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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第5章 越冬準備と家から引きずり出されるニート(前編)

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よし、楽しく話せたな。

 「ぜぇ…ぜぇ…はぁ…。」


 あれから、数時間、タイルにタイルをぶつけて飛び散った破片を回収する仕事をしていた。ちょっとやそっとの力でぶつけるだけでは、全然削れないので、いちいちタイルを力いっぱい叩きつけては、その衝撃を腕に食らう。すぐに腕の力は無くなるし、痺れるしで散々である。


 自分の興味本位の事件なら、「まぁ、いいか、面倒くさい。」で放りだしたところだが、水流と土流のご所望である。実質、この二匹に活かして貰っている私としては、二匹が欲しがる限り、この作業をやめるという選択肢はありえない。なんとしても、必要量を確保したい。


 「ぜぇ…はぁ…ぜぇ…。」


 涼しくなってきたハズの秋…いや、もう冬間近にもかかわらず、額からは滝のように汗が流れる。眼鏡はしていたが方が良いのだが、とっくの昔に外している。流れる汗で前が見えなくなるのだ。


 「…休憩。」


 だが、当然、限界は来る。これだけ叩きつけて、出来た粉はほんのちょっぴりであるが、出来たものは出来たのだ。で、金属より硬いこの何で出来ているか分からないけど、一応食用可能であるこのタイルの粉を水流は一体、どうするつもりなのか。


 「…とりあえず、コレだけ出来たけど。」


 そう言って、水流に差し出す。ほんのちょっぴりだが、紛れもなくタイル粉だ。いや、これがタイルなのか知らんけど。見た目タイルだし、あの店の店員もタイルって言ってたし。


 水流はその粉を、風魔法で空中にほんのちょっぴり巻上げると、そのまま空中で粉を、風魔法で渦を描きながら薄く薄く伸ばしていく。やがて風魔法の円盤になった粉は、<<シュイイ>>と音を立てながら、凄まじい速度で回転を始める。…これってさぁ、もしかしてさぁ。


 <<シュゥゥゥ>>


 そのまま、空中の円盤がタイルに叩きつけられると同時に、タイルが真っ二つに切断され…ない!おそらく、これはエアジェットカッターだ。魔法を使って、再現したのか。あれだけ破壊できなかったタイルを切ろうとしてくれたんだろうが、流石にタイルの切断まではいかない。おそらくエアジェットの圧力が足りないのだ。これを切断するには工業的には50~100Mpa単位まで、空気を圧縮しなければならない。


 自慢のエアカッター?が、歯が立たなかったために水流もしょんぼりとしている。いままで紙や段ボールに、木材とかの加工やってくれてたけど、さすがにエアカッターでタイルは切断出来なかったようだ。


 「水流、エアカッターに粒子を混ぜて出力をあげてくれたんだろうが、それをするならエアジェットカッターの領域のレベルがいる。それだけの圧力をもってエアジェットを噴射するためには、ここらへんが真空になるぐらいに気体を圧縮しなくちゃいけないよ。それに、その手段にするならエアよりもウォータージェットカッターの方が、より効率的だ。」


 はっきり言って空気でタイルを切断するのが、もともと無茶だ。ついでに、ウォーターカッターについて捕捉してやる。


 「ウォッターカッターの方が、そもそも液体のほうが質量があるのと、エアーみたいに分散しないので、破壊力がある。そこに粒子を混ぜることで切断力を向上する事ができるが、工業的には『ウォータージェットカッター』っていうのがあって、…あー、これもダイヤモンドの粉を使ってたな…。」


 ちょっと関係ない話になるが、ダイヤモンドの粉末は現代工業ではいたるところに出てくるのに、どうしてヤスリのことになると忘れてたんだろうか。おそらく視野狭窄だったんだろう。


 「…あー、でだ。確かなー。ジェットのレベルまで速くしなくても確か、ウォータージェットをエアージェットで包むようにすれば、更に威力があがるんじゃなかったかな。詳しくは知らないんだけど。」


 そう言いながら、図を書いて解説してやる。イメージとしては、エアーのストローチューブの真ん中に、ウォーターカッターをレーザーのようにして通す。イメージしているのは、あのルーキーシュレッダーの水のレーザーだ。まぁ、あの程度の流速ではカッターとまではいかないんだけど。


 「ただ、あくまでカッターにするなら、そうだな。超高速の射出しないといけないけど、水は空気と違って圧縮できないから、とにかく加速させなきゃいけない。ただ、流体全体を加速させるのはかなり面倒くさいから、これを流体全体のスピードじゃなくて、分子レベルで超高速振動させれば流速がなくても…あー、つまりは、チェーンソーだな。刀は刃全体を振り下ろさないといけないけど、チェンソーの殺傷能力は刃先が回転することによって、その破壊力を生んでいるから——」


 これも図にして説明してやる。つまりは、刀身全体となる流速それ自体を加速させるのではく、刃先となる流体の分子粒子を高速で動かしてやる方が、簡単に切断できるという話をしている。


 「まぁ、これができれば苦労はしないんだけどな。実際にやるとしたら、かなりの精密動作が——」


 とまぁ、べらべらと水流に工学的な考え方を一通り説明してやった。水流はいつも私の話を聞いてくれるけど、この話はかなり興味を持ってくれたのか、じっくり聞いてくれたし、私もちょっと仕事モードみたいなのが入ったので、楽しく話せた。


 あんまりタイルの粉は用意できなかったけど、出来た分は土流にあげた。私が試してみる分までは確保出来なかったので、明日またなんか方法を考えよう。

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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魔法を使う知能の高い怪物に現代科学技術を教え込んだらやべぇと思うの…
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