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秋から冬へ寒いけど、二人は、アツアツです。
11月中旬。とある月曜日。真冬並みの気温になった朝。ひなの姿を見て、俺はちょっと引いてしまった。
「 なんな、その格好」
「 スカートの下に、ジャージを履いてみた。スカジャーって呼ぶらしい 」
「 あっそう。でもスカートの下にジャージ履くの禁止って先生言うたじゃろ」
「 うん、知っとる。ただ、仁の反応が見たくて、履いてみたんよ」
ひなは、そう言って玄関先のハナミズキの裏に行く。ジャージを脱ぐつもりらしい。
ちなみに、うちの学校校則がユルい。学校行事( 始業式、終業式、卒業式)以外は、黒かグレーか紺なら、学ランの下やセーラー服の上に何着ても基本オッケーだし、スカート丈も特に決められてない。靴下も白、黒、紺のいずれかという色の取り決めがあるくらいか。あっ女子は、タイツ、ストッキングの着用可能。
そんな学校だけど、いわゆるスカジャーは、禁止。理由は見た目が悪いからだそうだ。
なんとなく納得してしまう。ジャージを脱いだひなは、プリーツスカートに、タイツ姿は可愛いが、さっきのスカジャー姿は可愛くなかったな。うん。
「 それにしても、急に寒くなったよね」
「 ほうじゃね」
学校へ行く道すがら、ひなと俺は、そんな会話をしていた。
相づちを打ちながら、俺はひなの手元を見てしまう。
ひなの手は、白いモコモコの手袋に覆われてて、触り心地が良さそうだ。
俺らの前を歩く長谷川の手元は、サイズが大きめのカーディガンを着ているせいか、袖から指先だけが出ている。世間じゃ、「萌え袖」と呼ぶらしい。
ああゆうのも、いいのかも知れないけど、俺的には、ひなのモコモコ手袋のが断然好きだな。
「 そういや、仁は寒くないん? 手袋しとらんけど」
そう言って、俺の手を握ってくるひな。
予想通り、モコモコ手袋は触り心地がいい。嘘をつこうかと思ったけど、ここは素直に寒いと言ったほうが、いいかもな。
「 寒いよー。去年まで使っとった手袋なくしてしもうた」
「 そうなん、ちょうど良かった。昨日、手袋編みげたんじゃ。あげる」
と鞄から、黒い手袋を差し出してきた。
ありがたく受けとる。
ひなと手をつなぐのも悪くないけど、こっちのほうが、全然暖かいなと思った俺だった。




