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エピソード13 = 逃走

「引くぞ!!!」

 となりの分岐から顔をあらわした大ムカデは、セルへの帰り道を塞ぐかたちでオレ達に迫ってきた。


「うわっと!」「えい…!」

 追いつかれると思ったのだろう。

 ライズさんがオレを抱えて、リンがソラを抱える。

 二人は大ムカデのミキサーの刃のような顔を背に、元来た道へ逃げ帰る。


「悪りぃ!俺が騒いだせいだ!」

 ライズさんはガンガンと足裏から金属音を響かせながら走っている。

 オレだけでなくアルカも背負っているので大分辛そうであった。


「別口でセルに通じるルートがある!コイツらは相当な理由がなければセルまでは侵入してこないから、そこまで逃げ切りゃ勝ちだ!」

 ライズさんの声にアルカが目を覚ましたようだ。

「何これ?!!どうなってるの?!!何アレ誰この人?……??!!?」

「…っとおい!暴れんな!アレから逃げてんだからしっかり捕まってくれよ。」

 ライズさんは混乱してじたばたと動くアルカをたしなめる。

 アルカは直ぐに状況を把握したようでおとなしくライズさんにしがみ付いた。



 突然道の先に小型の遺神体が現れる。

「ライズさん?!前!」

「なん…うわっ?!!!!」「きゃ?!!」

 ライズさんは飛びかかってくる遺神体をすんででかわし、アルカが悲鳴をあげる。

 その刃がオレの眼前を横切る。

 虚しく空を切った遺神体はそのまま大ムカデにぶつかり、粉々に粉砕される。

 その光景は自分の未来が見えたようで、とても恐ろしいものだった。


「クソッ!…片腕が埋まって対処が……いや!離さねぇからな!!安心しろ!」

 俺を安心させようとしているが待ち伏せの数は次第に増えてゆき、ライズさんも回避をするのが難しい状況になってきている。

 このままではセルまで辿り着けないのは一目瞭然であった。


 荷物のように抱えられながらオレは思った。

 リンは片腕しかないからソラを抱えるので精一杯で、ライズさんもアルカを背負いながら遺神体をいなすので精一杯だ………。

 このままではいつかライズさんは大ムカデに追いつかれて、アルカ諸共ミンチのように轢かれてしまう…。

 先程の大ムカデに巻き込まれた遺神体を思い出し身震いする。

 元はと言えば、オレが招いた種だ。ライズさんはそう思っていなくとも、少なくともオレはそう思っている。

 ここでオレを抱える必要がなければ、きっと切り抜けられる。

 オレは、自分を犠牲にする覚悟を決めた。



「ライズさん、オレを「それ以上言うんじゃねぇ…!」

 言いかけた言葉は、意味をなす前に遮られる。

「お前の考えてる事はなんとなくだが分かる。」

「なら何で!?」

 オレを捨てれば他全員が助かる可能性がぐっと上がるんだ。

 最初から何の役にも立たなかったオレがここまで足を引っ張り続ける必要は……。

 最期だけ役に立つなんて思わない。

 そもそもこの惨事はオレが招いたようなものなのだから、マイナスにプラスを足してゼロにするくらいの心持ちであった。

「確かに自己犠牲が必要なときもあるけどなぁ…それじゃあ結果誰も救われはしねぇんだよ!!」

 ライズさんは優しかった、でも救われないとしても生き残れない事に比べれば小さな問題じゃないか。

「でも、オレを捨てないとどの道みんな!……」



 突然ライズさんがオレを離した。

 体が中に浮く感覚。

 自分から提案した事だったはずだが、少しだけショックを受ける。

 いや、ショックを受けている自分自身に悲しくなる。

 でも、これでみんな…



 そう思ったときに目にしたものが、一瞬理解出来なかった。



「『ハングアップ』」

 大ムカデの方にライズさんが飛び込み、オレを話す事で空いた左手から取り出した棒状の得物を壁につっかえ棒のようにかけて、あの言葉を言う。

 棒は如意棒のように伸びて壁に固定されていた。


「おいしょっと!」

 オレは再びライズさんに抱えられていた。


 助かった……?

 混乱しながらも状況を整理する。

 大ムカデはあのときの大型遺神体と同じように機能停止していて、つっかえ棒に遮られて止まっている。

 いつのまにかライズさんはソラも抱えていて、ソラを抱えていた筈のリンは遺神体の大群を蹴り潰しに先へ進んでいた。

 ライズさんはしゃがんでオレ達を地面に下ろす。


「どの道みんななんだっけ?」

 下ろしながらオレ達にライズさんがはにかむ。

「…………………説明を要求するわ……。」

 へたり込んだアルカがやっとの事で言葉を絞り出す。


 ライズさんは壁に刺さったつっかえ棒に手を伸ばす。

 その手が触れた瞬間にその棒は縮み、今まで振り回していた姿に戻った。



「俺は近くの遺神体の機能を停止させる能力がある!」

 どうだ凄いだろうと言わんばかりの自慢気な姿に呆気に取られる。

「…まあ頭脳中枢に近づかないと使えねぇから危ないんだけどな。…これで数時間は猶予ができたぜ…!」

「…早く…行こ…。」

 いつのまにか待ち伏せを粗方排除して戻ってきたリンがライズさんを急かす。



 リンの怪力といい、ライズさんの能力といい、セルの外は一体何があるのか…。

 自分たちの暮らしているセルとは、一体何なのか…。

 様々な思いが浮かび上がってくる。



 ただ…ひとつだけ、この人達が仲間で良かった…それだけは疑問なくそう思えた。

関係のない話ですが、最近のベイブレードは凄いですね。

メタルファイトでは考えられなかったギミックの数々に加えて、バースト(破壊)と言う新たな敗北パターンが組み込まれていて最後まで戦いに目が離せなさそうです(エアプ発言)。


……他に何も持っていないのにアルタークロノスというウィールに惚れて、ベイパーツのカプセルトイを回してしまった……(2回ででました。)。

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