表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
プロローグ 玉砂利の来訪者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/74

もしかすると触手の方が賢いかもしれない。

 同居人は、『水流(みる)』という名前を気に入ってくれたようだ。これからよろしくね。愛称は『るーちゃん』にしようかと思ったけど、「その愛称で普段から呼ぶのか?」と考えた時に、自分で呼ぶのはちょっとな…となった。まぁ私は普段は、()()と呼ぶか。その当人…当触手?はクーラーボックス水浴びをしている。私もあとで、水でも浴びようかな…。


 ところでだ。


 「そういえば、アレどこやったっけ。」


 水流がクーラーボックスから飛び出てまで、見つけた石。拾った後、確か机の上に置いておいたハズだ。…あったあった。自然の石にしては形がととのった、水晶のような石だ。正体がわからないので、ネットで調べてみる。


 うーん。石で調べているけど、それらしい石がでてこないな。水晶ほど透明ではないんだよな。そもそも形が綺麗すぎる。宝石の類でもなさそうだし、一体なんの石かな。まぁでも石の正体が判明したところで、どうするってのもあるんだけど。石が沢山紹介されているウェブページなんかをみても、それらしい石は見当たらない。…そもそも自然石じゃない?人工物?


 「そういえば、そもそもなんで水流はこの石に反応したんだ?触手がただの石に反応する?いや、そんなことはないな。…触手(一応モンスター)が反応する?もしかしてこの石に、魔力がある?」


 可能性はある。となると石で探してもでてこない。『魔石』で探索者協会のページを、調べなければならない。残念ながら私には探索者の素養がないので、魔力なんかを感じる事ができないのだが。…探索者協会のページを開いて『魔石』で検索する。


 「…あぁ、やっぱり魔石なのか。」


 どうやらこの石の正体は魔石の一種らしい。どの種類までかは分からなかったが、見た目がそっくりだ。ほぼほぼ魔石であるのは間違いなさそうに思える。


 「…で、だから何なんだ?」


 魔石をひろったところで、使い方もわからなければ、探索者ではないのでそもそも売却もできない。つまり処分方法がない。ただの一般人が持っていても、あまり意味がない。時間をかけて調べても、結局「たぶんそうだろう。」ということが分かっただけで。特になにもない。多少の知的好奇心が満たされるだけだ。


 「…あれ?なんで魔石が、裏庭に落ちてるんだ?」


 まぁ、どうでもいいか。…そんなことを考えると、触手がまたクーラーボックスから顔を出してきた。今度は飛び出さないでくれよ。まだ新聞紙敷いて無いんだからさ。…そう思って触手を見ていると、こちらを向いたまま動かない。…何かを伝えようとしている?


 「ん?なにか用でもあるかい水流?」


 そう尋ねると水流は左右にその体を揺らす。やはりなにか用があるようだが。何を伝えようとしているのか、まったくわからん。


 「…すまん。ジェスチャーじゃわからん。」


 そう言うと、私の言葉が伝わったのか、力なくクーラーボックスに戻っていく。やっぱ水流も、ただの触手じゃなさそうなんだよなー。どう考えても知性があるんだよな。


 下手すると私より賢いかもしれない。

別の作品もあります。よしなに。

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