記憶喪失2
今、私はFPSをしている。
雫と竜はバイトで忙しそうだから1人でだ。
久しぶりのソロランクだ。
いつもはお荷物組と一緒にやってるからキャリーしないとって思ってたけど1人だとそんな事考えなくて済むな。
私は早速試合を始める。
「まだこのソロアカウントのランクは回してなかったからな。雑魚狩りの開幕じゃ!」
~数分後~
……めちゃくちゃ初動狩りされるんだが?
※初動狩りとはバトロワ系のゲームで試合開始し地面に降りる場所を被せられ倒されるというめちゃくちゃ腹立つ行為である。(作者はしたことがある人)
最近別ゲーをしまくってたからかこのゲームの実力がかなり落ちてしまったみたいだ。
しょうがない、実力を取り戻すためにも今日は何時間もプレイしてやる。
~2時間後~
……芋スナ、初動狩り、角待ちショットガン、お祈りグレネード、コンバーター、多すぎだろ!
※芋スナとは遠くで隠れてスナイパーライフルという長距離を狙う武器を使う人のこと。(正直おもんない)
角待ちショットガンとは部屋の隅に隠れてショットガンという近距離で扱う武器を使うこと。(遊びでやる分にオッケー。やられるのはゴミ)
お祈りグレネードとはほぼまぐれで爆発系の武器を直撃させること。(運のせいやからかなりうざい)
コンバーターとは本来パッドにしかないエイムアシストという攻撃を当てやすくなる機能を元々攻撃を当てやすいキーボードとマウスに適応させる機器を使う規約違反者のこと(作者は使ったことあるけど対人ゲームでは使った事ないよ。長文ごめんね)
「うぎぃぃぃぃぃぃ。頭がおかしくなりゅゅゅ!」
このストレスをどう発散しようか。
ストレス発散するためにはゲームをするしかないがそのゲームでできたストレスだからな。
私は一旦落ち着くために辺りを見渡す。
本、散らかってるな。
仕方ない、片付けるか。
その前に何か飲もう、喉乾いた。
私は部屋を出ようとドアの方に向かうと落ちていた本で足を滑らせそのまま頭をぶつけ気を失う。
私は目を覚まし起き上がる。
ここは…どこだろう?
周りを見ると本が散らかっていて無駄に広いということ以外はなんとも思わない部屋。
クローゼットの中も確認してみよっか。
私は中を確認すると中にはダンベル等の筋トレグッズが入っていた。
ここはきっと男の人の部屋なんだろう。
でも、私の腹筋めちゃくちゃ割れてるなぁ。
もしかして、私の部屋って可能性もあるかも。
一応隣のクローゼットも確認する。
女子の制服っぽい物があったので女の子の部屋で間違いなさそう。
いや、男の人がコスプレでっていう可能性もあるし。
筋肉ムキムキマッチョマンの変態の可能性も無きにしも非ず。
「せーいーかー!帰りにお菓子買って来てやったぞ!これで今日もキャリーしてくれ!」
「もちろん!エナジードリンクも買ってきてあげたよ!」
なんか家の前で大声を出す人がいるな。
どんな人だろ。
私は窓から家の前を覗く。
「お、出てきた」
「絶対インターホン押した方が楽だったじゃん」
「ええやん別に、昔の子供みたいやろ」
「時々使う大阪弁はなんなの?」
なんか私の方を見て手を振ってる人が2人いる。
1人は男の子で1人は女の子だ。
女の子の方は可愛いな。
男の子の方はザ高校生って感じだ。
「あれ?反応がないな」
「もしかして、竜みたいに記憶喪失になってたりして」
「まさかー。そんなギャグ漫画みたいな展開あったら逆立ち腕立て伏せしながら読書感想文書いてやるよ」
「もしかして、私のことですか?」
私は気になって2人に声をかけて見ることにした。
「誠華があんな感じでふざける時は大抵分かりやすいし、これはガチなやつだね」
「……マジすか」
