やってもやらなくても不都合しかないなら、誰が好んで貧乏くじを引くんだよ。
『自室の左の窓が、別世界に繋がっている。』という、訳のわからない現実を突きつけられた。こうやって、左右を交互に開けて確認してみると、見える裏庭の景色が全く違う。右を開けるといつもの裏庭につながり、左を空けると、池になった裏庭に繋がる。一応思い当たる節としては、『ダンジョン』ぐらいしかないが、まだダンジョンであると確定した訳ではない。
可能性としては
①私は夢を見ている
②ダンジョンとは関係なく別世界に繋がっている
③現実の世界に重大なバグが発生した
④私の脳に何らかの障害が発生し、世界に対する認知が歪んでいる
も可能性として排除できない。なんなら、ダンジョンが発生したよりも、「これらの可能性のいずれかでした!」で片付いた方が、嬉しいまである。私は探索者ではないので、ダンジョン産のアイテムを売ることが出来ないし、バカ正直に『自室のドアがダンジョンと繋がりました。』などと報告もしたくない。
そもそも、こんな繋がり方、誰が信じようか。いや、信じられなかったところで、ダンジョンの確認に探索者協会から人がくれば、速攻で事実と確認される事にはなる。だが、その場合は、私はこの自室を追い出される事が確定する。しかし、この自室を追い出されても、私の行く場所はない。かといって、最近では、発見したダンジョンを正しく報告しなければ、それなりの罰則がある。
報告してもしなくても、面倒くさい事になるのは必然だ。いわゆる、上司の指示通りやってもやらなくても、結局は文句がでるようなやつだ。面倒くさい手続きをして、書類も何枚も書いて、手に入るのはなんだ?…そう考えるとバカバカしくなってきたな。
幸いにして、このダンジョン。私以外がはいることは、今のところはない。そもそも外から入れないし、部屋は私の自室である訳で。もし、勝手に、このダンジョンに入るものがいたとするならば、家族か、泥棒しかありえない。そして、その家族も私の部屋には入ることはない。つまり、現在、このダンジョンにアクセスできるのは、私しかいないのだ。
じゃぁ別に黙ってればいい。誰が言ったか、『バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。』だ。…んん、なぜだか脳内で阿澄◯奈さんの声で再生されたが、気のせいだ。えっ『…窓に!窓に!』だって?特段なにも這い寄ってはない。…いやクーラーボックスから、触手が這い寄ってるわ。貴方の隣に這い寄る触手さんだったわ。
…そういやぁ、先日食べた刺し身。美味しかったな。…うん。そこに材料が泳いでおるじゃろ?そして、そうだ、押し入れの中に、釣り竿と虫取り網があったような気がする。いずれも小学校のときの名残だが。釣り竿の方はどうかわからんが、網の方はたぶん大丈夫だろう。洗えば。
いつものように、押入れを開ける。
…虫取り網なんか、捨てりゃぁいいと思いつつ。めんどくさくて、ずっとそのままにしてあったんだよな。もう虫なんて取ることなんかないのに。そもそも見たくもない。触るのもごめんだ。何度も捨てようと思ったさ。そもそも、このへんで虫取り網なんてふるったところで、何も取れねぇよ。
探して見ると、奥の方に、釣り竿やら、バトミントンのラケット?みたいなやつから、縄跳びとかいろいろにまじって、虫取り網が壁に掛けられているのを見つけた。ご丁寧に、籠も同じく壁に掛けられている。どうして、未だに、そんなものが押し入れに入ってるんだよ。
カブトムシを飼っていた、大きなヤツから、カマキリをいれていた小さなヤツまで。おまけに小学校のときの、カブトムシの観察記録まで一緒に保存してあった。こんな下手なもん、誰が取っておいてくれって頼んだんだよ。
…全部、全部、馬鹿みたいだ。全部。
Chrome君の反抗期にあって遅れました。グラフィックアクセラレーション君のせいです。
数時間無駄にしたぁ(‘、3_ヽ)_
別の作品もあります。よしなに。
愛用のクッションがどうもなにか変
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