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ささやかな情交

見つけてくれるか?

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。

夢の中だけ吸血鬼。

苦手な方はご注意下さい。


突発的な吸血衝動に晒されて、慌てて家を飛び出した。何時も飛び出す側なのは、彼奴の方なのに、今日は真逆。人混みに紛れる様にして、俺の匂いを掻き消す。こうすればきっと、見つからない。そう思っていたのに。

不意に手首を掴まれる。身体中に電流が走り、振り返るのを阻止しようと躍起になる。それでも――。振り返らなくてはいけなかった。

「見つけた」

女の顔は一抹の不安と、全面的な安心感。そんな顔をされたら逃げる事も、掴まれた手を振り払う事も出来なかった。

「お腹空いてない? お家に帰ろう」

俺は腰に手を回すと、女を路地裏へと連れ込んだ。


とろとろと滴る汗に混じって、女の芳香が辺りに充満する。誘う様な甘ったるい香りが鼻腔を擽り、衝動を燻らせた。口を開く。滴る汗を舌にのせて、そのまま白い柔肌に食らい付いた。じわりと広がる赤い液体。アルコールが全身に回ったように、酩酊する。

「んぐ……うぅ……」

脳内の天秤が揺れる。離してやれ、離すな。ずっと揺れ動きながらも、体は思考とは無関係に女の体に絡み付く。

吸っている間、女はずっと力の抜けた状態で、俺に身を委ねていた。けれども俺が牙を引き抜こうとした時に、後頭部に手が回る。撫でられていると気がつくまで、早数分。

「帰る時まで、我慢出来るかな?」

此処で平手打ちをされた様に目が覚めた。即座に隣を確認。肩口に覆われた髪を指で払って、柔肌を晒した。勿論、傷の一つも残ってなかった。


何時も姿をくらます側なのは女の方なのに、今日は真逆。冒頭と同じデジャブを感じて、誰も居ない部屋のソファに身を凭れると、とたとたと小さな足音が聞こえて来た。

「見つけた」

女の顔には夢と同じ、一抹の不安と全面的な安心感。違ったのは、体全体を使って擦り寄って来た事だろうか?

「ん。夢と一緒だな」

「?」


彼は夢を見たらしい。自分が吸血鬼になって、私の血を吸う夢。でも、本当は噛まないように逃げた夢。私が吸血鬼になったら、きっと同じ事するだろな。

そろそろ吸血鬼ネタが書きたくなりました。

汗のシーンは前書いたので、引きずっているかも知れません。


もしも吸血鬼になったらこうなりそうだなー。

という作者の想像ぎっちぎちです。

死ぬまで我慢しそう。吸血衝動。

でもOK出たら、噛みそうな。がぶり。


旦那が嫁ちゃん見つけられるのなら、嫁ちゃんだって旦那を見つけられるでしょ〜。

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