表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
プロローグ 玉砂利の来訪者
11/67

昼間からにんにくを食べたって問題ない。仕事をしてないなら。

 粘液の処理はなんとなった。少ししつこかったが、まぁたぶん大丈夫だろう。次からはクーラーボックスの下に、新聞紙かなにかを敷いてやったほうがいいかな。そんなこんなで、触手に引っ張りまわされていたら、いつのまにか午後1時を過ぎている。起きてから何も食べていない。適当に朝食…もう昼食か。でも食べよう。だが、なぜだか、無性に腹が空いた。


 作るのは面倒だが、こういう時には無性に、ペペロンチーノが食べたい。


**************************


 ケトルに1Lの水をいれてスイッチを入れる。その間に、戸棚から「パパー」の1.6のスパゲティを1束。「コボス」のエクストラバージンオリーブオイルを取り出す。カウンターに、盛り付け用の深皿を用意して、その上に、パスタ用のトングと、炒め様の竹ヘラ、それからお玉を準備。


 コンロには、炒める用のフライパンと、パスタを茹でる用の鍋を置く。無論置く前に、一度水洗いをして、フライパンの方は水気を拭き取る。


 冷凍庫から、乾燥にんにくのスライスの袋と、乾燥唐辛子を一本。調理用のハサミで、唐辛子の両端を切り落として、今回は種は捨てる。残った唐辛子をフライパンの上で、ハサミで輪切りにしていく。にんにくを袋からお好みの量を…今日は沢山、フライパンへぶちまける。この時、香りを出したいならにんにくを指で砕いておく。今回はそのままだ。


 そこまで準備したら、フライパンにオリーブオイルを好きなだけ。あとはお好みで。今日は「S&S」のローズマリーとバジルを少々、それからパセリをいっぱい。イタリアンパセリは在庫切れのため、普通のパセリをぶちまける。オリーブオイルは最低でもにんにくが浸るように。なお、多少多い分には問題ない。入れろ。それだけ入れたらフライパンに火をつけて、一番弱い火加減に調整。必ず、にんにくとオリーブオイルを入れてから、火をつける事。


 フライパンで火入れしてる間に、鍋に大さじ1~1.5の塩を投入。これはパスタと水の量にあわせて調整すること。さじに塩がくっつくようなら、その分量も考慮したほうがいい。このときの塩が、ペペロンチーノの塩加減を決める。少ないと薄いし、多いとしょっぱくなる。分からないようなら、最初は大さじ1で試して、塩加減を微調整した方がいい。目安は海水より甘いぐらい。それが終わったら、調理用ハサミを洗って片付け。それぐらいの時間は大丈夫。


 続けて、フライパンでにんにくを煮る。火は絶対に強くするな。そうしている間に、にんにくが焦げる前に、ケトルのお湯がわくので、そのままお湯を鍋に投入。こっちは強火にして、ぐつぐつわかせ。ケトルで一旦わかしているので、そのまますぐに沸騰した状態を維持できる。鍋の塩がちゃんととけているか確認したら、そこにパスタを投入。トングで少し混ぜたらあとは放置。


 そうこうしていると、夏場ならフライパンのにんにくが焦げ始めるので、火を止める。前兆を見逃すな。油が「ふつふつ」してる場合は温度が高すぎる。このときのオリーブオイルはあくまで「温める」程度でいいのだ。火を止めても、予熱でにんにくは勝手に揚がる。パスタなんてほっておけ、そんなものよりにんにくが焦げるほうが早い。ペペロンチーノを作るときは、にんにくと火加減から目を離すな。


 もし、それでもフライパンの温度が高すぎるようなら、お玉で鍋から茹で汁をすくって、フライパンへ投入。あとでどうせ、フライパンの底が全部お湯になるまで入れるのだから、このタイミングでやっちゃってもいい。そうすれば、お湯以上の温度にはならないって寸法。


 パスタをトングでつかんで茹で具合を見る。このあとフライパンで追加で熱がはいるので、芯がありすぎても困るが、茹ですぎるのもだめだ。指でパスタを折って、中身を確認する。分からなければ、かじればいい。多少かたいぐらいで問題ない。鍋の火を止めて、トングでフライパンにパスタを上げる。その後、お玉で茹で汁を更に追加してやる。量は適当。多ければ煮詰めればいいし、少なければまた足せばいい。


 今度はフライパンを中火にして仕上げていく。この時、竹ヘラで少しだけ混ぜてやる。だが、絶対にパスタを空中に浮かしてはいけない。にんにくを煮る工程は、「いかに優しく火を通すか」だったが、パスタをいれてからは、「いかに熱を逃さないか」だ。つまり、フライパンで追加でパスタを茹でているのだ。なお、この時フライパンで熱を通している間に、トングとお玉を洗って片付ける。ちゃんとぬめりが取れたか確認するように。


 ペペロンチーノの加熱具合は、麺を竹へらでフライパンの半分にやったときに、パスタがオイルで流れて来ないかを目安。煮詰めるのが弱いと、片側に寄せたパスタがフライパンいっぱいに広がるし、にんにくがオイルを泳ぐ。オイルと茹で汁が混ざってはじける時の「ぱちぱち」という音を聞けば大体の加減がが分かる。これがジリジリいうようなら、茹で汁が不足している。パスタをフライパンの半分に寄せても、流れてこないぐらいでOK。


 深皿にパスタを盛り付けたら、上から粗挽き胡椒をかけて完成。


 なお、この時、シンクに竹ヘラを。フライパンには、鍋の茹で汁を投入。空になった鍋の方には少し水を入れて、コンロにそのまま置いておく。こうしておくと、食べ終わった頃に、洗うのが簡単だ。オリーブオイルとパスタのネバつきをお湯で流し洗うための、準備と思ってもらっていい。食後に食器とともに、お湯で油を流すのだ。あとは、普通に洗えば、簡単に片付けができる。


**************************


 ずぼら流、ペペロンチーノの完成だ。こうやって作ると乾燥のにんにくスライスでも、茹で汁をすって、シャキシャキって感じがでる。多少、にんにくが多くったってかまわない。ペペロンチーノは、にんにくが命だ。にんにくとパスタがうまいからうまいのだ。面倒だが、比較的簡単につくれて、オリーブオイルでしっかり食った感がする。作り方も定型化しているので、脳死で作れるのもポイントだ。肉や野菜の準備も不要なのがいい。


 昼間からにんにくをたっぷり食べても、問題ない。外に出ることもなければ、人に会うこともないのだから。


 そう、何も問題はない。

飯テロ回。昼間からにんにくを食べる喜びと悲しみ。

次回 さっさと名前をつけろ


別の作品もあります。よしなに。

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