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触手 in クーラーボックス(仮)  作者: 一級フラグ建築士
第4章 第二階層の秘密

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結論が先で理論が後。行動が先で考えが後。リスクが先でリターンが後。

 散々第二階層を歩き回ったが、特に収穫は無かった。今は坂道になって楽に通過できるようになった湖の向こう側は、トミヨニとアシツキノリモドキが溢れる第一階層となにも変わらない。…あぁ、地形は理不尽な程に険しくなったけど。おかげで、買った靴が大活躍してくれた。ぬかるみでもすべらないし、水の中でも平気で進める。尚、普通の靴で私より速く歩いていた、行動力の化身もいる模様。


 第二階層で目立った収穫はなかったので、第三階層は先発探索者の情報がそろってから攻略するべきだと思う。…が、ここで神埼と意見が分かれる。


 「いままで禄に探索されてなかったですし、クエストもでてるんだから積極的に未探索エリアに挑戦するべきでは?」

 「いや、リスクが取れない。初心者の私達だけで挑むのは無理だ。」

 「行ってみなくては分からないハズです。」

 「分かった時点で詰みだったらどうする?」


 行動力の化身の神埼の意見は、それはそれで間違ってはいない。リスクを取ってリターンを得るのが探索者だ。だが、私はそんなリスクを取るつもりはない。探索者をやっているというポーズさえあればいい。確かに、過去の探索資料にあるように、『サクラサーモンモドキ』が出たらしいという階層までは進みたいが、「急いては事を仕損ずる」だ。誰かの攻略情報を元に、安全と分かっているルートを後ろから確実に攻略して、リスクを低くする方が良い。


 「低層ならまだリスクは少ないです。何も中層や深層に向かうわけではないですし。」

 「ルーキーシュレッダーみたいなポイントが、この先に無いとは限らないだろ?」


 そう、今は湖の一部を埋め立てたからこそ安全になっているが、あの湖は異常なポイントだ。あの湖を除けば、第一階層と第二階層の攻略難易度は、地形の難易度でしかない。そもそも攻性モンスターが出現していない。トミヨニもモンスター扱いだが、所詮小魚で無抵抗。つまり、ノンアクティブだ。一方でルーキーシュレッダーはアクティブだった。


 地形の難易度もダンジョンの難易度ではあるが…モンスターが危険かどうかのほうが、ダンジョンの難易度では考慮上大きなウェイトを占める。トータルな難易度で考えれば、葦附の第一階層及び第二階層は難易度がほぼ無い。むしろあの湖が後付とも思えるぐらいに、レベル設計が乖離しすぎている。


 「…では、私達だけではなく、上位の探索者と一緒ならどうですか?」

 「そんな知り合いはいないだろう。」

 「いますよ。砂塚ちゃんです。」

 「…そういえばCランクだったか。」


 なるほど、「初心者だけなら駄目!」ならば、「Cランク探索者と一緒なら?」か。確かに、初心者だけではなくなる。だが、問題はそれだけではない。…っていうか砂塚ちゃん?ちゃん付け?


 「特殊な装備やスキルが必要だったら?」

 「それぐらいの情報は、明日にでも分かるんじゃないです?」

 「即席パーティーで行動できるのか?」

 「これまで、何回か一緒にトミヨニを調理してきてまだ仲良くないと?仕事でも一緒だったじゃないんですか?」

 「…そうだな。私と砂塚は大丈夫だ。だが、神埼と砂塚で行動できるのか?」

 「大丈夫です。ちょくちょく一緒に遊んでますので。」


 いつのまに仲良くなったんだ…。なるほど、ちゃん付けで呼べるぐらいには仲良くなっているのか。まぁ一緒の仕事してたし、共通の話題はいくらでもあったか。…行動力の化身と、酒クズVTuberの組み合わせに不安が無いことはないが、確かにCランクの砂塚が一緒に行動してくれれば、心強くはある。問題は砂塚が、探索者協会の職員ってことだが。


 「砂塚の担当ダンジョンだけど、協会の職員が潜っても大丈夫なのか?」

 「確認済みです。探索者としてルーキーの指導も協会職員の仕事だし、スタッフが急に増員されたとかで、一緒に潜っても良いそうです。」


 なるほど、最初から砂塚を連れ出すつもりだったか。やられた。こうだから駄目!といった手前、解決策を提示してきたら断りづらい。しかも、事前に確認をとっている。これ、神埼だけの考えじゃないな。だれか入れ知恵をしている。たぶん、というかほぼそうだろう。酒クズのくせに有能なヤツの入れ知恵だ。


 「Cランクの協会職員さんが、ルーキーの指導をしてくれるそうです。断る理由ありますか?」

 「まいった。降参。」

 

 つまりこれは、結論が変わらない問答だ。おそらくそういう面では私より有能な砂塚が、事前に神埼にいろいろと対抗策を準備させている。つまり、結論は覆らない。私を如何に説得するかのゲームでしかない。つまり、抵抗すればするだけ他の言質を取られる可能性がある。これ以上傷が深くならない様にするには、早々にゲームを降りるしか無い。


 「では次の探索では、砂塚さんと一緒に第三階層でよいですか?」

 「それでいい。」


 だがそれ(私からの言質)を、神埼の意思で引き出していないのは明白である。ストレートに来る神埼と、策謀を巡らす砂塚。…まるでお手玉のボールになった気分だ。

別作あり〼

愛用のクッションがどうもなにか変

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青空設置しました。

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