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序章 世界の例えば
例えば…例えばの話です。
世界はある意味、『例えば』の具現でできているのです。
こうして科学が発達してるのも偉人たちが例えばを考えたから。
あくまでこれは私の推測です。
推測は推測でしかない。死人に口なしなので問うこと答えてもらうこともできず、過去は闇のまま。
おっと、話が逸れてしまいましたね。すみません。
え? 私が誰かって?
そんなこと、どうでもいいじゃないですか。
もしかしたら私も誰かの例えばから生まれた産物かもしれません。
ですが、時に例えばは現実になることもあります。
ふふっ、そんなこと有るわけない?
面白いことを仰いますね。
有ったりするものなんですよね、それが。
そんな例えばから生まれた、産物のお話を語るとしましょうか。
ああ、それから私のことを深く知ろうと思わないでくださいね?
あくまで私は『語り手』、この世界の物語を読み上げる者です。
それではページを開いていきましょうか。