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第8章 魔力渦巻き塔・トラブル連鎖編


地方都市ルンフェルドの外れに立つ古びた塔。


その外観は、風雨に晒されて角が欠け、蔦が絡みつき、


まるで「ここに近づくな」と言わんばかりだった。


「……やっぱりこういう塔は、平和に見える畑より疲れるな」


リードはため息混じりに杖を握る。ミリィが小さくため息をつきながら、彼の肩にしがみつく。


塔の扉を押すと、内部は予想以上に歪んでいた。床が微妙に傾き、壁には魔力の残滓が光る。


時折、床下から「グワッ」と不吉な音が響く。


「……なるほど。魔力の渦巻きは、ここに集中してるみたいだな」


リードは小声で呟き、周囲の魔力を手でなぞるように感じ取る。


彼の膨大な魔力が周囲の乱れを吸収し、場を落ち着かせていく。


しかし、塔内部のギミックは容赦がなかった。小型の魔物たちが次々と飛び出し、


炎や氷の魔法で攻撃してくる。普通の冒険者なら大騒ぎになるところだが、


リードはまるで「畑の雑草を刈る」かのような手つきで、魔物を無害化する。


「……ちょっと手が滑っただけだよ」


リードの杖から放たれる光の奔流に、魔物たちはびっくりして逃げ惑う。


魔物たちの反応はまさにコメディ的で、逃げる途中でお互いにぶつかる姿に、


ミリィも笑いをこらえきれずに肩を揺らす。


塔の奥へ進むと、そこには巨大な魔力の渦が渦巻いていた。


渦の中心には、宝石のように輝く「魔力源」が鎮座している。


「……これが原因か」


リードは一歩近づく。しかし、渦の魔力は常人の手に余るもので、


近づくものを押し返すように揺れる。


「ここは……俺の出番だな」


リードの目は真剣だが、口元はどこか緩む。膨大な魔力で渦を包み込み、


ゆっくりと吸収する。渦は次第に静まり、塔全体が落ち着きを取り戻す。


「……ふう、やれやれ。やっぱり、静かな畑の方が性に合うな」


ミリィが肩越しに言う。


「でも、これで市民は喜ぶんですから、少しは報われますね」


だがその瞬間、塔の外で大きな音が響く。


どうやら、渦の力を求めて他の冒険者たちや商人たちが集まり始めているらしい。


平穏はまだ遠く、リードのスローライフは再び揺らぐ。


「……また始まったか」


リードは杖を握り直す。渦の魔力を落ち着かせた安心感と、


巻き込まれる騒動の予感が入り混じり、複雑な笑みが浮かぶ。


こうして、魔力渦巻き塔での一件は無事解決したように見えたが、


リードの日常はまだまだコメディとトラブルの連鎖の中にあった。


スローライフの道は遠く、しかし彼は今日も静かな笑みを絶やさず、


次なる騒動へと歩みを進めるのだった。



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