2話
遅くなってごめんなさい。私の夏課題が片付くまで停滞するかと思われます
恋愛対象として見られないまま気づけば2年生になっていた。しかもクラスは離れた。周ちゃんとは一緒になれたが素直に喜べなかった。喜べよ、と軽く蹴られるも俺の頭には届かない。どうしよう、このままでは俺の初恋は……いつアプローチをかけれるのか……!
不幸中の幸いか、英語の移動教室や食堂へ行くときは彼女のクラスである4組の前を通ることとなったため、通るたびにチラチラと見ることができた。けれども彼女はたいてい二つしばりの女の子と話していたため全然廊下を見ない。本当にどうしよう……。
6月になり「総合学習の時間」が補習の選択式のような形になった。
「て〜つき。どれにするか決めた?」
周ちゃんが希望票を持って俺の席まで来る。
「うーん……俺国語も数学も英語も科学基礎も出来るしなぁ」
「自慢かよ。ま、それなら良かった。俺と一緒に数学受けてくれない?誰か知り合いがいる方が心強いし」
お前数学苦手だもんな、と言うと苦笑いされた。
「一応赤点とったことないんだけど。通知表はいつも4だし」
「10段階評価なんだしもうちょい頑張れよ」
「あーはいはい。じゃ、そういうことでよろしくね」
この選択授業でもしかしたら知奈美と一緒になれるかもしれない……なんて淡い期待を抱いたことは内緒だ。
数日後、選択授業のクラス分けが教室に張り出された。
「あ、2クラスずつだけど哲希と一緒だー。よっしゃあ」
全然よっしゃあ、じゃない……。まさかの知奈美は英語かよ……。
「今日の四時間目から……って話聞いてる?」
周ちゃんが少しイラつきながら肘で小突いてくる。
「聞いてるよ……。そんなことより、次移動教室だから早く行こう」
移動中、彼女のクラスの前を通るから横目でチラリと見るとやっぱり席替えをしたそうで知奈美は廊下側と反対の遠い遠い窓側にいたのが見えた。くそ……と心の中で悔しがるが仕方がない。
周ちゃんと話しながら歩いてると、ほんの一瞬だけ視線を感じた気がした。