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妹ちゃん☆ねるダイヤル  作者: 塩鮭 亀肉
第一の世界
10/17

日常 その2

 乃がやたら彼女云々でいじって来るので不要な疲労を溜めてはいるものの、特に変哲のない日常が過ぎていく。

 ちゃんと「彼女はいない」と説明したはずなんだけど、土曜日に遊びに出たときまで言ってきた。桂ちゃんも僕の説明は聞いていたはずなのに、それに食いついてくるから毎日の昼休みと同じような感じになったので少しだけ疲れた。

 その点についてはちょっとだけ勘弁してほしいなと思うけど、二人といる時間はたぶん妹の存在が在ったときも変わらなかったんだろう。この世界では一番居心地の良い時間だ。


 そうして心の休息を取り、週が明けて、問題の月曜日がくる。

 特別体調を崩したわけでも、冠婚葬祭でもないのに学校を休むのはちょっと悪い気もするけど、これも妹のためということで覚悟を決める。

 自分にそう言い聞かせてはみたものの、ちょっとした罪悪感が心の中を漂う。それは始業時間が過ぎるまでずっと残っていたのだが、それが過ぎてしまえば、後に引けなくなったからか気が楽になった。


 リモコンを操作して、見る回数ももうすぐ二桁となる異様な風景を眺める。この不思議な光景にも慣れてきて、あまり心を動かされることはなくなってきた。


 世界が切り替わると共に、足裏に床の感触を感じる。そういえば、とリモコンを見ると干渉状態になっていた。

 先週、元の世界に帰ってからリモコンをいじるのを忘れていたのと、今日は学校を休んだことによって、こういったところまで気が回っていなかったせいだ。


 今は響香が部屋にいなかったからいいものの、いたなら色々言われていたんだろうな。そう思いながら、そっと小ダイヤルを反対端まで回す。

 身体がフッと軽くなる。だからといってそういう風に考えなければふわりと浮かびあがるようなことはないが、身体や身に付けている者の重量を感じなくなるせいか、この状態になると疲労感などが感じにくくなる。


 一応モードを切り替えても大丈夫なように靴を履いてから、響香の通っている中学校まで向かった。


 そういえば在学中は正面玄関から出入りすることはあんまりなかったなと思いながら、軽々と侵入に成功する。

 誰からも認識されていないし、なにかに干渉しているわけでもないから、気付かれるはずはないんだけど、潜入という非日常的行動に少しだけドキドキする。


 響香は二年生なので、たぶん三階に教室があると思うけど、よくよく考えたらクラスとか知らない。

 しかたないので、一つ一つクラスを回っているのだけれど、こうしていると本格的に悪い事をしている気がしてくる。心の中でごめんなさいと謝りなら一つ一つ回っていって、最後の五クラス目でようやく響香の姿を見つけることができた。


 響香のクラスでは理科の授業をしているようて、里木先生(ちょっと懐かしいと思ってしまった)が鉢植えを持って何かの芽を見せながら植物の話をしている。

 ドアをすり抜けて教室に入って、一番後ろで授業参観のようなかたちで響香を観察することにした。

 そこまで学校に愛着を持っていたってわけではないけど、それでも懐かしさはあるようで、知っている先生たちの授業を聞いたりしてるのは悪くはなかった。


 そこから数学、英語、国語と続けて授業が続く。月曜日から、三連続で疲れる教科が入っているとは、このクラスはなかなか大変そうだ。

 国語の先生は新しい先生が担当していて知らなかったが。話が面白く飽きない授業だった。それと、教科書に載っていた小説がちょっと懐かしく思わず響香の手元にあるそれを覗き見して読んでしまった。


 卒業してからまだ三年もたっていないというのにこんなに懐かしいんだったら、大人になる頃はどんな風に感じるんだろうかと思ってしまう。国語の授業が終わると昼食の時間となった。

 配る係りの生徒たちが皿に盛っていく給食がまた懐かしく思える。そして、そんな様子を見ていて、自分のお腹が減っていないことに気づいた。


 尿意や便意も感じないし、もしかしたらこの状態でいると生理的な活動が必要なくなるのではないかと思い息を止めてみた。すると給食の時間の間ずっと止めていても平気だった。

 このモードの便利さというか特異性がちょっと怖くなってきたけど、深く考えてもどうしようもないので考えないことにした。便利ではあるし。

 便利であることはいいことに違いない、文句言って消されてもあれだし、これはこれでいい物だと思おう。まぁ、あの妹神のことだから文句言ったところで、そんなことはしないとは思うけど。


