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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第4章 第二階層の秘密

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想定はしていた。ただし、対応できるとは言ってない。

 砂塚が猿のモンスター二匹を、華麗に一蹴した後、私達は葦附のダンジョンを出ることになった。本来三・四階層でも、もっと奥に出るはずの猿のモンスターが入口付近に出現している。もちろん、葦附のダンジョンはまだ調査中の事も多いし、猿のモンスターもそれほど脅威という訳でもない。が、「異変が起きているかもしれない」という点が問題なのだ。


 以前、これらの異変を見逃した事によって、スタンピードが起きたり、階層間のボス移動が起きたりして、めちゃくちゃになったダンジョンが存在する。葦附がどの状態になっていれば、『普通』であるかのデータも少なければ確認も取れていないが、モンスターの分布の変動は十分に退避理由になりえる。…よって、私達は砂塚の指示で、直ちにダンジョンから退出する事になった。


 これから…といったところで追い出された上に、私は魔石をまだ1つしか入手していなかったので、完全に赤字である。神埼はまぁまぁの量の魔石を入手しているので、赤字にはならないだろう。結局ちゃんとした戦闘も1回しか経験出来なかったし、予定はめちゃくちゃだ。


 そうして第二階層の入口…つまりは例の湖まで戻ってきたのだが…。


****************************


 「いますね。大量に。」

 「通れそうか?」

 「たぶん横を通ろうとした瞬間、集中砲火ですね。」


 湖のモンスター、つまりは『ルーキーシュレッダー』が大量に復活していた。埋め立てた部分は問題ないが、湖の近くにあったフェンスなんかは、穴だらけになっている。砂塚を先頭に、やや遠くから様子を伺っていたのだが、大量の水魔法の釣瓶打ちによって吹き飛ばされた数名の探索者が、湖の近くで気を失って倒れている。倒れている探索者の装備には見覚えがある。前にもこの湖で、これでもかこれでもかと、ルーキーシュレッダー狩りを行っていたグループに間違いない。


 「どう考えても、ボス個体がリポップしたとしか思えません。もちろんそれも想定されていて、リポップしても問題ないように電撃装置が置いてあるはずですが…。あー、見事に破壊されてますね。蜂の巣になってます。」

 「通るだけならできるよ?」

 「言うと思いましたが、却下です。神埼さん。」

 「だって、あの水弾、のろくない?」

 「神埼、あれは普通よけれないんだ。見ろ、あこにシールドの破片がころがっているだろ。正面から受け止めたけど、衝撃で破壊されたんだ。」

 「あ、本当だ。」


 前に釣り上げた時も、神埼は華麗なステップで水魔法を躱して踏み潰していたが、あれは普通の人間には不可能だ。そして、普通の人間の結果が目の前に倒れている探索者達だ。顔も名前も分からないけど…。


 「どうする砂塚?」

 「すぐに地上に戻りたいですが、突破できそうにないですね。一匹や二匹の魔法ならともかく、あのマシンガンみたいな水魔法の弾幕を越えていける気がしません。」

 「周りに倒れてる探索者だけでも救助は?」

 「やるべきですが、ミイラ取りがミイラになるだけですね。あれは要救助者という名前の疑似餌…いや友釣りですかね?」

 「なら、放置だな。」

 「えぇ。薄情と言われそうですけどね。ただ、怪我人ですが、下手すると頭蓋骨が陥没してたり、脳出血してたりするかもしれないので、長い事放置するのも危険なんですけどね。」

 「引きずって退避させるだけならできるよ?」

 「出来たとしても、一人行動は禁止です。練習はしてなくても、スリーマンセルで行動すべきです。分散すれば、各個撃破されるだけですよ?あと下手に怪我人を動かすのはNGです。」

 「そうなんだ。」


 そう言って、砂塚は神埼が暴走しないように後ろに待機させる。そうして、私と二人で現状取り得る手段の相談を始める。どう考えても探索者としての、知識や経験は砂塚のほうが圧倒的に上だから、私と相談する必要は無さそうに思える。その事を指摘すると、「それでも、一人で考えるより二人で考えた方が、絶対に良いはずです。」…という事らしい。


 「あんまり試したくないんですけど、裏野さんなら湖を突破できるかもしれませんよね?」

 「私がルーキーシュレッダーから、攻撃を受けなかった話か?」

 「えぇ、かといってぶっつけ本番で試す気にはなれません。最終手段程度で考えてください。」

 「分かった。ところで砂塚が使えるスキル、あるいは魔法で打開はできそうか?」

 「探索者が普通に使うレベルのものしか、私は使えません。電気魔法や氷魔法みたいなものなら、この状況を打開できるかもしれませんが、応用魔法の分類なので私には使えません。基本四属性と、強化魔法なら使えます。」

 「スピード・ブーストってやつか?」

 「えぇ、あれが強化魔法です。他にもありますけどね。」


 なるほどね。あれが強化魔法か。


 「つまり、対集団で使えそうな魔法が無いんだな?」

 「火魔法と水魔法なら。ただ、アレには効果無さそうなんですよね。」

 「同感だ。…もしかして、あの魚。あの猿より強い?」

 「というよりも、ボス個体が強いが正しいですね。」

 「なるほどな。…なぁ、砂塚。あの湖、やっぱりなんか変だな?」

 「えぇ、近い内に湖底の調査予定でした。」

 「前から気になってたんだ、どう考えてもレベルデザインがおかしい。あの湖だけ後付みたいなって、ずっと思っていたんだ。」

 「後付ですか?」

 「あぁ、湖自体はダンジョン的に違和感が無いんだが、実質アレ、関所みたいなもんだろ?存在が、どうもダンジョンに都合が良すぎるよなって。」

 「なるほど。そう言われればそんな気もしますね。」


 砂塚と相談している間にも、大量の水弾が湖からじゃんじゃかじゃかと坂道に向かって連射されている。坂道の端が欠けて崩れ始めるのも時間の問題だろう。早いとこなんとかしないと、崖に戻ってしまうかもしれない。…いや、もしかして、アレ、崖に戻してるのか?そんな気もしてくる。そうなると、かなりまずいかもしれない。

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

https://ncode.syosetu.com/n4475kl/


青空設置しました。

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