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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第4章 第二階層の秘密

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ポーションの味はほんのりいちご味。

 「げほごほごほがはっ<<ゴッ>>…痛ァ!!!」


 息ができなくて飛び起きる。盛大に咽せながら、口の中から液体が溢れるのを感じる。…と同時に、顔を何かに強打する。<<ゴッ>>と鈍い音が響いて、顔面が痛い。ドッチボールのボールを、二連続で顔面に食らったみたいな感じだ。…なんだその微妙に伝わらない表現。


 「あっ起きましたか、MVP。」

 「…頭痛いし、死ぬほど怠い。」

 「無理もないですね。ほら、ポーションです。飲んでください。」

 「…コレが噂の。」

 「ちょっとした怪我・体力(HP)の治癒と、若干の魔力(MP)補充が可能なものです。腹部と頭部が心配なので、がぶ飲みしてください。お代は気にしなくていいですよ。MVPですから。」


 ポーションの存在は知っていたが、若干高いので私は持っていなかった。砂塚が持ち込んでいたんだろう。ちょっとした怪我なら飲むだけでみるみるうちに治癒する、ダンジョン時代の定番不思議アイテム。高いグレードになると、骨折や致命傷にも効果があるが、お値段も当然とんでもない。調合したり、ダンジョンの宝箱からでるアイテムだし、探索者だけではなく全国どの治療機関に始まり、経営者や政治家も誰もがどれだけでも欲しがるので、必然お値段がそれなり。現代医療が不要になった訳ではないが、お金があるならポーションで治す…そんな時代だ。


 渡された数本のポーションを、値段を気にしないでがぶ飲みする。…飲んだ本数でいくらになるとか、一本ぐらい飲んだふりしてもいいよねとか、この場合は考えてはいけない。実際腹部のダメージが心配なので、あるだけ飲み干す。ポーションは、ほんのりいちごの味がした。…ポーションにも味があるんだな。


 …そういえばさっき吐き出した液体ってもしかして?あぁ、そうだ。床に溢れた液体はほんのり赤色をしている。起きた時に口の中に入っていた液体も、やはりポーションだったようだ。もったいないが…まぁ飲み込めという方が無理だろう。窒息するわ。


 周りを見渡すと、既に隠し通路ではなく湖が見える。意識を手放している間に神埼と砂塚の二人に、第二階層入口付近まで運ばれたみたいだ。あれだけバカスカと放たれていた水魔法は、ぴたりと止まっていた。ギリギリ間に合ったようで、坂道はかろうじて原型を残してる。これならまだ通れるだろう…にしても、酷い有様だ。


 「…魔石。」

 「どうしましたか?」

 「いや、なんでもない。」


 水の中に沈んでいった魔石があったように思えるが、もはや回収出来ないだろう。それに今ここでいうよりも、どうせ探索者協会の事情聴取がまってるだろうし、その時でいい。どうせ砂塚と一緒に、全部報告するだろうし。…また、目立つな。だが仕方がないか。


 「とりあえず…水浴びしたい。」

 「駄目ですね。湖から撃たれる魔法は止まりましたけど、モンスターが死んだわけではないので。それに、まだ動ける状態じゃないでしょう。」

 「ボス個体は?」

 「おそらく魔力切れです。沈黙しています。」

 「…では、今のうちに地上にあがるべきでは?」

 「問題ありません、既に手配済みです。協会の救助部隊がまもなく到着しますから。」

 「そうか…。」

 「なので、気にせず大人しくしててください。」

 「…そうする。」

 

 とりあえずなんとかなったが、コレで事件解決という訳じゃない。いろいろといろんな問題が残っているが、とりあえず地上に帰るべきだろう。っていうか帰りたい。帰って水流と土流とゆっくりしたい。探索としての初戦闘が、こんなハードモードってどういうことだよ。一歩間違えば、内臓ぶちまけてたし、やっぱリスクとリターンが見合わない。理不尽がすぎる。


 …でも、今更他の仕事出来ないしなぁ。


 というか、社会に戻りたくない。社会には絶望的に向いてない。ダンジョンの理不尽さと、社会の理不尽を比べると、残念ながら社会の理不尽さの方がよほど堪える。


 「…そういや神埼は?」

 「地上に応援を呼びに行かせました。私は念の為待機ですね。怪我人が多いので。」

 「あぁ…周りに倒れていた探索者か。」

 「今のところ全員大丈夫です。」

 「そうか…。」


 本当にひどい目にあった。裏庭でハーブいじったり、プライベートダンジョンで魚釣りをしている方が性に合っている。…もう少し寝るとするか。


 …そう言えば、起きた時、顔にぶつけたものって何だったんだ?


 ………

 ……

 …


 「(…寝ましたかね。今日は意識を手放してばっかりですね。無防備です。…まぁ、無理もありませんか。初というか、二回目のちゃんとした戦闘経験がアレなのは本当に運が無いというか、なんと言おうかって所ですか。まぁついてるんですかね。いろいろと。…それから、緊急時とは言え、口移しでポーション飲ませてたんですけどバレなくて良かった。)」


 砂塚は周りを警戒しながら、怪我人の様子を観察する。今のところ全員、命に別状はない。


 「(はぁ、せっかくいいところを見せようと思ったんですけどねぇ。ルーキーのハズなのに、神埼さんも裏野さんも無意識にスキル使ってますね。…そう遠くないうちに追い抜かされそうです。探索者としてぐらいしか、お二人に良い所見せられないのに、悔しいですね。私も頑張らないと。…帰ったら日本酒でもあけましょうかね。はぁ…。)」

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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