 給食の時間が終われば、生徒たちにとっては待ちに待ったであろう昼休みの時間が訪れる。

 今までの様子を見ている限り、響香は学校でいじめられてるとか友達がいないとかそんなことはなさそうだけど……。

 軽く周りを見てみた感じでは、生徒たちは置いておくにせよ、先生たちはちょっと響香のことを気にかけてはいるような気はした。


 これは担任の先生がぽろっと独り言として喋っていたことを聞いたから分かったことだが、この世界の僕と響香は随分と仲が良かったらしく、夏休み明けは随分と元気がなかったらしい。

 その言葉を聞いてからだと、響香と仲のいい子たちは、話すときに微妙に気を遣ってくれているように見える。


 仲良しグループで楽しそうに話す響香の姿を見るが、大きな問題を抱えているようには見えないし、この世界で僕がするべきことって本当にあるのかな。

 彼女の日常を覗いてみたけど、特に問題らしい問題が見えないし、妹神の言う「救う」ということがなんなのかは、今回の観察では分からず仕舞いだった。

 でも、問題がないことはいいことには違いない。案外、僕が変に動くよりも、こんな感じのなにもない日常を過ごしている方が彼女のためになるかもしれない。

 そんなことを考えていると、響香が会話から離れトイレに向かっていった。


 流石にトイレについて行くのはあれなので、戻ってくるまで教室で待っていることにした。

 特にすることもないので、響香と話していた子たちをぼんやりと眺めていると、彼女たちが響香について話し始めたので聞き耳を立てる。


「響香、最近いいことあったのかな。また元気になったよね」

「うん、お兄さんがなくなってから、無理して明るくしてる感じしたもんね。それがなんというか、自然な明るさというか」

「そうそう、昔通りというかなんというか、いい感じだよね」


 先生が言っていたことと同じだ。この様子なら、自分がいなくてもそのうち立ち直って、元気に生きていくんじゃないかと思える。だとすると、僕は必要なのだろうか。


「ただ、なんか、無理はしてないけど、お兄ちゃんの代わり、というか別のなにかみつけたみたいな感じしてるのは気になるかも」

「あー、なんとなくわかるかも、彼氏かどうかは分からないけど、自暴自棄なってないといいよねー」


 彼女たちの言葉を信じるなら、僕がいる意味はあるのだろう。でも、自分がいることで響香に悪い影響を与えるんじゃないかという心配もある。僕がいることは長い目で見たとき、本当に彼女にとってプラスになるのだろうか。

 そんな響香に対する本音の話も本人が帰ってくるまで。戻って来たらトイレに行く前と同じように楽しく談笑をし始めた。

 あんな話を聞いたらずっと響香に張り付いているのもなんだか悪い気がして、学校を後にした。


 放課後までは若干時間があるので、近くの公園のベンチに腰を掛け(た気になって)放課後の時間まで待つことにした。


 何もしないで、風景をただ眺める。

 その間、考え事をしていてもいいし、頭の中をからっぽにしてぼんやりしていてもいい。こういう時間は好きな方だ。こうしていれば一時間くらいは割とすぐに過ぎていく。とはいえ、ずっとこうやって放課後まで待っているのもあれだし、ランドセルを背負った小学生たちが目につくようになった辺りで立ち上がる。


 散歩でもして、響香と会うための気持ちを作っておこう。

 風景をぼんやり眺めているのと同じでこうやって目的もなく付近を歩くのも好きだ。あまり行った事のない辺りだと特に楽しいが、この周辺は僕の世界との違いは感じられず、なんというか慣れ親しんだ散歩道といった感じがする。そのせいで、最初の日は間違って響香の前に姿を現せちゃったわけなんだけど……。結果的にいい感じに打ち解けられたからよかったけど、あれは大分大きなしくじりだった気がする。

 そんなことを考えていたら不安になってリモコンを確かめたが、ちゃんとダイヤルは非干渉の状態になっている。この辺をあんまり長い事歩いていて、彷徨う亡霊みたいな都市伝説になっても困るし、こまめなチェックは大切だ。


 そんなこんなで、特になんにもないことをして時間を潰していると、大分日も暮れてきた。そろそろいい時間かなと中学校へ向かって歩いていると、友達と一緒に歩く響香の姿が見えた。

