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フェイター  作者: 知咲
9/20

過去と人形

 モンスターの最後の攻撃は咲夜を惑わす。そんな中、友久は傷つき運ばれる。運ばれた場所で咲夜の過去の話を聞く。

「あら、遅かったじゃない」

 そこには会長と倒されたモンスターがいた。

「気をつけて!」

 それでも私達は警戒していた。目の前に居るのは二人を追い込んだ会長だ。しかも、変身をしている。つまり・・・

「丁度良かった。こいつ倒したけど物足りなかったの。だから貴女達、遊びましょう」

 そう言って咲夜は二人に鎌を向けてきた。後ろの様子に全く気付かずに。

 それに最初に気づいたのは私だった。死に絶えるギリギリでモンスターは口から霧状の何かを吐き出した。

「何?」

 間一髪で私達は避けることができた。しかし、咲夜は避けることができなかった。


「ここはどこかしら」 

 咲夜は辺りを見回す。しかし、そこは見覚えのない場所だった。

「いいえ、違う。私はここを知っている・・・」

 そう思うと段々と周りの風景がはっきりしてきた。そこに広がる風景はかつて咲夜がいた世界。そして、最後に見た風景・・・。

「まさか、生け贄を捧げる場所なの」

 有り得ない!咲夜は最初否定した。ここはあの世界にしかないはずなのだ。なのに・・・

「ほんと趣味悪いわね私をここに呼んだ奴は」

 真っ先に彼女達の仕業かと思ったがあの二人にそんな力は無いし、この風景を見たことがないはずだと思いリストから外した。

「じゃあ一体誰が」

「私だよ」

 さっきまで一人しかいなかったはずなのに後ろから声がした。振り返るとそこにはいたのは

「久しぶりね。咲夜」

 いつか見たことのある顔の女子だった。

「貴女は誰?いや、貴女は・・・」

 見たことのあると思い出そうとしても頭の中に靄がかかって思い出せない。

「別に思い出してもらう必要は無いわ。だって」

 一歩踏み込んで顔を近づけ、咲夜は少しのけぞる。そして、ニッコリと笑って

「貴女の事、嫌いだから」

 いつも沢山の人に言われている一言。なんとも思わない一言なのに。

「ど、どうしてなの?」

 咲夜は明らかに動揺していた。

「どうしてって言われても・・・。沢山ありすぎでどれを言えばいいか迷うなぁ」

 彼女は考えこむように腕をくんだ。そして、ポンッと手を叩いた。

「やっぱり、最初はこれを言わなきゃ。貴女は私達を不幸にしたんだから」

 彼女はニッコリ笑いながら言った。


「お、おい!会長!しっかりしろ」

 モンスターの攻撃が直撃してしまった咲夜はその場に倒れ気を失っていた。

「一応トドメはしておいたけど、さっきの攻撃で力尽きていたわ」

「ありがとう。じゃあ、会長を天使の所に連れて行こう!」

 私は咲夜を抱えて移動しようとしたが、

「ちょっと待って」

 なぜか奈々に止められた。

「どうして!はやくしないと会長が危ないかもしれないんだぞ!」

「それはこっちの台詞よ」

 私は怒りをあらわしながら叫んだ。しかし、それ以上に奈々は怒っていた。

「どうして会長助けるの?彼女は私達を消そうとした。さらに、貴女に面倒事を押し付けていた。今回助けたとしてもまた消しにくるかもしれない!どこに助ける理由があるの?」

「助けるのに理由なんて必要なの?」

 奈々は驚いていた。無理もない、どう考えても奈々の方が正しいし、自分が間違っている。

「それでも、理由をつけるなら・・・仲間だからかな」

 会長は私達を襲ってきたがそれでもフェイターであることは変わらないし、それなら仲間に違いない。

(それに、彼女はかつての私に似ているから。彼女には知って欲しい。人として生きることの楽しさを)

