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亀ぐらし  作者: 法然海老
2/8

異世界での目覚め

〇1章の2〇


目が覚めた。大部寝ていたように思える。辺りは薄暗かったが自分が小さな部屋のような場所にいることが分かる。


ここはどこなんだろう?


ぼんやりと考えながら本能的に身体はこの部屋を出ようとする。

不思議な部屋だ。扉や窓は無く、壁は乳白色で傾斜が付いて部屋を楕円のような形にしている。


まるで卵の中のようだ。


そんなことを未だ霧がかかったような頭で考えながら、身体は何かに突き動かされるように部屋の壁を割り始めた。


割と柔らかいな。


呑気にそんなことを考えていたら、壁が割れた。

割れた場所からは黒黒とした土が見えた。


ここは地下なのか。

地上にあがろう。


そう思い俺は、手で土をかき分けながら地上に出た。

地上はまだ夜明けといった所だろうか、段々と空が赤らんでいる。目の前には大きな湖が広がっていた。

湖の水は透き通っていて、朝日に反射した光が眩しかった。

その全容を眺めようと思い立ち上がろうとしたが、何故か立つことができない。背中に重いものを背負い這いつくばっているようだ。


ここで、ようやく頭にかかった霧が晴れて今までの不自然な状態を理解した。



最初にいた部屋は一体なんだ?

何故俺は扉も窓もない密室にいたんだ?


ここはどこなんだ?

明らかに元いた公園ではない。

こんなに透き通った湖は日本にあっただろうか?


なぜ俺は立てない?

背中に何を背負っているんだ?



視界に入ったもの全てに違和感を感じる。

身体に異常は感じられない。

なぜだ?

俺は多分骨が折れていたし、あんなに酷く蹴られたのだからまだ身体が痛くても不自然ではない。

むしろそれが自然だろう。


疑問がとめどなく溢れてくる。

だがふと湖に写った自分の姿に俺は固まった。



なんだこれは?

まるで亀の様ではないか?!


何故?

なぜ?

ナゼ?


もう訳がわからない。

だが俺がもし亀だとしたら、、

最初の部屋は卵であろう。

亀の卵は土に埋まっていたはずだ。

まぁ湖の近くに産卵するのもおかしくないだろう。


辻褄は合う。

だがここがどこなのか?

なぜ、俺が亀になってしまったのだろうか?


やはり訳がわからない。

いや、待て、まさか?

だがそれは、、、有り得なくはないのか?


この状況を説明するのに1番説明が付くがまさかな。


まさか、俺は転生したのか?

じゃあ俺は不良に殴られ脱糞したまま死んでしまったというのか?

嫌だ!そんな死に方は嫌だ!!

くそぉお!死にてぇ!!




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