「なんとかなれ。」ではなく、「なんとかする。」んだよ。
「で、これが噂のシマシマか?」
「そーっすね。討伐した探索者曰く、これが触手を操って魔力を湖に供給してたららしいっす。」
「…気持ち悪いな。」
「持ち込まれた直後は、もっと気持ち悪かったっすよ。緑の体液がでろでろと流れてたっす。」
「やめろ。夢に見るだろ。」
探索者協会の資料室は、葦附ダンジョンに出現したというモンスターの死体を調査していた。今まで他のダンジョンも含めて、既出のどのモンスターとも違う新種の疑いがでているだけではなく、極めて危険なモンスターである可能性がある。
「緑と黄緑のシマシマ…まるでロイコクロリディウムみたいっすね。」
「あぁ、大きさも中身も別物だがな。その上、黄色の単眼だ。討伐の際に激しく損傷しているが、かなり大きいな。」
「既存DBに一応照会かけてるっすけど、たぶん新種っすよ。」
「まぁだろうな。俺も見たことがない。」
「にしても、内臓もいくらか潰れてるっすね。」
「討伐の際に棍棒で叩きつけたっていう話だ。討伐者本人から聞いているから間違いない。」
「棍棒ごときで討伐されるほど、弱かったんっすか?」
「詳しくは知らん。」
あの俗称シマシマの解剖が進められているが、やはり損傷が酷い。まぁこのようなモンスターを討伐して解剖のために丸ごと持ち帰るというのが、かなりの例外ではある。基本的に研究目的以外では食材になるとか素材になるとか、つまりアイテムとしてみなされない限りは基本的に持ち帰られる事はない。まぁ、食材になるモンスターが多いのも確かであるし、割とどのモンスターも一度は「食べれるかも?」と検証ぐらいはされてはいるのだが。
だが、見た目が大きなロイコクロリディウムもどきを、食べようとする者はいないだろう。流石に。
「で、これが魔石か…どす黒いな。」
「一般的な魔石は、透明だったり色付きでも半透明だったりっすけど、これは…本当に魔石っすか?」
「魔力反応があるから魔石でよさそうだ。」
「重油のように真っ黒っすよ。気持ち悪いっす。」
「ただ、グレードは高いぞ。」
「そっすね。よいエネルギー源にはなりそうっすね。使うのが怖いっすけど。」
「それより、なんかわかったか?」
「まぁ、この根本から神経を宿主に打ち込んで、支配してそうってのは見たらわかるっすけど。それ以外は微妙っすね。体液は分析中っすし。」
「まぁ、これだけ損傷が激しいとなぁ。」
「で、結局なんなんっすかねコイツ。」
「それを調べるがお前の役目だ。がんばれ。」
「うへぇ。」
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「早急に葦附ダンジョンを調査します。」
「まぁ、そうなるか。」
「なります。」
「だが、どうする?その探索者と葦附の職員…砂塚って言ったか?その二人の言う通りだと、奥になにが潜んでるか分かったもんじゃないぞ?湖が後付の人工的な施設なら、この先もやっかいだぞ?」
「ですが、最低でも2階層は早急に制圧するべきです。」
「それは同意だ。クエストも発行して、大規模に投入しよう。だが、その先はどうする?」
「このまま例の探索者に探索してもらうのが良いかと。」
「裏野…だったか?」
「はい。」
「ふむ、特異体質ね。今回の功労者でもある。…でも新人だぞ?」
「ルーキーシュレッダーの群れを根こそぎ討伐できる人材です。」
「物は言いようだな。だが、協力してくれるか?」
「させてみせます。」
「そううまくいくかねぇ…。」
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「あー、水流、そこまで追い詰めなくても…。」
追い詰められた触手は、「触手はもう駄目です。」みたいな感じでただひたすらにふるふると震えている。まぁもう見た目、小さなヒトデみたいな感じで小さくなってるし、戦闘能力はほとんどなさそうだ。いつどうやってウエストポーチに入り込んだのか分からないが…。まぁこの大きさなら、いつでも入れるっちゃ入れるか。
一方で、今の水流ならば、問答無用に叩き潰せるハズだ。なので、おそらく、本気で追い詰めてはないとは思う。土流の時はかなり友好的に会話?…あー、コミュニケーションが出来ていたので、もっと穏便に話をすることもできるはずである。
何らかの理由があって、この状態になっている訳だが、流石に触手同士で何をやり取りしているのかは、私にもちょっとしか分からない。いや、ちょっとでも分かるんかい。前に、水流と土流が対話していた時は全く分からなかったので、かなりの進歩ではある。…この超特殊技能の使い道が、自宅でしか無いとしてもだ。
まぁ、とりあえずそういう理由で、この場で修羅場が勃発することはないだろう。
「水流、とりあえず面倒見てもらっていいか?少し休みたいんだが。」
とりあえず私もう疲れた。後は触手同士でなんとかしてくれ…頼むから。
別作あり〼
愛用のクッションがどうもなにか変
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青空設置しました。
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