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服部ひなさんは、厨二病が、治らないようです。  作者: ねこた まこと
5 ひなさん家の家族事情。

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挿話 言いたい事は自分で言え。


「 腹イテェ、頭ばり(すごい)痛い」


くそひなのやつ。戻ったらただじゃすまん。

そんな呪詛の言葉を心の中で呟きつつ、教室の机に臥せってる。ただしいつもの姿じゃなくて、ひなの姿だ。

俺がさっきから苦しめられてるのは、女性なら月に1回はやってくるアレ。月経。

日常的な呼び方をするなら生理。それに伴う生理痛だ。

今日は終業式だけなのに、なんでこんな目に合わなくちゃいけないんだ。

昨日、ひなのやつにいきなり噛みつかれたと思ったら、気づいたら、入れ替わってるんだもんな。

とか、考えてる俺に声がかけられた。





「仁くん、お水買ってきたから、痛み止め飲んで」

「 サンキュー、助かります」


俺は長谷川に礼を言ってから、もらった痛み止めを口にした。

これでマシになるだろ。


「 それにしても、ひなとは中2からの付き合いだけど、生理痛ひどい事とは知らなかったな」

「 ……あいつは自身に痛みを取る魔法かけとるもん」

「 えっそうなの」

「 やり方俺も知っとるけど、出来んのよ。難しくて」


自分自身に魔法かけるというのは思いほか難しいんだ。どうにかかけても1分と持たずに、激痛が走るんだ。

昔大怪我した時に、試したから間違いない。

他人の痛みをやわらげたり、怪我治したりする方が楽だな。


「 あれ?野村アリサとひな」


朝来て、野村アリサに引っ張っていかれてたのは、見たけどいつの間にか戻ってきた。

俺の姿になったひなは、野村に何か言うと、俺のところへくる。


「 ひなちょっとこい!」

「 えっ?何なん?」


何故かお怒りモードのひなに、野村アリサの前まで連れてこられた。


「 俺が無理やり、婚約者にされたんじゃないの証明しちゃる」


そう言うや否や、ひな《俺》の体を引き寄せると、スッと頬にキスをした。

あまりにも突拍子ない行動に、キスされた俺はもちろんの事、クラスのやつら全員が氷ってる。

目の前の野村アリサに至っては、魂抜かれたみたいになってた。


「 これでわかったじゃろ。今後一切俺につきまとうな」


ひなは、俺の手をつないで教室を出ていった。


「 ごめんねー。ああでもせんと、野村アリサが、あんたの事諦めそうになかったけぇ」

「 別にええけど。そういう事はあらかじめ、言うといてや」

「わかった、わかった」


ひなはそう言って、もう一度俺の手をつないで、教室へ戻った。

余談だが、ひなに生理とわかって入れ替わったのか訊いたら、生理の事は失念してたとの事だ。






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