石にこれを食べる気はしない。
恐る恐る窓をかえて、外を覗くが、特に触手らしいものは見当たらない。…暑さで辛抱たまらないし、そのままそっと窓を開けてしまう。昨日までと変わらない、涼しい風がダンジョンから部屋へと入ってくる。寝ている間に、汗でびっしょりとなっていたらしく、生き返る感じがする。
開きっぱなしになっていた網戸をしめて、窓も、サーキュレータが稼働するのに十分な分だけにしておく。今までみたいに全面を開けっ放しにしておく勇気はない。いやまてよ?網戸と窓に、それ以上、開けられないようなストッパーをくっつければどうだろうか?ドアチェーンみたいなものを用意することを検討しよう。網戸の方は完全にロックしちゃってもいいし、固定器具かなんかがホームセンターにないだろうか。
実際として、あの触手が私にあたっていたときにどうなってたかは、分からない。少しだけ、探索者協会に、ダンジョンの存在を報告しようか悩んだが…そうなると、水流とはおそらく、離れ離れになるだろう。…嫌だな。
とりあえず、押入れにちょうど良い板があったので、網戸がそれ以上開かないように、反対側にその板をはめておく。これで、少なくとも網戸が開けられることは無い…と信じたい。
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適当にサクラサーモンモドキを使ったパスタを作って、食べる。意外とオリーブオイルと、サクラサーモンモドキの相性が良い。流石に料理中は窓をしめて、戻ってきてから開け直す。…うん。網戸は開けられた様子が見られない。
ネットで網戸系の固定具の見本を探しつつ、パスタをすする。シールで貼り付けるタイプだと怖いので、やはり、ドアや網戸に完全に金具をで固定してしまいたい。調べていると、少し高いけど、3000円程度で、きっちりとサッシ部分にネジ止めするタイプを見つける。シリンダー付きで、窓の上下…今回の場合は網戸の上下に設置すれば、うまく固定できそうだ。問題は2個買うとそれなりに大きな支出になるな。
…やむを得ないか。いくつかの私物をフリマサイトで売ってしまおう。それと同時にやはり、探索者免許の取得を考えよう。サクラサーモンモドキの切り身を売れるようになれば、それなりに安定した収入になるはずだ。そっちを今後メインに考えるが、今は探索者免許がない。私物をお金にして、その金で探索者免許の取得と、必要な物品を購入しよう。
幸い、それなりの金額で売れるゲームがある。Windows版のア○カ見○や、再販版月○を持っているんだ。あまり手放したくはないが、背に腹は変代えられない。数万円程度にはなるだろう。それが売れることに期待して、口座のお金から2万までを、とりあえず購入費として使ってしまうことにする。
さーて、問題はこのクソ暑い中、ホームセンターにまた行かなきゃいけないんだよなぁ。…あ、いや、まてよ?水流の粘液とダンジョンの水を、袋詰にすれば、簡易な冷却装置ができるんじゃないか…?いつまで経っても冷たいままの水だ。使わない手は無いな。
こっちしか読んでない人向けに説明すると暑さでくたばったあと、寒暖差にトドメをさされました。そして今日は作者の誕生日です。
別作あり〼
愛用のクッションがどうもなにか変
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青空設置しました。
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