 そう思った瞬間、ピクッと咲夜の手が動いた。

「目が覚めた・・・」

 言い終わる前に私は会長に弾き飛ばされた。

「大丈夫とも?あんた!心配している奴にしていい事かよ」

 友久を弾き飛ばした咲夜の方を見るとそこには涙を流す会長の姿があった。

「貴女達が教えてくれたんでしょ!私に人の心を教えてくれたのは!なのに、なのに・・・」

 まるで咲夜はなにか叫びながら見えない敵を切るかのように鎌を振り回していた。

「な、なんだ?」

 私達には理解出来なかった。

 その時、咲夜がいきなりこっちに向かってきた。

「この!消えろー!」

 二人のいるところに大きく鎌を振り下ろした。

「!!」

 私は反射的に奈々を突き飛ばした。そして、

「グハッ」

 私は思い切りつけられた。


「うるさい!うるさい!黙れ!黙れ!」

 咲夜は彼女を鎌を切りつけようと振り回す。しかし、彼女には当たらない。

「どうしたの?貴女は人形なんでしょ。どうして怒るの?」

「貴女達が教えてくれたんでしょ!私に人の心を教えてくれたのは!なのに、なのに・・・」

 鎌を握る力が強くなる。だんだん鎌も大振りになりはじめる。

「教えた?貴女が勝手にやって来て、学んで、そして消えていっただけでしょ」

 咲夜の中で何か切れる音がした。

「この!消えろー!」

 思い切り振りかぶった鎌は今度は何かを切りつける感触がした。

「これで消えた・・・。あははは・・・」

「また、貴女は恩人を殺すのね」

 彼女の方を見ると切りつけられた彼女はそう言うと笑って消えていった。それと同時に周りの風景が霧となって消えて元の場所にいた。

「えっ!?」

 昨夜は絶句した。さっきまで彼女がいた場所には友久が倒れていた。

「とも!しっかりして!」

 奈々は倒れた友久に駆け寄った。

「これぐらいなら」

 そう言うと服を破り傷口に当てて止血しようとした。

「・・・」

 咲夜はなにも出来なかった。まるであの時みたいに・・・

「止まってよ。しっかりして!とも」

 奈々の願いとは裏腹に傷口に当てている布は赤く染まり続ける。

「私は・・・、私は・・・」

 咲夜は体が固まって動かない。そうしている間にも友久の顔から血の気が引いていく。

「ほら、このままでいいの?」

 誰かの手が咲夜の背中に触れた。

「今の貴女なら動けるでしょ。後悔する前にさ」 

 そう言うと背中をグイっと押し、動かなかった体が動いた。

 気がつくと咲夜は友久を担いでいた。

「なにするの!怪我をしてるのよ!死にかけてるのよ!動かしちゃ」

「うるさい!黙りなさい」 

 そう言うと咲夜は走り始めた。


「これが無駄なことだってわかっているわ」 

 さっきまで本当に彼女達を消そうとしていた。なのにいざ死にかけている彼女を見ると助けないとと思ってしまう。

「どうして。どうしてなのよ」

 その問いの答えが見つからないまま、咲夜は友久を天使のところに送り届けた。


「動かないで下さい。ちゃんと傷が消毒できません」

 そういいながら彼女は俺の傷を手当てしてくれていた。

「どうしてこんなことをするんだ。この傷に君は関係ない」

「だとしてもです。よしっ」

 傷の消毒が終わり絆創膏を貼ってくれた。

「だって友久さん、いつも強がっていて私の前でだけたまに弱い部分を見せてくるんですから。世話焼きの私からしたらほっとく訳にはいきませんよ。それに私は・・・」


 気がつくと俺はベットに寝ていた。

「さっきの夢だったのか・・・」

 夢にしては色々とリアル過ぎた。まるで一度体験したかのような夢だった。

「イテッ」

 どこにいるのかを確かめようと上半身を起き上がろうとしたが胸付近に痛みが走り倒れた。

