梅ノ木、ひとつ。 作者: 猫庭 月尋 掲載日:2026/05/08 玄関を開けると、細い枝に白い花を纏った梅の木ひとつ。 春が来る。 ばあちゃんが言っていた。 この梅の木はじいちゃんが植えたのよ。 父さんが言っていた。 この梅の木はずっとここにあるよ。 母さんが言っていた。 この梅の木は貴方の成長を見守るよ。 姉さんが言っていた。 また梅が咲く頃に帰ってくるわ。 妹が言っていた。 この梅の木ともお別れだね。 私は知っている。 梅は香り誘い家族が集まるのを待っているの。 はやく、みんな、かえっておいで。