「家に入っていい?」
「あ、私の家だったんですね。いいですよ」
2人は家に入ってくるとすぐに私の部屋へと入ってくる。
「こ、こんにちは。初めまして」
「誠華がこんな男が考える女の子みたいな感じになる訳が無い」
「ブーメラン刺さってるぞ」
「女子校に行っても共学に行っても性格が変わらなさそうだし」
女の子は男の子を無視して続ける。
「記憶喪失系で確定っすか」
「確定っす」
「……」
男の子は頑張って逆立ちをしようとするが全然出来ずにいる。
「あのぉ、壁とかを使えばいいと思います」
「なるほど」
男の子は壁を使って逆立ち腕立て伏せをしながら散らばっていた本の1冊を女の子に見せて貰う。
「自分の名前とかって分かる?」
女の子は男の子に本を見せながら話しかけてくる。
「分からないですけどさっきほど聞いた誠華…でしょうか?」
「そうだね。私は雫であっちのバカは竜」
「テストの結果はお前より上だろうが」
「竜さんは賢いのですね」
「誠華が1番上だけどね」
「そ、そうなんですね」
私は嬉しくなり照れる。
私がこの中で1番賢いんだ、えへへ。
「誠華が照れてるぞ。写真撮らないと」
「竜はさっさと読書感想文を書け」
「まだ半分も読んでないのに書けるか」
「ていうか、腕立て伏せが止まってるよ。早く動かして」
「クソォ」
竜さんは顔を真っ赤にしながら腕立て伏せをする。
大変そうだなぁ。
手伝った方がいいのかな。
(このSSR誠華をそのままにしておくか、記憶を戻すかどっちにする?)
(戻してやった方がいいだろ。でも、その前に動画だけ撮っとこうぜ)
2人はこそこそと話していて何を言っているのか分からないけど私の記憶に関しての話をしているみたいだ。
「私、思い出したいです。2人のこととか」
「しょうがない、手伝ってあげるよ。竜、もういいよ。どうせできっこないだろうし」
「できるに決まって……」
雫さんは笑顔で竜さんの方を見る。
竜さんはその笑顔を見て威勢が段々と落ちていく。
「出来ないに決まってます。はい」
「よろしい」
雫さんは周りを確認して机の方を見るとひらめいた様な顔をする。
「誠華、コンバーターといえば?」
「コンバーター? う、あっ頭が」
「これは王道の思い出しパターン。いいぞ雫。もっとやれ」
「角待ちショットガン!」
「うっ」
なんでだろう、ものすごく暴言を吐きたい。
言っちゃダメなのに。
「芋スナ!」
「うぅぅ」
「お祈りグレネード!」
「あっうくぐ」
「初動狩り!」
「○ねぇぇぇぇぇぇぇ」
あ、暴言吐いちゃった。
汚い言葉なのに、言われたら傷つくなんて簡単に分かるのに、言っちゃダメって分かってるのに。
でも、気持ちいい。
「……スッキリしました」
「まだ戻らないみたいだな」
「王道ルートは通ってたはずなんだけどな」
「暴言で思い出すのは違うってことか」
2人はがっかりしてるみたい。
あ、そうか。
本当の目的は私の記憶を戻すことだもんね。
「ごめんなさい。思い出せなくて」
「別にいいよ。俺の時もこんな感じだったし」
竜さんも記憶喪失になったんですね。
「大声出したら喉が乾きました。何か飲んできます」
「いてら」
「いってらしゃい」
私はゆっくりドアへと向かう。
すると、散らかっていた本を踏んで足が滑ってしまい頭からコケてしまった。
「大丈夫?」
私は雫の手を借り起き上がる。
「別に大丈夫」
「この感じ!」
「戻ってきたな」
私は2人を見ると次々と思い出していく。
「まさか、竜に続いて私も記憶喪失になるとは」
「次は雫の番だな」
雫が嫌そうな顔をする。
雫の番がいつかは来るはず。
「あ!誠華撮るの忘れた」
「なにやってんの!」
撮られてなくて良かった。