 水を差すようで悪い気もしたが、とりあえずいることだけは伝えようと、リモコンを取り出して半干渉のモードに切り替えて、響香の方に手を振った。

 するとこっちに気づいたようで、響香は一瞬だけこちらに顔を向けた。


 公園の方を指差して、そこで待っているというジェスチャーをしてから公園の方へ歩いて行く。

 そういえば、半干渉でも声は大丈夫なんだっけ? と思ったけど、でも伝えたいことは伝えられただろうと、またベンチに腰を掛けて響香を待つ。

 家に帰ってからくるかなと思っていたのだが、すぐにこちらに来たようで、待ち時間は短いものだった。


 公園の入り口で道の方に向けて手を振っていたので、友達と別れてこっちに来たのだろう。

 響香は公園内を眺めるように見た後、こちらを見つけたようで手を上げかけるが、そういえばと言わんばかりにハッという表情をして手を下ろした。


「え、えっと、トイレに行くって言って別れて来ちゃった」


 と早足でこっちまで駆け寄った後に、小声でそんなことを言う響香。


「別に一旦家に帰ってからでも良かったのに」


 友達との時間を邪魔したくなかったから待っているつもりだったのに、ちょっと悪いことをしちゃったかも。


「あはは、いいのいいの、二人とは明日も学校で会えるし、今はお兄ちゃんの方が大事。一緒にいられる時間短いしね」

「そう言ってくれるのは嬉しいけどね」

「さてと、今日も買い物だけど、付き合ってくれる?」

「うん、分かったよ」


 ということで二人でスーパーまで雑談しながら向かい、近くについたらダイヤルをもうちょっとひねって干渉状態に切り替えて、一緒に中に入る。


「今日は何を作るの?」

「うーん、どうしようかな……カレーでも作ろうかな、いっぱい作っておけば二日くらい持つだろうし、私も楽できるからね」

「カレーかー」

「あれ、もしかして、お兄ちゃんは苦手だったりする? やっぱり微妙に好みが違うとか」

「いや、そんなことはないけど、考えてみればしばらく食べていなかったかなって思って」

「じゃあ、丁度いいね、今夜はカレーって事で正式に決定」


 響香が満面の笑みでこちらに笑いかける。この笑顔が自分に向けられたものなのか、彼女の兄に向けられたものなのか。昼に考えたことから、そんなことを思い浮かべ、僅かに罪悪感を覚える。

 考えていることが顔に出てしまうと悪い。こっちにいる間は、お昼のことは忘れよう。


「なんか普通に僕も食べていく流れだけど……」

「あ、もしかして、今日は無理だったりする?」

「いや別に僕は大丈夫だけど、響香の方こそ大丈夫なの?」

「うん、大丈夫、今日も多分二人とも遅いし、お兄ちゃん一人分くらいならカレーが減ってても二人は気づかないよ」


 作るものが決まると買い物はすぐに終了し、二人他愛もない話をしながら家まで歩く。響香との会話は妙に馴染むというか、自然な感じがして家に着くのは感覚的にはすぐだった。

 家に着くと、響香に言われて先週と同じようにリビングのソファーに腰を掛ける。

 響香の腰で揺れるエプロンの紐を眺めていると、次第に玉ねぎやスパイスの匂いが広がっていき、そこまでお腹は減っていないのに食欲がわいてくる。

 いま、この家に入ったら誰もが今日はカレーだなと考えるだろうな、なんて思っていると響香が振り向いてこちらに声をかける。


「後は少し煮込むだけだよー」


 作り始めてそう時間は立っていないはずだけど。響香は結構料理し慣れているみたいだ。

 花嫁修業じゃないけど、これなら結婚しても料理面では困らなそうだ。


「結構早く出来るんだね」

「まあねー、今は電子レンジもあるし便利な時代になったもんだねぇ……」


 ちょっとしわがらせた声を作ってそんなことを言いながら、隣に腰を下ろした。


「いい時代にって、響香は一体何歳なのさ……」

「うふふ、ぴっちぴちの十四歳だよ!!」

「うん、まぁ、その表現もなかなかにあれなんだけど、この件に関して僕は口を紡ぐよ」

「えへへー」


 急に表情筋を緩めてだらしない顔をする響香。


「どうしたの急に」

「いやー、なんか懐かしいなって、それ音、ちょっと嬉しくて、どうしてもほっぺが動いちゃって仕方なくてさー」

「そっか」

「うん」


 そんな風に話していたら鍋の蓋の動く音がして、響香は不味いと飛び上がり駆け出していくと、鍋の蓋を取って火を弱める。


「いやー、危ない所だった、火を弱めるの忘れていたよ。カレーがこぼれると後処理大変だし、ぎりぎり間に合ってよかった」


 響香は「せーふせーふ」なんて言いながらソファーまで戻ってくると、勢いよく体をソファーに下ろした。

 ふたを取ったからか、より一層部屋にカレーの香りが広がる。


「良い匂いだね」

「だねー」

「あとどのくらい火にかけるの?」

「うーん、いくらでもいいんだけど、時間の都合もあるし、もう少ししたら食べよっかー」


 それから、テレビをつけてニュースを流しながら、最近あった話などをして待っていると、番組が変わりバラエティ番組の「この後すぐ」という音が流れてくる。「そろそろいいかも」と響香は立ち上がると、キッチンに向かい壁にかけられていたフライパンを手にした。


