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エピソード15 = 不安

「ライズさん…連れて行かれちゃったね……。」

 オレ達はとぼとぼと通りを歩いていた。


 ライズさんは明らかに怪しかった、オレ達も最初はそう思っていた。

 …でもそれは間違いだった…身を挺してオレ達の事を救ってくれたあの姿を見て、それは間違いだと理解した。

 そんなライズさんが捕まったことに、オレは強い憤りを覚える。


「…アイツが捕まって行方不明者が出なくなったら本当にアイツが犯人なのよね。」

 アルカが不貞腐れながらぼそりと言う。

 …そういえばアルカはあのハイヴにあった行方不明者の肢体の事を知らないのか。

 ソラと2人でアルカに説明をする。


 ライズさんとは別の不審者をリンが目撃している、と言うと。

「でもそんなの、あのリンって人がグルだったら成り立たないじゃない。それに、ハイヴの中の事なんて証拠にならないわ…!」

 確かに周りの人達に信じてはもらうのは難しい。

 どうしたら…。


 そうしているうちに、オレ達はそれぞれの帰路につき、別れた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「おかえりなさい!」

 家に帰って直ぐに母さんが出迎えてくれた。

 オレは母さんに今日の事を話そうか迷った。

 ライズさんに口止めされていたけれど、この話を信じてもらえればライズさんの無実が証明できる。


「そうそう!行方不明者事件の犯人が捕まったそうよ!今朝あなたが家を出てすぐソラくんのお父さんから電話がかかってきたんだけど犯人はメンデッド差別をする人ばかりを………」

「もういい…!!」

 開口一番からそんなことを言われて悔しくなる。

 母さんはダメだ…、どうせ信じてくれやしない。

 自分の命の恩人を誤解とはいえけなされるのはとてもムカムカする。


 オレは直ぐに部屋にこもった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 オレは夜に部屋の窓から屋根に登って、セルの天井を見上げるのが好きだった。

 天井のハイヴの光がぼんやりと見えるその光景を見ると、心が落ち着いて元気が出る。

「そういえばハイヴって天井にもあったんだっけ………。」

 今日通ったハイヴがもしあの上だったら、セルめがけて真っ逆様に落ちていたのだろうか…?



 そんな事を考えているとき、天井のハイヴに人影が見えた。

 …………………?!!!

 直ぐに見えなくなってしまったが、確かにそこに何かがいた。

 それはセルの中からハイヴの方に戻ったようにも見えた。

 あんな高い場所を登る……?!

 オレは怖くなって部屋に戻る。


 ゆっくりとベッドに潜り込んだオレは考える。

 ……そうだ。ライズさんの無実など関係なく、人は消えるのだ。

 ハイヴの痕跡を見るに犯人は遺神体並みに強い。

 並みの警備では歯が立たないだろう。

 リンは、そいつが遺神体を呼んだとも言っていた。

 セルの中でそんな事をされたらおしまいじゃあないか。


 犯人をほっておく訳にはいかない。

 しかし、犯人に対抗できるのはどう考えてもライズさんとリンの二人だけだった。

 犯人が行動を起こす前にライズさんが解放されないと……。


 遺神体に攫った人を襲わせるような残忍なやつが野放しになっているのはとても恐ろしい。

 そんな奴が何をしでかすかはわかったものではなかった。



 明日……みんなで話し合おう……。


 オレは微睡みに負けて意識を手放した。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 翌日、いつもの噴水広場で2人と合流する。


「ライズさんはあの噴水から水を取ってたんだよね……。」

 まるで故人の事を話すかのように、寂しそうに噴水を眺めながらソラが呟いた。


「その事なんだけど…。」

 オレは切り出した。

 昨日見た影のこと、そして犯人を長く野放しにしてはいけないという事。

 とにかく、ライズさん以外にはセルの中で犯人に対抗できる人はいないという事を。


 それを聞いていたアルカが突然怒りだす。

「なによ!想像ばっかりで!そんなんで大人を説得できるわけがないじゃない!」

 オレの話が根拠がない事に腹を立てたらしい。

「そうだけど、大人はハイヴにあった死体を見てないから言えるんだよ!みんなこの事件を軽く見ているんだ!」

「それだって大人から見れば子供の嘘よ!アタシ達に何ができるわけ?!」

 オレがあの死体の話をすると、思い出したソラは血の気が引いたようだ。

 顔をしかめながら、

「…それなら、ちゃんと証拠を集めればいいんだ……。僕たちはあんまりこの事件について知らないから、ちゃんと情報を集めよう。大人の知らないことも知ってるんだ…大人の捜査とは違った何かが見えてくるかもしれない…。」

文章力を得る為にと始めた本作ですが、思いの他楽しくかけています。

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