自慢気な王女様と謎の人物
「ふにゃぁ……。海が、キラキラして綺麗ですね……」
坂の上の絶景ポイントに到着した鈴は、移動式の結界の中から、穏やかになった海をうっとりと眺めていました。カレンも隣で「クゥ~ン♪」と心地よさそうに目を細めています。レベル449の魔力が生み出す結界内は、まるで別世界のような静寂と安らぎに包まれていました。
しかし、その静寂を破るように、ヒトミノジの町の方から、アステリアの騎士団が戻ってくる音が響きました。
ヒトミノジの町入口:結界の境界線
「フィオナ王女殿下ー! ご報告がございますー!」
アステリアから戻った騎士団は、ヒトミノジの町を覆うパステルカラーの結界の前で立ち往生していました。鈴の結界は、王女の命令であっても、鈴自身が許可しない限りは誰も通さない、完璧な防壁となっていたのです。
「お姉様、騎士たちが戻ってきたようですわ。わたくし、ちょっとお話を伺ってまいりますわね(普通の声量)」
「あ、はい……。フィオナさん、気をつけてくださいね」
フィオナは、鈴に一言断りを入れると、移動式結界から出て、町入口の境界線へと向かいました。
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王女と騎士団:境界線の会話
「報告! 王都にて黄金像の撤去作業を完了いたしました! ……」
「……昨日は、あのSランク魔物リヴァイアサンが、この結界に跳ね返されて宙を舞ったのですのよ! そして、お姉様の守護獣、伝説のリボンベアー・カレン様が一撃で撃退されたのですわ!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!! S、Sランクを、この結界と、クマさんが……!?」
騎士たちは、あまりの規格外な話に顎が外れそうになっています。フィオナはさらに、懐から昨日撮った「お宝写真」を自慢げに取り出しました。
「そして! わたくしとお姉様の、絆の証明! このツーショット写真ですわ! ……この写真は、セントシャイアの国宝として、厳重に保管することにいたしましたわ!!(普通の声量)」
「おおぉぉぉ!! ……っ!! 素晴らしい、素晴らしい功績です、殿下!!」
騎士団は、リヴァイアサン撃退よりも、写真の方に感動して涙を流し始めました。
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その頃:町入口の別の一角
一方、騎士団が王女と盛り上がっているのと反対側、誰もいない町入口の隅っこに、一人の謎の人物が立っていました。
その人物は、パステルカラーに輝く結界の表面に、静かに手をかざしていました。
「……ほう。アステリアの魔法とは違うな。……これは、術者の『心』そのものが、魔力として具現化されているのか……? ……これほどまでに強大で、かつ純粋な拒絶の結界、見たことがない……」
謎の人物は、感情を読み取らせない静かな瞳で、結界の虹色の光を見つめ、何やら魔法の術式を分析するような仕草を見せました。
「……面白い。……この結界の主……、そしてその強大な魔力……。……分析させてもらおう……」
謎の人物の呟きは、誰にも届くことなく、海風に消えていきました……。
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現在の状況
| 場所 | 状況 | 備考 |
| 坂の上 | 【鈴&カレン】 | のんびり海を眺め中。平和を満喫。 |
| 町入口 | 【フィオナ&騎士団】| 鈴の偉業(と写真)で盛り上がり中。 |
| 町入口(隅) | 【謎の人物】| 鈴の結界を分析開始。敵か味方か正体不明。 |
| ヒトミノジの住人| 【警戒・最大】 | 王女はいいけど、あの結界前でぶつぶつ言っている人は何者…………? |
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「……ふにゃぁ。……なんだか、背中が少しチクチクするような気がしますぅ……。カレンさん、気のせいでしょうか……?」
坂の上で、鈴は微かな予兆を感じ取っていました。