「まだ何か作るの?」

「うん、先週と同じようにおまけを作るよ。私と一緒に食べてくれるおまけね」


 響香が皿を二枚とって、そこにご飯を盛る。


「もうご飯をよそうの?」

「うん、ちょっと待ってね」


 冷蔵庫から卵を取り出すと、響香は決めポーズをとった。


「じゃじゃーん、たまごー」

「あ、もしかして」

「うん、オムカレーだよー」


 ボウルに卵を割りいれると、響香は泡だて器を使ってしゃこしゃこと卵を混ぜ始めた。


「お兄ちゃん、バターとってー」


 響香は手を止めることなくそう頼んでくる。まぁ、それくらいは当然させてもらおう。

 冷蔵庫を開けてバターの箱を探す。物の置き場所は僕の家とあまり変わらない。すぐにバターが見つかり、響香の手の届く場所に置いた。


「ありがとう、じゃあ、やっていくからねー」


 フライパンを火にかけバターを落とすと、バターの白色が透明に変わっていき、黄金色の液体が鍋全体に広がったタイミングで卵液を半分ほど投入した。

 適度に鍋を揺らしながら、タイミングをみて玉子を鍋の片側に寄せて少し火を通して、そのままごはんの上へ。箸で真ん中に切れ目をいれて広げるといい感じのオムライスになった。同じように二つ目も作ってオムライスを増やした。


「どう? 美味しそうでしょ、結構練習したんだ」

「うん、すごい、お店みたいだね」

「でしょでしょ、もっと褒めてー」

「すごいすごい」


 響香の頭を撫でるとぴょこぴょこと小ジャンプをして喜んだ。なんかゲームのキャラクターみたいだ。


「よし、じゃあカレーをかけて完成だよ」


 カレーは玉ねぎ人参じゃが芋、お肉は角切りの豚と割と家庭的だが、ライスの部分がオムライスとなっているだけですごくお店っぽさを感じられる。ご飯の上に卵があるだけでこうも違って見えるんだ。


「早速食べよう、玉子は温かいうちに食べないとだしね」


 響香と僕は前回同様の席に座って、互いに手を合わせた。


「いただきます」


 手は合わせているものの、響香はそこから動かずじっとこっちを見ている。感想を待っているのだろうか。

 カレーだけをスプーンですくい口へ運ぶ。安心感のあるおうちカレーだ。次に玉子とご飯も一緒に食べる。うん、見た目はお店カレーぽくなっていたけど、カレーの力がすごいのか、食べてみると急に家に帰って来たような気分になる。でも、別にそれが悪いなんてことはなくて、すごく美味しい。僕好みの味だ。


「どうかな?」

「うん、美味しいよ」

「よかったー、いただきまーす」


 僕の返答を聞いてまたしても表情を崩した響香もカレーを食べ始めた。

 大分猫舌なのか一口目であちあちとしてから、ふーふーして食べ始めたので肉じゃがよりは時間がかかったが、自分でも満足のいく出来だったのか、残り半分になってからは勢いを増して美味しそうに食べていた。


「ごちそうさま」

「今回は僕が皿を洗うよ」

「んー、悪いような……でも、せっかくだし、今回はお願いしちゃおうかな」

「うん、任せて」


 皿洗いくらいなら、家でもやっているし問題なく出来るだろう。

 二人分の皿をサクッと洗って乾燥機の中に入れた。


「わー、流石お兄ちゃん」

「流石って、別にお皿洗うくらいは誰でも出来るでしょ」

「うん、まぁ、そうなんだけど、結構洗い慣れた手つきだなって」

「普段は自分で洗ってるからね……もしかしたら、本当はそうじゃなかったのかもしれないけど」


 忘れているだけで、元々は僕の妹が洗っていたのかもしれない。そうだとしたら随分と良く出来た妹だが、目の前の彼女を見ていると、僕の妹もそうだったんじゃないかという風に思えてくる。


「うーん、でも私のお兄ちゃんもちょくちょく洗い物はしてくれていたし、お兄ちゃんも結構洗っていたんだと思うよ」

「そうかな? そうだといいんだけどね」

「きっとそうだと思うよ」


 そんなやり取りをしながら、二人でソファーに座って、別れの時間になるまで、しばらく会話をしていた。


「あ、そうだ、次は木曜日に来てよ」


 帰り際、次の予定として、響香が木曜日を指定してきた。

 月曜日は両親が遅くに帰ってくるときいたが、今週は木曜日も大丈夫なのだろうか。


「木曜日?」

「うん、木曜日。七時くらいに家に直接来て、こっちのいろいろ準備しておくから」

「分かったけど、何かあるの?」

「ふふん、それは来てからのお楽しみって事で、じゃあね」


 なにかサプライズでも用意してくれるということだろうか。だとするならばその内容を聞き出すのも野暮というものだ。


「うん、またね」


 なので、そう言って今日はこれでお開きとした。靴などの入ったバッグを忘れずに持ってからリモコンのスイッチオフにする。


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