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青い空が見たいだけ  作者: 中園秋
第一章 『屋上での関西弁』
1/5

それが日常 私の日常

この小説は私の最初の連載となります。

まだまだ下手ですが、見ていただいて何かを思ってくださればいいなと思っています。

己の全力を注ぎ込みたいと思っていますので、よろしく御願いします。

今日は空が青かった。



 青くて雲一つない快晴。理科の授業で習ったばかりの快晴を、こうも早くみられるとは思ってもいなかった。綺麗な空を見ていて、自分とは大違いだと思う。

自分は誰なのか分からない。今も自分の中で二人の人間が言い合っていて、静かになるのは睡眠時間のほんの一時だけ。

なんだか自分がほかの人と違うということを、改めて思い知らされていた。今日この頃…。


 そのことばかりを考えていて、授業のチャイムが鳴る音さえ聞こえなかった。周りの生徒たちがワイワイと話をしながら昼食の準備をしていている。そして自分の真横に来ていた人物に、声を掛けられてやっと今が昼休みだと気付いた。


(そら)…。何やってんの?」


「んー…背伸び?」


「なんで疑問を疑問で返すのよ」


 まったくと言ってため息をつきながら苦笑いをしているのは内山歌穂(うちやま かほ)。そんな彼女を見ている男子は少なくない。今も彼女に視線を向けている男子は多い。


「そういえばまた告白されたんだっけ?」


 昼食用のお弁当箱を出しながら、席を隣の席と引っ付ける。

そこに歌穂が座って同じように持ってきていたお弁当箱を開けていた。


「あぁ、あの話? うん、思いっきり断ってきた」


 にこやかに笑みを漏らしながらお弁当に入っているだし巻き卵を口に入れた。そして、さらにその告白していた男子に追い打ちをかける。


「だってあいつ私のこと何も知らないのに、知ったような振りしてさ。私の何がわかるのかっての」


「それで、しつこい彼に背負い投げ喰らわせたわけか…」


「まぁね。だって本当にしつこいんだもん! 私が断ってお昼食べに教室に戻ろうとしたら、馴れ馴れしく肩に手を置いてきたんだよ」


「だからって背負い投げってのは…」


「大丈夫! スパッツ履いてるから」


 そういう問題じゃない。そう言いたかったが彼女の周りに花が見えた。そう幻覚だ。もちろん幻覚だ。でもそれぐらい彼女が輝いて見えていることになるのだろう。にこにこと笑みを向けながら、黙々とおかずを自分の口に放り込む彼女を見て、何も言えなかった。


 彼女は柔道の達人とも言えるほど強い。

都大会や、市の大会ではいつも金賞を取って帰ってくる。

町の道場でもその強さは歴然としていて、教えていた師範でさえ油断をすれば投げ飛ばされていた。本人はどうして自分がそんなに強いのか分かっていないが、物心がついたときから道場にいたとかそうでないとか。


 そんな彼女と他愛もない会話をしてご飯を食べきると、丁度いいことに予鈴のチャイムが鳴った。あと五分後に授業再開だ。次はなんだったかなと考えながら教科書を自分の机の上に出した。


「じゃ、私次体育だから戻るね」


「うん。って、今から着替えて…。いないし」


 何かを言う前にどこかへ行ってしまう。それが彼女の悪い性格の一部だった。人の話は聞いていかないし…。それより今から体育って…。

彼女の着替えは果たして間に合うのかと思い、グランドに目を向けた。窓側の席なのでグランドは一番見えやすい。グランドにはすでに何人かの生徒が集まって集合していた。そしてその中には歌穂の姿もあった。相変わらず着替えるの早すぎと思いながらも、自分の教室に入ってきた教師によってその考えは消されてしまった。


それが日常

私の日常


変わることのなかった物で

どうやったって平凡な私が変えられるような生活ではない



この授業をきっかけに


楽しくもないあの人物と出会うまでは


いかがでしょうか?

まだまだこんなものですが、もっと話は続いていきます。

ご感想をいただけるととても嬉しいです。

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