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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第5章 越冬準備と家から引きずり出されるニート(前編)

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【補録】理不尽の後の理不尽な後始末と理不尽な世界。

 個人的には、警察を信用してないとかそういうわけじゃないけど、正直あんまり関わりたくない。というか、事故られた時にお世話になった記憶はあるけど、結局なんていうか、警察沙汰になっても軽い案件なら書類送検されない事もあるし、そこから先不起訴になる事だって珍しくはない。刑事処分になる前に、示談で成立する事もままあるのだ。


 ま、そもそも、結局は強者の理論だろ。そういうのもろもろ。示談なんかで済ませればいいなんってのは。金銭でなんとかなる…もんじゃねぇんだよ。やられた側はいつまでも覚えてるさ。そう、いつまでもな。被害者側が刑事処分を望んでいるのに、なぜ示談ですますのか。まぁ手続きやら仕事が増えるやら、割にあわないとかあるんだろうけど、結局それは合理性の中でなんとかしたい、なんとかなる場合に限る。


 確かに、通常時は我々は合理性の中で生きている。基本的には。その方が利があるし、社会生活…は、私には向いてないけど、まぁようするにざっくり言うと「人間として振る舞う」という、基盤には必ず合理性がベースになる。その方が、都合がいいからだ。だから現代社会の理性的で通常時な人間というのは、「合理的」生き物であるのは間違ってはいない。そういう風に考え、振る舞う事が是とされるし、是とされなければならないからだ。


 だが、あえて言おう、人間は非合理的であると。時には『感情』が優先される。近代国家ですら、「あの土地が欲しい」「あの国が気に入らない」「報復がしたい」「お前の家畜をよこせ」というだけで、戦争に至る。いろいろな理屈や理由付けがあるし、メリットもあるんだろうが、大抵はそんな「考えていたような勝利と、その果実」を手にする事は絶対にない。


 よほど合理的で理性的であれば、「考えていたような勝利と、その果実」が絶対に手に入らない事がわかっているのであれば、そのような蛮行あるいは、愚行を犯すことなど絶対にないのだ。だが、それでもやるし、やらざるを得なくなる。もちろん結果を考えて、やっているのであれば愚かとしか言いようがないのであるが、「やる事」それ自体が重要である場合は、「やる」しかないのだ。


 結果ではなく、手段そのものが目的、それによって自分にどのような不都合が発生しようとも。…不良なんか特にそうだ。タバコを吸うこと、いじめをすること、万引きをすること、他人の秘密をおもしろおかしく笑うこと…これは、合理性と理性があれば、よほど行うことができない愚行と位置づけられる。かれらは、それによる優越感や強い自分という幻想に、そしてそれでしか満たされない自尊心というものに、支えられている。


 そして、それはやられた側も同じである。合理性を考えたのであれば、そんなアホに絡まれた事なぞ忘れて、前を向いてリセットして楽しいことを考えたり、利益になる事をすればいい。それが一番、合理的なのは間違いないだろう。だが、我々は忘れないのだ。心に刻まれた傷は、そんなものでは埋まらない。もし、合法的かつ合理的に復讐をする機会が生まれれば…いや、合法的かつ合理的でなくとも、そのまま飛びつくだろう。それ自体が目的なのだから。復讐は何も生まない?誰も望んでない?ちがうな、復讐は感情を埋めるし、なにより「それを私が望んでいる」のだ。


 …話を戻そう。今回の襲撃により、多大な迷惑を被った。それはもう本当に。


 予定はキャンセルだし、警察と探索者協会の事情聴取だし、被害届はださざるをえないし、しかも襲撃意図は不明だし、肝心の犯人はやっぱり麻痺毒でそのまま病院行きだし。


 つまりだ。表彰されるっていうから家から引きずり出されたのに、襲撃はされるわ、警察に時間を拘束されるわ、このあとも当面この問題に関わらなきゃいけないわ、しかもその犯人は病院のベッドで寝ているわ。…あのさぁ、逆だろ普通。私たちが病院のベッドで、お前らが警察の拘置所とかで手続きやら尋問やらされるべき立場だろ。なんで逆なんだよ。ふざけんな。いや、私たちは尋問とか留置されてる訳じゃないけどさ。


 こっちには得もなければ、損しか無いんだぞ。このあと食べに行く予定の昼飯とか、ミミズ達のために暖房をどうするかとかを考える時間、その全てをアホのために、無為に消費させられているんだぞ?で、リターンなしだろ?せいぜい、民事で訴えての慰謝料と損害賠償請求だろ。そのために、手続きして手に入るのは、雀の涙ほどの金額にしかならん。


 無駄、全てが無駄で面倒くさい。そもそも関わりたくない。だが、示談にするには、腹の虫が収まらない。なぁ、こんなアホみたいな事ある?一方的に巻き込まれただけなのに、「じゃぁ苦労して頑張って後始末してね!(意訳)」は、なに?それが被害者のやる事なのか?本当に?終わり散らかしてるだろ。


 故にである。「こっちが迷惑かけられてるのに、なんでこんな事しなきゃいけないんだよ!ふざけんな!」と我慢の限界で爆発するのは、必然であった。


 「めんどくさい。」

 「あ、先輩がキレた。」


 ちなみに、神埼であるがご覧の通り既に復活している。そもそも一口付近で、残りは全部ふきだしてたし。…にしても回復が早い気がするが、もうなんていうか「でも神埼だしな…。」で納得できる自分が怖い。


 「こんな事につきあわさせられるんなら、あの場で倒すんじゃなくて、ダンジョンの中に誘導してモンスターに処理させた方がよかった。」

 「裏野さん、気持ちはわかりますが、それ犯罪なのでやめてください。」

 「まぁ、分からんでも無いけどね。警察でそれ言うのはやめてね?」

 「それ本当にやったら、君が犯罪者だからね…。」

 「分かってますよ。でも理不尽じゃないですか?」

 「気持ちは分かるけどねぇ…。」

 「というわけで、被害届は出します。まぁどうせ備品やらなんやら壊された、協会からも被害届でるんでしょうけど。」

 「それについては、一応まあほぼアレなんだけど、教えられないし、聞かないで欲しいかな。」


 まぁ、そうなるな。

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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