水瓶座
ワンピースに袖を通す。
この前一目惚れをして買ったお気に入りだ。
淡い空色、白い襟には小さいお花の刺繍。
レースの白い靴下は特別な日に履くと決めていた。
靴は黒のマーチンにしようかな。お金を貯めて、やっと買えた靴。
「よし。」
鏡に映る私は、いつもより何処と無く愛らしく見えるだろうか。
ううん、見えなければいけない。
いつも時間ギリギリに起きて、急いで準備をしているのに、こんなに余裕を持っていることに私が誰よりも驚いている。
いや、違う。目が覚めてしまったのだ。
九時二三分。待ち合わせまでは少し早い。
もう少しだけゆっくりしようかと私はテレビをつける。
十五分ほどニュースを見ていると、丁度いい時間になった。
テレビを消そうとしたその時、星座占いが始まった。
私は占いは信じない。だって当たった試しがない。
毎日当たってくれたなら、毎日テレビに噛り付いて見るのに。
そんなことを思いなが、一位か最下位かまでランキングが進んだ。
信じない私だが、今日は違った。まだ私の星座が出てこない。
「行こうかな。」
お気に入りのワンピース。特別な靴下。大切な靴。
可愛いらしいネックレス。
今日の私は、いつもより愛らしく見えるだろうか。ううん、大丈夫。
ラッキーアイテムはネックレス。