エピソード30 = 家族との再会
扉の前に立った。
重たそうな金属の扉のその佇まいは、一見厳重に見えるが遺神体を前にすれば簡単に突破されるだろう。
ここが本当に安全か………その疑問はいまだに晴れず安心することは出来ない。
扉に手を掛ける。
ウィーンという機械音がなると同時に、手にかかっていた扉の重みが消えてすんなりと手応えもなく扉が開く。
「「「「ランド!!」」」」
オレを見た両親とソラとアルカが走ってくる。
特に父さんは群を抜いて早く走って来ており……………バチン!!!!
「うぇっ!」
その勢いを乗せた腕でオレの頬をビンタした。
派手に転ぶオレに掴みかかる様に近づいて父さんが怒鳴る。
「今まで何処へ行っていたんだ!!こんなときに勝手に飛び出しやがって!!いったいどれだけ心配したと思っている!!」
オレはその顔を見て凍りついた。父さんは泣いていた。
普段オレたちの悪戯に苦汁を飲まされては怒鳴ってばかりいる父さん。
そんなどんな事があっても弱い姿を見せなかった父さんが涙を隠そうともせずにいる事に、オレは自分のした事がどんな事であったかを理解する。
「…ごめ…ブエッ!?」
言い終わる前に再びビンタをされて、そして力強く抱きしめられる。
「もうこんな危ない目はするんじゃないぞ…!」
そう言って、オレを解放した父さんは気恥ずかしげに離れてゆく。
オレからは何も言う間もなかった。
そう言えば母さんは………げっ!
母さんは笑顔のまま顔が固まっている。
…これは最も怒っている時の兆候だ。
「……ごめん。」
今度は邪魔も入らずに最後までいう事が出来た。
「生きていたから良いのよ?」
その声音は絶対零度のそれで、オレの背筋が凍りつく。
……まずいまずいまずい!?父さんなんか比じゃないくらい怒ってる!!
そんなときに助け舟を出してくれたのは、他でもないアルカだった。
「おばさん。ランドを借りて良いですか?」
「…良いわよ。生きていたんだから。」
オレ相手の時よりかはまだマシな声音であったが、言葉の内容は何も変わっていない。
……なんだよ…生きていたって………。
そこに執着することは分からなくもないのだが……。
ソラとアルカに連れ出されて奥へ進む。
途中に見知った顔ぶれと出会っては挨拶をする。
「もう少し家族の団欒をする方が良かった……??」
アルカはいやらしい表情でオレを煽る。
「……それは勘弁…。もう十分懲りた。連れ出してくれてありがとう………。」
そう言うと、そうでしょうね、とアルカも微妙な表情をする。
「この先にライズさんがいる。」
ソラが指を指し示した先には、やはりというか鉄格子が目立つ空間があった。
「あれ…?ライズさんは釈放されたんじゃ…。」
「無罪放免じゃないんだ…。ここに来てからも、この参事の原因なんじゃないかってあらぬ疑いをかけられて大変だったんだ。」
ソラは痛ましい表情で語る。
「ある意味あの中にいる方が、アイツは絡まれないしで安全なのよ。」
オレは憤りを覚えながら2人に気になっていた事を聞いた。
「こんな事になってからライズさんは全く何もしていないの?」
2人は頷く。
「ここに来てからはだいぶ落ち込んでいるみたいで、大人に絡まれても特に否定もせずに黙ったままだったよ。」
「牢屋にも無抵抗で入ったわよ、アイツ。…ほんっとにらしくない……。ハイヴであんなに余裕ブッこいてたのはどこのどいつなのよ!」
オレはショックを受ける。
あんなに勇ましかったライズさんが落ち込んでいるなんて信じられない…。
……いや、信じたくないだけなのだろうか。
「おい!ここはわるーいお兄さんが捕まっているから、ガキは近づくんじゃねえぞ。」
牢屋の前に着いて最初に言われた言葉はそれだった。
奥の離れたところに眠っているのかライズさんが横たわっているのが見える。
ゲラゲラと笑う見張りの青年にイラついたオレがそいつを睨むと、そいつはシッシッ!と払いのける手振りでオレたちを追い返そうとする。
「僕たちはライズさんの知り合いです。」
「通しなさいよ!」
ソラとアルカの言葉を聞いた見張りのそいつはそのまま訝しむ様な表情になる。
「…知り合いぃー?本当にそうか…?………それにそうだとしてもアイツは人攫いかもしれない危険人物だからどちらにせよ通せないぞ。」
__かもしれない危険人物って何だよ!
「__何も知らないくせに!勝手に危険だなんて決めつけるなよ!!」
何も知らないのはオレも同じ事だ……でも、お前らよりかはずっとライズさんの事を知っているんだ。
オレが怒鳴ると流石に驚いたのか、そいつはオレをなだめようとした。
そのとき、
「ランドか……?」
牢屋の中のライズさんが俺たちに反応した。
登場をあまり考慮していなかったキャラの性格を書きながら考える……。
あとで矛盾が発生しそうで怖いですね。
昨日は忙しく更新出来ずすみません……。
「“ほぼ”毎日」という予防線にもう頼ってしまうとは………ダラけるとそこで力つきる習性を修正する為に、もう少し頑張ろう。




