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穏やかさを取り戻した港町

「ふにゃぁ……。やっと、やっと静かになりましたね……」


リヴァイアサンが去り、荒れ狂っていた海が嘘のように穏やかさを取り戻しました。鈴はカレンのモフモフに顔を埋めながら、深く、深いため息をつきました。


しかし、ふと顔を上げた鈴は、自分の周りの「空気」が変わっていることに気づきます。


「……あれ? なんだか、自分の意思が……空気に伝わっているような気がしますぅ」


鈴が「あそこ、ちょっと眩しいですぅ」と心の中で思うと、窓際の結界の密度がふわりと増して、日差しを和らげるカーテンのようになりました。さらに、試しに「あっちの方に……」と指を差すと、今まで自分を中心にしか張れなかったパステルカラーの結界が、遠く離れた場所にも「ぽわん」と自由自在に出現したのです。


「鈴殿! 今、無意識ではなく、ご自身の意思で結界を操作しませんでしたか!?」

「ニャ、ニャーーー!! 鈴、いつの間にそんなに器用になったんだニャ! どこでも好きな場所に『ひきこもりバリア』が張れるなんて、もはや無敵だニャ!」


どうやら、Sランク魔物との死闘(?)という極限状態をカレンと共に乗り越えたことで、鈴の【絶対不可侵の聖域】は、無意識の防衛本能から、彼女の意思に呼応する「技術」へと昇華されたようです。


「ふ、ふぇぇ……。便利になったのは嬉しいですけど、これじゃあ言い訳ができなくなっちゃいますぅ……っ」


---


ヒトミノジの今後


「鈴殿。この町を覆っている結界ですが、どうされますか? 鈴殿が離れれば消えてしまうのでしょうか?」


ヒルダの問いに、鈴は町を見渡しました。住人たちは、リヴァイアサンの脅威から救ってくれた鈴とカレンを、遠巻きに、しかし尊敬の眼差しで見つめています。


「……この町の人たちは、静かなのが一番好きなんですよね。……よし。この結界は、そのまま置いておきますぅ。悪い魔物さんや、大きな音が苦手な人のために、私がずっと守ってあげるように……『予約』しておきますね」


鈴が地面をトントンと叩くと、ヒトミノジを包むパステルカラーの結界は、より安定した光を放ち、半永久的な「防音・防波壁」としてこの地に定着しました。


「……ありがたや……」「……これで……安心して……内職が……できる……」


住人たちの心の声が漏れ聞こえてくるようです。


---


現在の状況


| 項目 | 状態 | 備考 |


| 鈴のスキル | 【完全制御】 | 結界を自由な位置、密度で展開可能に。 |

| ヒトミノジ | 【聖域化】 | 鈴の結界が常駐。世界一静かで安全な港町へ。 |

| フィオナ王女 | 【感動の極み】 | 「お姉様は神話の女神様になられたのですわ……っ!」 |


---


「……ふぅ。お騒がせしましたけど、これでまた、カレンさんと一緒にお昼寝できますね」


鈴は、レベルが上がらなかったことにホッと胸をなでおろし(Lv.439のまま)、再び平和を取り戻した別荘のベランダで、今度こそ静かな海を眺めるのでした。



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