「そういや、会長に切られたんだった」

 軽く切られた所を触ったが血が出ていなかった。それどころか傷口も治っていて少しだけ痛みがあるくらいだった。

「こんなに治るスピード速かったけ俺」

「そんなこと無いわよ。天使が治してくれたの」

 カーテンが開けられそこには咲夜がいた。

「会長が俺を運んでくれたんですか?」

「そうよ。自分でもなんでそんなことしたのか分からないけど」

「そうですか。ありがとうございます」

「お礼をいわれるようなことはしてないわ。わざとじゃないとはいえ貴方に怪我を負わせたのは私なんだから」

「それでも、ここまで運んでもらったことはお礼しないと」

「フフッ。貴方は真面目なのね」

 咲夜はクスッと笑った。しかしそれも一瞬で、すぐにいつもの無感情な顔に戻った。

「この前、天使から貴方の過去を聞いたといったでしょ」

「ああ、言ってました」

「私だけ貴方の過去を知っているのは不公平だと思ったの。だから、教えてあげる。私の過去を」

 そうして、咲夜の生け贄として死ぬまでの話が始まった。


「永瀬さん来ましたか!?」

 奈々は天使がいつもいる秘密基地に押し入った。

「え、ええ。咲夜ちゃんが連れてきたから治療もしたわ。一応命に別状はないから保健室で休ませてるわ」

「そ、そうですか。ありがとうございます」

 ペコッと頭を下げてお礼を言うと保健室に向かおうとしたが

「今は行かない方がいいわよ。今は咲夜ちゃんが診てくれているから」

 天使に止められた。

「会長ですか?!大丈夫なんですか」

「ええ、ここに連れてきたのも彼女だったし敵意はなかったわ。それより、貴女にはここで聞いてほしいことがあるの」

「聞いて欲しいこと?」

「彼には止められてたけど、仲間なら知ってもらわないといけない事だからね。怒られるのは私だけだから安心して」

「それ、本当に大丈夫なんでしょうか?」

「・・・。じゃあ、まずは咲夜ちゃんの過去からかな」

「え、会長さんですか?」

「まあ、まずは貴女達と咲夜ちゃんの間にある壁を無くす方が優先だからね」

「それはそうですけど・・・。なんと言えばいいか分からないんですけど、まるで人の心がないんですよね。会長は」

「その通り、彼女は人の心を持つことなく育ってしまったの」


「私の生きていた世界は魔王は存在するとされていて、魔王の供物として18才になった女性を生け贄にしていたの。そして、その生け贄に選ばれたのは私だったの。

 生まれる前からそれは決まっていたの。だから私は誰にも愛されない。両親にも。私には必要最低限のことしかしない。愛情は全部妹の方に注がれたの」

「そんなの、あんまりじゃないか!」

「どうして?」

「え?」

 俺は困惑した。普通の人なら当然否定する事なのに会長はそれがなかった。

「じゃあ貴方は18で死ぬ人間に、しかも生け贄になるような人間に関わるようなバカな人がいると思う?」

「それは・・・」

 その問いに、俺が異常なことと思っていることが会長にとっては当たり前の事だと気づいた。

「誰もかれも私から遠ざかっていくの。だから私はいつも独りだった。でも、寂しいとはおもわなかった。そんな感情もない機械ような私は生きてそんて、死んだの」


「そんなことあり得るんですか」

 天使から咲夜の話を聞いた奈々は驚いていた。

「その世界ではあり得ることだったの。世界が変われば常識も変わる」

「そうかもしれませんが・・・。それを会長は納得していたんですか!」

「納得もなにも、生まれる前から決められたことなのだから納得するしかなかったのよ」

「そんなぁ・・・」


「なんだよそれ、お前はそれでいいのかよ」

「なにが?」

「そんな辛いことして、まだ続ける気かよ」

 友久は咲夜の話を聞いて怒りがこみ上げてきていた。

