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服部ひなさんは、厨二病が、治らないようです。  作者: ねこた まこと
3ひなさんが告られたもようです……そして仁くんも厨二病。
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5

第3者目線です。


数分間の沈黙の(のち)ひなが口を開いた。



「 うー。仁の方法しかないんよね? じゃあお願いしよかな。」


―― 参ったな。一生のお願いって言ったら大概の事はきいてくれる仁に、こんなカード切られるとは思わんかった。まぁあの勘違い野郎から逃げる計画には支障ないけど。


ひなは、心の中で腹黒い事を考えながら話を進める。仁は仁で腹黒い事を考えてるとも知らずに。


――結果的にお願いは成功か。まあ、成功すれば、ひなと付き合えるかも。

「 よし、今から試すか。 実は最初から、そのつもりじゃったし。」

「 能書きはええけ。早く試そ。」

「 いっせーのーで。噛みつくで。」

仁とひなは、恋人同士が抱き合うように、お互いの体を抱き止めて、首もとに牙をあてがう。


「「いっせーのーで。」


ガブリとお互いの首もとに噛みつき、血をすする。


「いった」

「 痛い」


かき氷を食べた時のように、キンっとした頭痛の後、二人目を開けた。


「 入れ替わっとる」

「 やったー成功」



仁の中に入ったひなは、ピョンピョンと跳ね回り、子供のように喜び、ひなの中に入った仁は、どさくさ紛れに胸の感触を堪能したりと、しばらくそれぞれ成功した喜びを噛みしめていた。



吸血しあって戻った二人は、ひなの部屋で作戦会議を開いていた。


「 うーん。こんなにあっさり成功するとわね。でも失敗したらヤバいよね」

「 今度の休みまでに何回か練習して、慣れときゃええが」

「 ほうじゃね。そういやさ、さっき言うとったお願いって何?」

「 ああ、この入れ替りの魔法の方法を試さしてって、お願いしようと、思っとったんじゃけど、お願いせんでも、結果オーライじゃったし」

「 ふ~ん? そうなるように仕組んだんじゃないん?」


ひなは、ジーッと半目で睨んでる。相手に疑いを持っている時、ひなは、こうやって相手に口を割らせようとする。仁は、ひゅーっと下手くそな口笛を吹いてひなの圧力から逃れる。


「そっそんな訳なかろうが、それよか、さっき話した作戦の概要の確認せん。」

「 むぅ、わかったよ。」

ひなは、納得いかないものの、あんまり引き下がり過ぎても、仁が意固地になって、自分の計画がおじゃんになるのも嫌なので、ここは、大人しく引く事にした。


「とりあえず、仁がウチの代わりにあの勘違い先輩とデートする。んで、ウチは、渉くんと林原くんと尾行する。」

「 ええけど、渉はともかく、拓人はあっさり信じるかな。入れ替りの魔法とか、俺らが吸血鬼だとか」

「 大丈夫じゃろ。仁の親友なんじゃけ」

「 ……またよくわからん自信じゃのお。まあええか」



デートまであと数日。果たして二人の作戦はうまくいくのだろうか?

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