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年末年始。ひなさん、厨二ぶりを発揮?!3
神社から歩いてすぐ近くにあるカフェは、俺達のように、初詣を終えた人が沢山来ていたけど、大混雑という程でもなかったのでスムーズに注文することが出来た。
空いてる席に着くなり、ひなは長谷川に詰問してる。こういう時のひなは頼もしい。訊きづらい事をズバリっと訊いてくれるからだ。破天荒な所があるけど、人を傷つける事は、しないしな。
「 なんで、別れる宣言したん?」
「 ……知らない女の子と歩いてた 」
「 知らない女の子って。理由とか訊いたん? また、真央お得意の渉くん暴走じゃないんね?」
渉くん暴走ってなんだ? 夕陽が追い討ちをかけるような一言を放つ
「 真央姉ちゃん、迷子になった俺と歩く渉兄ちゃんを見て、『私の知らない女の子と歩いてるって、騒いでた事あったよね」
「 そいや、そんな事あったねぇ。渉くんに、よう( よく)確認しとらんじゃろ?」
ひながトドメをさす。長谷川は、二人の一言に、ぐうの音も出ないようで、項垂れてる。なんか悪さした子犬が、きゅーきゅー鳴いて、飼い主に許しを乞うかのように項垂れてるし。
「 ひなの言う通り、渉に事情確認してないんだよね。謝って、事情訊いてくる」
先ほどまでのお怒りモードから、しょんぼり子犬モードになって、長谷川は席を立つ。じゃねと言って去ろうとする。
だがしかし、たった今、話題に上っていた人物がいるんだ。雫というおまけ付で。
「 真央、やっと見つけた」
「 渉。ごめんなさい」
「 いいよ、別に。それよか仁! お前の妹、どうにか何ねーか!学校でのひなの様子話せって、しつこいんだよ! 俺が全部話したつっても、聞きやしねぇ」
「 あんな話だけで、満足する訳ないじゃない!」
喚く雫。ここは、さっさと退場して頂こう。これ以上、こいつがいたら、ややこしくなる。
雫の扱いになれた、拓人の手により、雫は退場させられた。
その間に、渉と長谷川は、話し合いをし、決着がついたみたいだ。
このまま、今日が誕生日の渉のプレゼントを買いに行くんだそうだ。
全く、今回は我が妹が原因とはいえ、騒がしいカップルだ。次どんなトラブルが起こるのかなと、思うと胃が痛くなる俺だった。