「辛いこと?そんなことないわよ」

「なら、なぜその話を俺にした。ひとつしかないだろ、お前は今辛いんだよ」

「そんな訳ないわ、言ったでしょ。貴方の過去を教えてもらったから私の過去も教えてあげたって。それに、私は人形なの。人の感情なんて持た」

 パチン。友久は咲夜の頬を叩いた。

「ふざけんなよ。なに勝手に諦めてんだよ。お前は人形じゃない!人間なんだよ」

 この時、俺は怒りが込み上げている理由がやっとわかった。、彼女は最初からもう無理だと諦めていたのだ。

「そんなことはない。私は人形なの。それしか生き方を知らないのよそれが私の運命なの!!」

 そう叫ぶ彼女の目には涙を浮かべていた。

「だから、私はこれからも人形として生きていくしかないの。それの方が傷つくことはないの!」

「会長・・・」

「私が人として生きていたから彼女達は傷ついた。そして、私が否定した。だから、もう、嫌なの・・・」

 それが咲夜の本音だった。誰かも分からない彼女が傷つき、否定されてしまい、咲夜は傷つき、それを無かった事にしようとしていたのだ。

 俯いて涙を流す咲夜の手を俺は握った。

「!!」

「俺は会長を否定しない!傷つけさせない」

「なんでそんなこと言えるの?私は貴方とは赤の他人なのよ。どしてなの・・・」

「だって、俺は会長の仲間なんですから」

 ギュッと咲夜の手を強く握り、俺はニコッと笑った。

「やっぱり、あなたは強いのね」

 咲夜がそう言った瞬間、二人を眩しい光が包み込んだ。


「ぐっ!」 

 咲夜の話をしていた茜音は急に頭を押さえ倒れた。。

「ど、どうしたんですか」

 奈々は彼女の横について、肩をかして椅子に座らせた。

「大丈夫よ。ちょっとね・・・。まさか、そこまでとはね」

「何かあったんですか?」

「いや、ただの独り言だから気にしないで。それより、まだ話は終わってなかったわ」

「そんな、今は体を休める方が先です」

「いいえ、貴女にも知ってもらわないといけないの。その世界にいた、咲夜が死ぬことに納得できなかった人を」


 光が収まると咲夜の前には見知らぬ女子生徒がいた。彼女は私を見るなりニコニコしていた。

「貴女、誰」 

 そう言うと、ガーンという効果音が聞こえるぐらいのショックな顔になり、しょんぼりした。

「まさか、忘れてしまったの咲夜ちゃん」

「忘れた。何を」

「私は咲夜ちゃんを知っている。人間の咲夜ちゃんを」

「そんなはずない。私はずっと人形」

「ほんと出会った時と同じね。そのくもった目、私嫌いよ。だから」

そう言うと彼女は咲夜にお互いの顔が当たるぐらい近づいた。そしてキスをした。

「!!」 

 彼女の唇から熱が伝わる。人の温もりが。その温もりは咲夜の全身に伝わりそして、彼女の凍った心を溶かしていった。

「うんうん、やっぱりその目だよね。かわいいんだから」

 唇を離し、もう一度咲夜の顔を見て満足そうに笑った。

「なんで、私あなたのこと忘れてたの」 

 咲夜は泣いていた。

「まあ、そんなこと気にしない気にしない」

 そう言うと咲夜を抱き締めた。

「ごめんね。私があなたを助けきれなかったからこんなったんだから」

「なんで謝るの。あなたのお陰で私は人間になれたの。それに、貴女は私を助けようとして・・・」

「それ以上は言わないの」

 続きを言おうとした咲夜の口を彼女は止めた。

「私はあの事で咲夜ちゃんを恨んだことは1度も無いわ。それに彼も。きっと、乗り越えて強く生きているはずよ」

 すると、彼女の体が光始めた。

「あら、もう時間かな」

「もしかして、もうお別れなの」

「まあ、彼のお陰で今咲夜の前にいるし、そこまでわがままいえないわ」

そして二人は顔を見合わせた。

