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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第5章 越冬準備と家から引きずり出されるニート(前編)

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高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応する。

 「さて、裏野さんですが。裏野さん自身はどんな装備がいいと思いますか?」

 「あー。なんだ?中・後衛向けだろ?」

 「そうです。」

 

 神埼は戦闘スタイルが決まっていたから、簡単に考えられたが私の戦闘スタイルは定まっていない。欲しい職業の傾向は決まっているけれども、どうすれば取得できるとか、どの様に戦っていくかという展望は全く見えてない。自分の事が一番良くわからないんだよな。


 「うーん。防御は欲しいかな?近接戦闘になったら、耐えられる自信はない。」

 「そうですね。本来、そのようなシチュエーションは避けるべきですけど、どうしても近接戦闘を行わなければならない場面は存在してきます。神埼さんみたいに避けられれば良いんですが、裏野さんは近接戦闘で頑張るタイプではないですね。なので、その場合に防御力が欲しいという考えは、間違っていません。」


 どうやら解答としてはいまいちだったようだ。


 「うーん。神埼とは違って、私は戦闘スタイルが決まってない。魔法職か、それとも支援職を目指すかで、違ってくるんじゃないのか?あるいは、どちらにでも対応できるような前提職がある?」

 「もう一声。」

 「むむ…。そうだな…。」


 何も思いつかない。砂塚には何か見えているんだろうけど、一体何が見えているんだ?砂塚みたいに経験があれば、すぐに思い浮かぶんだろうか?


 「思いつかない。」

 「惜しいですね。まぁ、確かに明確な答えは無いんですけど、方向性はあります。お教えしますね。」

 「頼む。」

 「まず、前衛が神埼さんです。中・後衛となる裏野さんは、神埼さんの後ろから攻撃するには、神埼さんの邪魔にならない必要があります。槍や弓矢では、フレンドリファイアの可能性が高く、また格闘職との連携が難しいので、目指すべきは魔法職です。」

 「…なるほど、前衛との相性か。」


 あれだけ『相性』『適応』『条件』と言われていたし、自分でも言っていたのに、自分のことになると簡単に見落とすのは良くないな。


 「そうです。ですが、現状の裏野さんは魔法が使えないので、魔道具やスクロールの類で代替しましょう。今後は魔力訓練をメインにして、自分の魔力を自覚する所から始めるべきです。」

 「そうなると装備は?」

 「今からでも、魔力ブーストができる魔道具系一式。ローブやロッドの類に、ブースト効果がついたネックレスとかですね。効果や材質によってピンキリです。安いものだと、微々たる効果しかありませんが、今はその微々たる効果でも着ける意味があると思います。」

 「なるほどね。アクセサリーで底上げするのか。だが、それでも魔法が使えなかったらどうする?」

 「なので、ロッドとローブです。ローブなら、今の装備の上から羽織るだけで使えますし、ロッドは物理攻撃ができます。あぁ、まずそこからですね。魔法職メイン武器は、RPGでもおなじみのワンドとロッドがあります。日本語に言い換えると全部杖なんですけど、ワンドは魔法を使うことのみを考えて特化したもので、ロッドは物理攻撃にも使えるような設計になってます。」

 「なるほどね。つまる所の『汎用性が高い』って事か。」

 「そういうことです。」


 理解できた。だからロッドとローブなのか。初期投資を抑えつつ、他への転用が可能。それで魔法が使えるようになったら、改めて特化の装備に更新すればいい。しかし、ロッドか。自分が実際に使う側になるとは、思ったことが無かったな。


 「今ある棍棒はどうする?」

 「裏野さんには、若干使いづらいんじゃないですか?」

 「…そうだな。振り回すだけで疲れるんだ。」

 「腕力が無くて、腹筋が足りなくて、それから腰回りのインナーマッスルも不足してるからですね。ですが、ワンドを使う以上は棍棒が使えるようになれば、棒術のノウハウが共通して使えるので、普段は棍棒も使って鍛えてください。」

 「棒術か…。」

 「えぇ、使っている棍棒は短いですしこれから使うのはロッドなので、正確には短杖術になります。近距離は戦闘は、短杖術に絞って覚えることで、他のリソースを魔力訓練にまわしてください。」

 「分かった。」


****************************


 大体の装備候補が絞れたところで、実際に探索者協会の直営店の店頭でいろいろな装備を実際に確認する。まずは神埼の装備からだが、近接格闘用のガントレットは、割と珍しい装備だ。重装備のタンク用のプロテクターとは目的が違う。もちろん、防具としても機能しなければならないがあくまで武器なのだ。


 「ようするに籠手だろ、ガントレットって。」

 「そうですね、その認識は間違っていません。手の甲から手首にかけてのプロテクターですね。神埼さんの場合は、単純な格闘・打撃に向いたものがいいので、鈎爪が着いたようなやつは避けましょう。」

 「そうなると、この辺のは全部駄目だな。ウォー◯マンみたいだ。」

 「ベ◯ークローですね。当然却下です。」

 「二人が何言ってるのか、全然分からないよ…。」


 まぁ、そうだろうな。だが、一応真面目な話なんだ。これでも。


 「コレなんてどうだ?ダンジョン産金属とカーボンの組み合わせ。」

 「良いですね。硬化のエンチャント付きですし、耐久力はバッチリです。重さはどうですか?」

 「軽いな。下地がカーボンだからかな?」

 「神埼さん、試しにつけてみてください。」

 「大丈夫なの?」

 「大丈夫ですよ。着けるだけなら…って、もう着けてますね。」

 「んー、ちょっと違和感?でも、とっても軽いよコレ。」


 それを見て、店員が近づいてくる。


 「試用されますか?」

 「えっ試用できるの?」

 「はい、こちらのスペースに、サンドバックがありますので。打ち込んでいただいて大丈夫です。命を預ける装備ですからね。実際に使って確認していただければと思います。」

 「なるほど!」


 …大丈夫かな。サンドバックだから大丈夫だよな。…たぶん。 

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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