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ピピピピピと喧しく目覚ましが鳴ってる。
起きたくない~。今日は、パーティーの翌々日。ようするに月曜日なんだけど、海の日で休みだけど、朝から部活なんだ~。バリたいぎい( 面倒 )さぼっちゃおかなー。
私、手芸部なんだけど、秋の文化祭に出す作品を今さら作らないきゃいけない。だから、休みでも部活があるんだな。
だけどねぇ、うちの部何故かオタクが沢山いるんだよ。書く言う私もオタクだけどね。アニメや漫画よりラノベのが好きなんだ。
ラノベ好きが私しかいなくて正直片身狭い。今日も昨日観たアニメや金曜日に発売される少年ジャンヌの話で盛り上がるに違いない。
うう、部活行きたくないなー。手芸好きなんだけど。
「 ひなお姉ちゃん、いつまで寝てるですか? 早く起きないと遅刻するです」
いつもならとっくに起きてる筈の私が、布団の中で、ウダラウダラしてるもんだから義妹のミカンが起こしに来たらしい。
どうでもいいけど、ミカンの変な敬語どうにかなんないかな?
と考えつつ私は布団からはい出る。
「 お早う、ミカン」
「 お早うじゃなくて、おそようございますです。ひなお姉ちゃん。もう7時半過ぎてるです」
「あーハイハイ、ごめんなさいね」
口先で謝りながら、私は布団を畳み、枕元に置いていた制服に手を伸ばしかけて、気がついた。
「ミカン。あんた今朝リボンしとらんね。なんで?」
ミカンは異世界から、私に召喚されたネコミミ娘だ。いつもなら、ネコミミは、髪の毛に変化するという魔法が施されたリボンを結んでネコミミは隠されてるんだ。だけど今朝はそのリボンを結んでおらず、茶色いネコミミはそのままだ。
「美紀枝ママや政治パパがそのままがいいって言うから」
「あっそう」
やれやれ、そういや昨日からあの二人泊まってたんだっけ。
無類のねこ好きの二人だ。ミカンにネコミミをそのままにしとけって言うのも、多分ネコミミを触りたいからだ。
私が言うのもなんだけど、変わった両親だよ。
今日1日はミカンは、ネコミミをさらしたままかもね。
――ごめんミカン。嫌かも知れないけど、
1日あの二人の相手してあげてね。
私は制服に着替えて、朝食もそこそこに学校に向かった。この日、学校で嫌な光景を目にするとは、この時の私はまだ知らなかった。