「あんたはそっちの世界を守ってんでしょ。頑張るのよ」

「うん。絶対守るわ。だから、安心してね」

 彼女は最後に笑って消えていった。消えていく彼女の姿は変身した友久とそっくりだった。


「でも、そんな人と出会って人の心を知ったのになんであんな風になったんですか」

 会長の死を否定してくれた人が居た事にほっとすると同時に、疑問が浮かんだ。

「多分この世界に来るときに記憶の障害があったのかもしれない」

「え!?そうなんですか?」

「もしかしたらよ。その可能性があるかもって話」

「それ、最初に話してくださいよ」

 奈々は不満そうに茜音を見た。

「あははははは。それより、咲夜ちゃんはもう大丈夫よ」

「大丈夫って、どういうことですか?」

「言葉の通りよ。彼が咲夜ちゃんを救ったの」

「彼って永瀬さんですか?」

 茜音はうなずいた。

「彼が力を使ったの」

「力を使ったて、何か彼には特別な力を持ってるんですか?」

「ええ、彼の力は運命を変える力よ」

「う、運命を変える力ですか!?そんな力を持ってるんですね」

 とんでもないチート能力に奈々は驚き、彼がフェイターに変身できることに合点がついた。

「じゃあ、会長は人の心を取り戻したんですね」

 彼女の過去を聞いて、恨んでいた気持ちは無くなり、ただ嬉し気持ちと夜かったと思う気持ちになった。

 しかし、茜音は渋い顔をしていた。

「でも、嬉しいことばかりじゃないの」

「え?」

「さっき、彼の力で運命を変えれるっていったでしょ」

「はい、とても強い力なんですよね。もしかして、永瀬さん一人で世界を救えるんじゃ」

「そう、うまい話ばかりじゃないの」

「それってどういうことですか?」

「まだ、彼の話をしてなかったわね。彼の能力には代償があるの」

「代償・・・」

 奈々は唾を飲み込んだ。

「それが、人の心の喪失よ」

「えっ!?」

「彼は生前、能力を乱用したのよ。周りのみんなのために。そして、人の心はほぼ失くしたの。そして・・」

 ガタン。イスを倒すような勢いで立ち上がると奈々は保健室に向かって走りだした。


まぶしい光で閉じた目を開くとそこには泣いている咲夜がいた。しかも、雰囲気もさっきまでとはまるで違う。別人のようだった。

「まさか、あなたにまた助けられるとはね」

「え、どういう?」意味がわからなかった。

「ありがとうね、私に心をくれて」

 そう言うと咲夜は俺に抱きついた。

「ちょ、痛いやめて」

 俺は恥ずかしくなり剥がそうとしたが、

「いや、やめない」

 それに抵抗するかのようにさらに強く咲夜は抱きつく。

そのとき、

「大丈夫ですか友久さんってえぇぇぇぇ」

 俺が咲夜に抱きつかれる姿を奈々は見た。

「ちがう勘違いしないでくれ」

 絶対誤解したと思い弁解をしようとした。さかし、

「ご、ごめんなさい」

 と開けた扉を閉じ、廊下を走る音が聞こえた。

「ちがーーーう」

 この後、なんとか誤解は解くことができた。


「まさか、あなたの封印すら解くとは予想してなかったでしょ」

「まあ、彼女の記憶は別に大丈夫だからいいわよ。それにちょっと緩めだったしね。それよりも」

「そう、ついに目を覚ましたわ」

「さあ、ここからどうなるのでしょうね」

「あなたの思い通りにはさせないわよ、天使」

 茜音は言った。


 男が目を開けると目の前には3人の仲間がいた。

「やっと目を覚ました。遅いわよ」

「でも、目をさませたのでよかったです」

「んで、どうするの」

「ああ、じゃあ、始めようか。待っていろ天使」

 四人は動き始める。理想を胸に

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